ホンダF1田辺TD会見:3連勝の勢いを感じつつも、緊張感を持って連戦へ「勝ち続けることへのプレッシャーもある」

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2021年06月25日 16:01  AUTOSPORT web

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田辺豊治 ホンダF1テクニカルディレクター レースプレビュー
2021年F1第7戦フランスGPでの劇的逆転優勝の余韻に浸る間もなく、ホンダの技術陣はチームスタッフとともに南フランスからオーストリアに飛んだ。今週末から2連戦が行われるレッドブルリンクは、2019年にホンダF1第4期活動の初優勝を遂げたサーキットだが、昨年はメルセデスに完敗したうえに、パワーユニットのトラブルにも見舞われた。

 それが今季はここまで3連勝、両選手権でも暫定首位を維持した状態でオーストリア2連戦に臨む。「勝ち続けることへのプレッシャーはある」と語る田辺豊治テクニカルディレクターは同時に、メルセデスへの警戒心も当然ながら解いていない。とはいえコメントの端々からは、今季ここまでの結果に裏付けされた自信が窺えた。

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──3連戦の2戦目、そして同じサーキットでの2連戦が始まります。

田辺豊治テクニカルディレクター(以下、田辺TD):レッドブルリンクは2019年にレッドブル・ホンダとして初優勝を遂げた地ですし、昨年はコロナ禍でオーストラリアGPが中止になった後の開幕戦になったレースでした。

 観客もいない、モーターホームもない、ジャーナリストはパドックに入れないという非常に限られた環境での開幕戦で、どんなシーズンになるのかと思ったことを覚えています。いろいろな思い出のあるサーキットですが、それに加えて今回は3連勝を遂げた次のレースということで、非常に緊張感も持っています。

──3連勝を挙げたことで、緊張感というよりもむしろ手応えといいますか、楽観的な気持ちの方が強いのではないですか?

田辺TD:確かにチーム内の雰囲気はすごくいいですし、勢いを感じていますが、そんなに簡単ではないこともよくわかっています。敵はチャンピオンチームですし、毎回改良を重ねています。なにより勝てば勝ったで、勝ち続けることへのプレッシャーもあります。そういった状況です。

──全開率の高いサーキットですが、今季ここまでで最もエンジン的に厳しいサーキットですか?

田辺TD:全体的な全開率の高さではレッドブルリンクですが、たとえばバクーは連続全開時間が長いことと、最後に達する高回転域、その厳しさがありました。(パワーユニットを)年間3基で回していくなかで、どういった回転頻度をクリアすればICEが持つのか、そういった観点で耐久性の確認をしています。

──このサーキットでは、そのあたりを特に心配はしていないのですか?

田辺TD:そうですね。心配ないように準備をして持ち込んでいます。

■レッドブルリンクではエネルギー切れの懸念なし
──エネルギーマネジメントの厳しかったフランスでも、メルセデスに引けを取らない戦いができていました。その意味で、レッドブルリンクでもエネルギーマネジメントの不安はないですか?

田辺TD:ここは高速コーナーが多いとはいえ、バランスよくいろいろなコーナーが散りばめられています。ですので、特にエネルギー切れを起こす懸念はないです。

──同じサーキットでの2連戦で、いつも以上に緻密な準備が必要とリリースで言っていますが、より具体的にお願いします。

田辺TD:具体的にといいますか、一発外すとそれに対する回答を見つけることに苦労する。そういった懸念があるということです。ですので、できるだけパンパンと行きたいという、そういう考え方です。やることはいつもと同じです。

──持ち込まれるタイヤが2連戦で変わりますが、パワーユニットへの影響はありますか?

田辺TD:そのあたりはやりながら見ていきますが、劇的な影響があるとは考えていません。

──サーキットの標高が高い分、MGU-Hへの負荷は高いですか?

田辺TD:いえ。標高400mのポール・リカールでも大丈夫でしたので。(標高2000m以上の)メキシコを見据えて開発していますし、ここは我々の言い方で言うと『プチ高地』ですね。ダメージを受けるなど、そういうこともないはずなので問題ないレベルです。

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