天皇陛下ワクチン接種未完了で五輪開幕 雅子さまは欠席の“おもてなし” 皇室の真意とは

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2021年07月23日 16:00  AERA dot.

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写真天皇・皇后両陛下(c)朝日新聞社(宮内庁提供)
天皇・皇后両陛下(c)朝日新聞社(宮内庁提供)
 コロナ禍で開幕する東京五輪。選手や大会関係者の感染が明らかになっている中で、天皇陛下は、新型コロナウイルスのワクチン1回だけの接種で、今夜23日の開会式に臨む。雅子さまは同席せずワクチン接種の有無も非公表。陛下が感染拡大を懸念していると長官が訴えていながら、チグハグぶりが目立つ。その真意はどこにあるのだろうか――。

【写真】あわや尻餅の雅子さまを陛下がアシストしたショットはこちら
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「五輪に対する皇室の姿勢は、通常の外交儀礼(プロトコール)で考えれば不自然なことが多いです。これは今まで経験したことのないパンデミック下の行事であるという事情が主な原因でしようが、それに加えて、宮内庁がうまく対処しきれていないのかも知れないし、もしくは別のメッセージがあるのかも知れません。」

 そう話すのは、平成の時代に上皇ご夫妻の侍従を務めた大阪学院大学外国語学部教授の多賀敏行氏。東京都儀典長、駐チュニジア、ラトビア大使などを歴任した元外交官だ。

 7月22日、天皇陛下は皇居・宮殿でIOCのバッハ会長ら19人と面会し、新型コロナ禍での東京五輪について、「深く敬意を表します」と英語であいさつを述べた。

 バッハ会長は、陛下に対して「日本の皆さまに危険をもたらすことのないよう、最大限の努力をしていることを、陛下に改めてお約束します」と伝えた。これは、6月に西村宮内庁長官が、「開催が感染拡大につがらないか、天皇陛下がご懸念されていると拝察している」と発言したことを受けたものだろう。

 感染防止のため、この日と翌23日の各国首脳らへの接遇では祝宴などは行わず、短時間で終えた。

 宮内庁は、接遇も開会式も皇后雅子さまの同席はなく、陛下おひとりで臨むことになった理由について、「来日する要人らが配偶者を同伴しないため」と説明している。
 
 だが先の多賀教授は、儀礼上のルールといっても自由に動かせる余地はないわけではない、と話す。

「要人を単身で日本に招待したとしても、もてなす側は主人に加えて夫人も同席して接待にあたることは、ありうることで、むしろお客に対する好意と受けとられる場合が多い。特に客に女性が居る場合はそうです。米国の代表は、ジル・バイデン米大統領夫人ですから同じ女性である皇后雅子さまが加わることに、何ら不思議はありません」

 実際、菅首相は真理子夫人とともに迎賓館「和風別館」の夕食会で、もてなしている。 

「もちろん天皇陛下は、外交儀礼は熟知されているはずです。たとえばバッハ会長と面会された際、陛下は深すぎない角度でお辞儀をなさった。流石です。上皇さまも不必要に深いお辞儀は、なさいませんでした」(多賀教授)

 元通産官僚で評論家の八幡和郎・徳島文理大学教授は、そもそも開会式までに新型コロナワクチンの2回目が未接種なのは、明らかにおかしいと指摘する。

 天皇陛下が1回目の接種を終えたのは7月6日。だが、このタイミングでは2回目の接種は3週間後の7月27日以降となり、東京五輪の開会式や要人らの接遇に間に合わなかった。

「国民と同じように政府の方針に従って接種を受けたいというご希望があったと、宮内庁は説明しています。だが、陛下ご自身の安全のためにも、世界のVIPへの配慮を考えても、論外というしかありません」

 長官が「拝察」で吐露したように、天皇陛下が五輪での感染拡大を懸念しており、宮内庁が感染防止を本気で考えているのならば、開会式までに接種を完了させなかったのは、矛盾以外の何者でもない。

 宮内庁は「個人情報にあたる」として、天皇陛下以外の皇族方の接種状況について公表を拒んでいる。

 皇位継承順位2位で、皇嗣である秋篠宮さまの1回目のワクチンを接種が、開催直前の21日だったことすら、各社の周辺取材で報じられたのだ。皇后である雅子さまの接種についても、宮内庁は頑なに公表しようとしない。

 八幡氏は、皇后陛下は、「両陛下」として陛下と行動を一緒にされるのだから、同じ扱いにすべきだ、と指摘する。

「ましてや夫である陛下は、海外の首脳やVIPの接遇をする以上、感染リスクの有無については明白にしておくべきで、『個人情報』という理屈は、通らない。皇后陛下が接種されていないのを明らかにしたくない、とさえ感じてしまう」

 長年皇室を見てきた人物もこう首をかしげる。

「これまで、天皇をはじめ皇族方の健康問題は、少なくとも公務に影響のあることについては、隠さずに公表するのがモラルだった。それを『個人情報だから』と口にした瞬間から、それは税金でやるのは、おかしいという理屈になってしまう。それを『来日する要人も単身だから、こちらも単身で接遇する』『個人情報だから』――と宮内庁が本気で主張しているとしたら、ばかな役所になったとしか言いようがない」

 五輪で来日する世界のVIPたちは、両陛下との交流を楽しみにしているだろう。前出の八幡氏も、コロナ禍だとしてそれを過度に簡素化することは、プロトコールに照らしても儀礼を欠いてしまうし、「おもてなし」の精神と対極を成すものだ、と懸念を示す。

 皇室を取材する記者たちの間では、宮内庁が理屈にならない理屈を主張して、皇室と五輪に一線を引くのは、天皇陛下が五輪に対する無言のメッセージだとの見方もある。

 果たして本日夜の五輪の開催宣言で、天皇陛下は、どのようなメッセージを出すのだろうか。(AERAdot.編集部 永井貴子)

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  • 天皇陛下にオリンピック中止を宣言しろと暴言を吐いた悪夢の党の議員の皇室利用発言には、何も言わないよな朝日とかは、
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  • 《朝敵基地外AERA�ػ�
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