仮面ライダー50周年、スーパー戦隊45作で考える“理想のヒーロー像”は?

4

2021年07月24日 11:30  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真2大スーパーヒーロー大集結(提供)
2大スーパーヒーロー大集結(提供)
 2021年は「仮面ライダー」シリーズ50周年、「秘密戦隊ゴレンジャー」に端を発する「スーパー戦隊」シリーズ45作という、二つのヒーローシリーズの節目の年。それを記念する映画「セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記」も公開。2大ヒーローの歴史に迫る!

【一覧で見る】仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズの歴史はこちら

*  *  *
 石ノ森章太郎が生みの親となる「仮面ライダー」「スーパー戦隊」、二つのシリーズは、現在まで進化と継承を重ね続ける。

 二つのシリーズを手がける東映の白倉伸一郎プロデューサーは、

「1年ごとにリセットを繰り返す。しかも成功した路線をそのまま踏襲せず、毎回ガラリと変えることを繰り返したことで、シリーズの自由度、振り幅を大きくすることができ、結果的に時代に合わせてこられたのではないかと思います」

 と、両シリーズが長く続く理由を語る。

「ただ、自由度が高くなったことで、仮面ライダーの名を借りた、『ぼくのかんがえたさいきょうの仮面ライダー』的な自己満足に陥る危険性もあるので、さじ加減の難しさは感じます」

 長い歴史の中には、いくつかの転換点がある。白倉プロデューサーは、仮面ライダーシリーズでは2002年放送の「仮面ライダー龍騎」が大きな転換点だったという。

「13人の仮面ライダーが登場し、殺し合いをする。いわゆる“平成ライダー”の3作目ですが、ここまでの初代から続く仮面ライダーシリーズのイメージを一掃し、なんでもありのシリーズに一気に進化しました。“龍騎以前・以後”という言い方もできると思います」

 白倉さんが両シリーズのプロデュースを担当するようになったのが1991年「鳥人戦隊ジェットマン」だった。その翌年の「恐竜戦隊ジュウレンジャー」が、スーパー戦隊シリーズのひとつの節目になったと言う。

「『ジェットマン』は、私の青くさい思いでシリーズに変革をもたらそうとした作品でした。その直後にそれを自ら全否定して一気にオーソドックスな作風に戻したんです。結果的に6人目の戦士が登場したことで、従来の5人までというフォーマットを崩すこともでき、自由度が拡大した。力業でなくとも変革はできる。アメリカでのリメイク作品『パワーレンジャー』シリーズの第1弾にもなり、大きな転換点といえる作品です」

 約半世紀にわたり続くシリーズは、その時代ごとに、多くの人の生き方に影響を与えてきた。

 特撮ヒーロー作品に愛と造詣の深い20代の女性声優・せんすさん(オススメ作品は「仮面ライダーZO」「バトルフィーバーJ」)は、造形作家だった父の仕事の影響で、ヒーロー作品を産湯がわりに浴びるように育った。

「ずっとビデオが流れていて、資料も当たり前にたくさんあったので、ヒーローがいることが自然だと感じていました」

 そんな環境ゆえ、20代でありながら原体験は「仮面ライダー」と「ゴレンジャー」、それぞれのシリーズ1作目だという。内面の成長にも大きな影響を受けた。

「仮面ライダーやスーパー戦隊が困難を乗り越え、より強くなるエピソード。それを見たことで、どんな障壁があっても私の心の中にヒーローがいる限り、乗り越えることができるはずだということを学んだと思います」

『特撮の地球科学』という共著書もあるミュージシャンの大内ライダーさん(オススメ作品は「仮面ライダーV3」「恐竜戦隊ジュウレンジャー」)は、“技と力”、仮面ライダー1号と2号の能力を引き継いだ仮面ライダーV3が理想のヒーロー像だという。

「宮内洋さん演じる風見志郎、あんなにヒーロー然としたヒーローはいない。宮内さんはよく、常にヒーローであることを忘れてはいけないとおっしゃるのですが、人前に立つミュージシャンも、どこかにかっこいいヒーローであることを心掛けるという点では同じだと思います。心の中に常にヒーローを意識して、ステージを降りた後や私生活でも、道を踏み外したことをしてはいけない、ということを学びました」

 せんすさんも同様だ。

「お年を召した方に座席をゆずるとか、倒れている自転車を起こすとか、そういう何げない優しさを、ヒーローに育ててもらった身としては持っていないとと意識します」

 両シリーズは、その後の映画やテレビドラマの世界で大きく羽ばたき活躍する俳優が数多く輩出するシリーズとしてもよく知られる。

 21世紀に入ってからだと、オダギリジョー(「仮面ライダークウガ」)、佐藤健(「仮面ライダー電王」)、福士蒼汰(「仮面ライダーフォーゼ」)、竹内涼真(「仮面ライダードライブ」)、松坂桃李(「侍戦隊シンケンジャー」)、千葉雄大(「天装戦隊ゴセイジャー」)、山田裕貴(「海賊戦隊ゴーカイジャー」)、志尊淳(「烈車戦隊トッキュウジャー」)、横浜流星(同)……と名だたる俳優がずらりと並ぶ。

 大内さんは言う。

「今、1年間通して放送される連続ドラマって、NHK大河ドラマと仮面ライダー、スーパー戦隊シリーズだけなんです。とくに主役に若手俳優を起用することの多い二つのヒーローシリーズは、若手俳優が1年間戦いを重ねてストーリー上だけでなく、俳優としても成長するという側面も持つという魅力があります」

 前出の白倉プロデューサーはこう語る。

「卒業後の現場で、スタッフや共演者に『仮面ライダーやスーパー戦隊って、1年でこんなに成長させてくれる作品なのか』と思ってもらうことで、この門をたたいてみたいと思ってもらえるシリーズに育ててもらえました。歴代の卒業生がプレゼントを贈り続けてくれる。継続するというのはこういうことなのかなという気がします」

 仮面ライダー50周年、スーパー戦隊45作品を記念した映画「セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記」が7月22日に公開される。仮面ライダー1号・藤岡弘、をはじめ、歴代ヒーローが時空を超えて集結、銀幕狭しと大活躍を繰り広げるアツい作品だ。

 この作品で大きな役割を持つ「謎の少年」を演じるのが、両シリーズの大ファンでもある鈴木福くん(オススメ作品は「仮面ライダー電王」「侍戦隊シンケンジャー」)だ。

「『仮面ライダー電王』に出会ってから、いつか出てみたいという思いがずっとありました。ストーリー展開が速く、その中で変化していく心情を表現することが難しかったです。大好きだったシンケングリーンとも共演できましたし、デカマスターのカッコよさにも惹かれました。自分が作品の中にいることが不思議でしょうがなかったです」

 メインの仮面ライダーや戦隊のレッドよりもサブ的なポジションのヒーローが好きだという。

「役どころがというよりも、色やデザインが好みなんです」

 いつかはヒーローとして「変身」してみたいか聞くと、「もちろんです! それが一番の夢です」と答えた。そんな福くんにとってのヒーローとは? この問いに、福くんはこう返した。

「僕にとってのヒーロー、それは、この作品を見ていただけたら。そこに答えがあると思います」

 それぞれの人が持つ正義、勇気、平和を願う心。そこにヒーローは、いる。(本誌・太田サトル)

※週刊朝日  2021年7月30日号

このニュースに関するつぶやき

  • YouTubeで『セイバー+ゼンカイジャー・スーパーヒーロー戦記』特別インタビューを見たら小籠包を食べたくなって、業務スーパーで衝動買いしてしまったよ⇒ https://youtu.be/Rqe0dlhFcbg
    • イイネ!1
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(1件)

ランキングゲーム・アニメ

前日のランキングへ

オススメゲーム

ニュース設定