SBK第5戦オランダ:レイが3レースで優勝を飾りランキングトップを奪還。ラズガットリオグルはレース2で転倒リタイア

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2021年07月26日 08:01  AUTOSPORT web

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ジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)
スーパーバイク世界選手権(SBK)のオランダラウンドがTT・サーキット・アッセンで行われ、レース1、スーパーポール・レース、レース2の3レースすべてでジョナサン・レイ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)が優勝し、チャンピオンシップのランキングトップを奪還した。また、日本人ライダーとして唯一、SBKに参戦する野左根航汰(GRTヤマハ・ワールドSBKチーム)は、レース2で12位フィニッシュを果たしている。

■レース1:転倒多数のレース、レイが優勝
 スーパーポールで1番手を獲得したのはレイ、2番グリッドはトプラク・ラズガットリオグル(パタ・ヤマハwith BRIXXワールドSBK)、3番グリッドはスコット・レディング(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)で、チャンピオンシップのランキングトップ3ライダーがフロントロウを占めた。前戦、テスト中の転倒で負った右手中指の骨折により野左根航汰(GRTヤマハ・ワールドSBKチーム)は今大会で復帰。18番グリッドからレース1を迎えた。
 
 また、第1戦アラゴンラウンド以降、参戦を休止してきたMIEレーシング・ホンダ・レーシングが今大会から復帰。ライダーは変わらず、レアンドロ・メルカドを起用して参戦する。

 レース1は気温25度、路面温度37度のドライコンディション。スタートでは2番グリッドのラズガットリオグルがトップで1コーナーに飛び込み、そのすぐ背後にはレイがつける。レイは3、4コーナーでラズガットリオグルを交わすと、早くもトップを奪う。
 
 その後方には、マイケル・ルーベン・リナルディ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)、レディング、アレックス・ロウズ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)、ジョナス・フォルガー(ボノボ・MGMレーシング)などが続く。しかし、3周目には6番手を走行していたロウズ、3番手を走行していたリナルディが相次いでクラッシュ。リタイアとなった。
 
 4周目、3コーナーでラズガットリオグルがレイをパス。ラズガットリオグルがトップを奪還した。しかし、翌5周目にはレイがラズガットリオグルをオーバーテイク。レイが再びトップに立つ。
 
 トップのレイ、2番手のラズガットリオグル、3番手のレディングはワンパックのまま、周回を重ねていった。8周目には、レディングがラズガットリオグルを交わして2番手に浮上する。3番手に後退したラズガットリオグルの約2秒後方には、4番手のマイケル・ファン・デル・マーク(BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)、5番手のアンドレア・ロカテッリ(パタ・ヤマハwith BRIXXワールドSBK)、6番手のフォルガーが続く。
 
 11周目、ラズガットリオグルがレディングを交わし再び2番手に浮上する。ラズガットリオグルとレディングが2番手争いを展開する間にレイが二人との差を広げていき、12周目には、その差が1秒以上に広がった。
 
 残り5周、レイは2番手以下に対し2.5秒以上の差をつけて、独走体勢を築いていた。一方、熾烈な2番手争いは続いており、残り4周でレディングがラズガットリオグルを交わして2番手に浮上。2番手のレディングと3番手のラズガットリオグルとの差はわずかに開いたかに見えたが再び詰まっていった。
 
 その二人に迫りつつあったのが4番手のファン・デル・マークである。2秒あった差を終盤までに1秒ほどに縮めていた。レディングとラズガットリオグルは2番手争いを続けながら最終ラップに向かい、その後方にファン・デル・マークが迫る展開だ。
 
 しかし、残り2周の7コーナーでフォルガーが転倒を喫し、このアクシデントを理由にレッドフラッグが提示され、レース成立。レース1の優勝はレイ、2位はレディング、3位がラズガットリオグルという結果となった。
 
 4位はファン・デル・マーク、5位はロカテッリ、6位はギャレット・ガーロフ(GRTヤマハ・ワールドSBKチーム)だった。野左根は13周目に16コーナーで転倒を喫し、リタイア。レース1は7人が転倒リタイアで終える波乱のレースとなった。
 
■レース2:ラズガットリオグルが痛恨の転倒リタイア。レイは3レース制す
 日曜日に行われたスーパーポール・レースは、レース1のクラッシュで負った怪我により、ルーカス・マヒアス(カワサキ・プセッティ・レーシング)、フォルガーが欠場となった。10周で行われたスーパーポール・レースはレイがトップ、ラズガットリオグルが2番手、アンドレア・ロカテッリ(パタ・ヤマハwith BRIXXワールドSBK)が3番手でチェッカーを受けたが、最終ラップにラズガットリオグルとロカテッリがトラックリミットを超過したとして1ポジション降格となり、優勝はレイ、2位はリナルディ、3位がラズガットリオグル、4位がロカテッリという結果となった。野左根は15位だった。
 
 スーパーポール・レースの結果により、レース2はポールポジションがレイ、2番グリッドがリナルディ、3番グリッドがラズガットリオグル。野左根は18番グリッドからのスタートとなった。
 
 気温22度、路面温度31度のドライコンディションで始まったレース2。1コーナーに1番手の位置で進入しようとしたのは8番グリッドスタートのガーロフだったが、そのすぐ後方にラズガットリオグルがつけていた。ふたりは接触し、ラズガットリオグルが転倒リタイア。ガーロフもコースを外れて大きくポジションを落とすことになった。この接触については審議の対象となり、5周目にはガーロフに対しライドスルーペナルティが科されている。
 
 ガーロフ、ラズガットリオグルに代わって1周目でトップに立ったのはロカテッリで、2番手にはリナルディ、3番手にはレイ、4番手にはレディングが続く。トップのロカテッリは周回を重ねながら、後方との差を広げていた。しかし4周目にレイが2番手に浮上。1秒以上前を走るロカテッリを追う。
 
 2番手に浮上したレイはファステストラップを叩き出しながらロカテッリを追い上げ、その差は1秒を切った。ロカテッリもペースをキープしつつ、レイとの差を保つが、じりじりとレイがギャップを削っていき、9周目になると、その差は約0.5秒になった。その後方では、レディングがリナルディを交わして3番手に浮上。4番手にリナルディ、5番手にデイビスとドゥカティライダーが続く。
 
 10周目に入ると、トップのロカテッリと2番手のレイとの差はゼロに等しいまでになった。逃げるロカテッリと追うレイ。11周目、最終シケインでついにレイがロカテッリをとらえた。レイはイン側にラインを取り、ロカテッリに先行してメインストレートを立ち上がると、トップを確実なものとする。トップに立ったレイは、2番手のロカテッリとの差をほんの少しずつ広げていく。
 
 ロカテッリの2秒後方は、単独走行となっていた3番手のレディング、そのさらに2秒後方には4番手のデイビスが続く。5番手にはリナルディがつけていたが、16周目にアルバロ・バウティスタ(チームHRC)がリナルディを交わして5番手に浮上する。
 
 残り3周、トップのレイは2番手のロカテッリに対し、2.5秒以上のアドバンテージを築いた。一方のロカテッリはレディングに迫られ、最終セクターでレディングがロカテッリをオーバーテイク。レディングが2番手に浮上し、ロカテッリは3番手に後退した。
 
 レイは中盤にロカテッリを交わしてからトップの座を譲ることなく、レース2を制してオランダラウンドの3レースすべてで優勝を飾った。2位はレディング、3位はロカテッリ。ロカテッリはSBKで自身初の表彰台獲得となった。
 
 4位はデイビス、5位はバウティスタ、6位は母国グランプリとなったファン・デル・マーク。野左根は12位フィニッシュを果たし、ポイントを獲得した。
 
 チャンピオンシップとしては、レイと争うラズガットリオグルが1周目1コーナーのアクシデントによりリタイアとなったことで、ランキングトップのレイと2番手のラズガットリオグルとの差は37ポイントに広がっている。
 
 スーパースポーツ世界選手権(WSS)では、川崎祥吾(G.A.P.モトズー・レーシングbyプセッティ)がフリー走行2回目、15コーナーでクラッシュ。脳震盪、右手首の負傷により、レース1、レース2ともに欠場している。
 
 スーパースポーツ世界選手権300(WSS300)では、岡谷雄太(MTMカワサキ)が今季ベストグリッドとなる予選7番手を獲得してレース1に挑んだが、技術トラブルによりサイティングラップを走ることができず、最後列からのスタートとなった。岡谷は残り7周で5番手にまで浮上する追い上げを見せたが、残り3周で前を走るライダーと接触し、転倒。リタイアでレース1を終えた。レース2では4番グリッドからスタートし、6位だった。

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