JO1の動画変遷から見る「INI クラス」の今後 特徴は虹プロに似た”テロップ”にあり?

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2021年07月26日 12:01  リアルサウンド

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リアルサウンド

(画像=YouTubeより)

 7月10日にINIがYouTubeチャンネルに「INIクラス Part1」を公開した。


 デビュー決定してから初めての単独企画動画。Twitterは毎日更新されていたが、YouTubeはデビュー決定インタビュー以来更新されていなかった。同じくPRODUCE 101 JAPANからデビューした先輩、JO1の初企画動画は「みなさまへ初めてのごあいさつ」。INIはデビューから約1ヶ月経ってからアップされたが、JO1は12日後と始動がはやかった。しかし、JO1のデビュー決定から1年半、動画スタイルは幾度となく変化してきた。INIの初動画にもJO1の動画作りは影響しているだろう。今後のINIの動画展開を予想すべく、JO1の動画の変遷を考察したい。


【動画】お絵かきクイズに早口言葉や寄せ書きまで、仲の良さ見せつける「INIクラス Part2」


 JO1の動画の変遷は大きく分けて5つのフェーズに分けられる。ここでは、(1) デビュー前、(2) 無限大期、(3)「OH-EH-OH」〜「THE STAR」期、(4)「CHALLENGER」期、(5)【PROCESS JO1】期としたい。


 デビュー前に公開された初めての単独企画は、「みなさまへ初めてのごあいさつ」という動画だった。サムネの左下にLAPONEの表示はなく、オープニング音楽は『ツカメ〜It’s Coming〜 』。フォントは丸く、「わー!!」「にぎやかにぎやか」など効果音が青文字で踊っていた。今見返すとかなりスタイルが違うため、違和感すら感じる。JO1はファイナルが終わってから1ヶ月以内にリーダーとファンネーム決定の動画がアップされていたため、展開はかなり早かったと言える。


 無限大期では、無限大のリアクションビデオが急上昇に乗り、肝心の無限大MVが急上昇に乗らなかった苦い思い出がある。この時期は1回目の緊急事態宣言。主に【JO1:MISSION】の動画が並び、「【おうち時間】負けたら即!?罰ゲーム!ジェンガ対決」、「白岩瑠姫の利きコーラ」などかなりYouTubeらしい企画がアップされていた。さらに、デビュー前と比べ、編集がかなり変わったと話題に。青を基調としたテロップからYouTuberのような派手な色やフォントに変化。普段からYouTubeを見ている人には、馴染みのある編集となっていた。また、メンバーの自宅で撮影が行われた「メンバーカラーに合わせてジャムを作ってみた」はファンから好評。各々の個性と素が詰まった動画となっており、ファンによる切り抜き動画なども多く作られている。こちらのフォントはメンバーカラーを基調としたホームビデオのような温かみのある動画。マネージャーのナオトが撮影したこともあり、距離感が近いのも魅力的だった。


 OH-EH-OH〜THE STAR期では、ビハインド映像が増加。「JO1_Halloween」「2020 FNS歌謡祭」「2020MAMA」など様々なビハインドが公開され、普段見られない楽屋の様子やメンバーの素直な感想が聞ける人気コンテンツとなった。編集はシンプルでスタイリッシュ、 テロップは必要最小限に。無理矢理面白くするのではなく、メンバーの素材の良さを引き出しているような編集となっている。また、JO1が結成1周年を迎え、再びクリスマス企画が登場。2019年は約1分のメッセージ動画だったが、2020年は3本のクリスマス動画が公開された。特に「Happy Merry Christmas(JO1 PARTY ver.)」は100万回再生を超え、急上昇入りし、 大きな話題となった。


 CHALLENGER期では、OffCamJO1がスタート。JO1の楽屋での一コマや「木全翔也のゲーム実況」、「豆原一成の高校卒業式」などゆるい動画や 感動できるコンテンツまでラインナップ 。3分ほどの短い動画が多く、気軽に見られるのも魅力だ。テロップはなく、JO1の日常がそのまま切り取られている。新しくアイドルグループにハマりたいとき、コンテンツの量が多い、1本1 本の動画の時間が長い、というのは大きな障害となるため、 気軽に見られる短い動画がアップされているのは、新規ファン獲得にも有効だろう。


 PROCESS JO1期では、【J-LOG】【PROCESS JO1】という2つのコンテンツがスタート。J-LOG初回は豆原一成。豆原自身がカメラを回しており、豆原の持つ朗らかな雰囲気が詰まった動画となっている。【PROCESS JO1】では「日本一のパフォーマンスグループになる」という目標を掲げたJO1の過程を記す番組。週一回配信される 。JO1のYouTube番組はこれが初めてで、 INIもYouTube番組が始まるのではないかと期待が高まる。


 このように、JO1の動画は時期によってかなり変化し、新企画も頻繁に行われている。一方、先日公開されたINIの初企画はどのようなものだったのだろうか。タイトルは「INIクラス Part1」。学校で使用されるような机と椅子に座り、メンバーが一つの教室に集まっていた。フォントはソフトで丸さがあり、可愛らしい雰囲気。JO1とINIのコンセプトの違いはまだ明確ではないが、INIクラスからは爽やかさ、きらきら感、青春といったイメージが感じられた。


 INIは今回が初めての動画にも関わらず、マンネリ感が一切なく、コメント欄も高く評価するものが多かった。印象的だったのはテロップの多さ。INIは発言以外のテロップが非常に多い。本人が口に出していない「余裕」「すごい!」など表情から読み取れる感情もテロップとなっている。これはNiziUを輩出したNizi Projectでも使われていた手法だ。韓国ではよくある編集だという。以前、NiziUのファンを公言する指原莉乃は「最初は違和感があって見れなかったんですけど、見ていくうちにそれの虜になって、最終話は日本の編集の方で見たんですけど、物足りなくて、早く『テレッ』って出してくれ!って思うくらい癖になる」と話していた。まだメンバー1人1人を詳しく知らない視聴者にとって、感情の共有は親しみやすさにつながるのかもしれない。


 また、JO1の初企画を踏襲するのではなく、INIとして新たな企画を立ち上げたのは成功 といえるだろう。2019年12月23日に公開されたJO1の「みなさまへ初めてのごあいさつ」は現在69万回再生(2021年7月22日時点)。2021年7月10日に公開されたINIの「INI | INIクラス Part1」は現在91万回再生。JO1がファンを作ってきたからこそ、INIの人気があるため、一概に比較は出来ないが、高評価数もINIの方が1万以上多く、良いスタートダッシュをきれたと言える。


この先の展開としては、リーダー決めも気になるところ。JO1は「みなさまへ初めてのごあいさつ」の1週間後にすでにリーダーを決めている。しかし、デビュー決定から1ヶ月しか経っていたなかったため、距離感が感じられる動画となっていた。現在のJO1を見ると、リーダーは與那城奨しか居ないと筆者は思っている。しかし、当時メンバーがそれぞれの特性を理解できていたかは分からない。今回、INIクラスでは、進行役がくじ引きで決定されていた。どのメンバーが仕切る能力があるのか、メンバーもファンも気になるところ。しばらくリーダーは定めず、動画や本格的なレッスンを通してリーダーを見定めていくのかもしれない。


 INIクラスはPart1とあるため、シリーズとして続くようだ。INIクラスは、Gyao!で放送されていた「JO1 HOUSE」を彷彿させる メンバーのわちゃわちゃ感がある。JO1とINIを抱える事務所「LAPONE ENTERTAINMENT」は設立から2年の新しい会社で まだまだ手探りな部分も多いかもしれないがJO1の動画の変遷を見ると、変化を恐れず、常にファンの求めているものに応えていこうとしている印象がある。JO1で培った経験値を、INIでも存分に生かしてもらいたい。また、今最も注目したいJO1のコンテンツは「PROCESS JO1」。こちらもINIクラス同様シリーズ化されている。進化を続けるJO1とフレッシュさが際立つINI。両グループのコンテンツから 今後も目が離せない。(佐藤さくら)


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