プチ更年期を疑ったら…「女性ホルモン」が減るとどうなる? かかりやすい病気、症状【医師が解説】

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2021年07月26日 20:51  All About

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写真女性ホルモンは実際にどんな役割があり、減るとどうなるのでしょうか。女性ホルモンの働きと、月経周期やダイエット、さらには心の健康やお肌との関係について解説します。
女性ホルモンは実際にどんな役割があり、減るとどうなるのでしょうか。女性ホルモンの働きと、月経周期やダイエット、さらには心の健康やお肌との関係について解説します。

女性ホルモンの働き・役割……卵胞ホルモンと黄体ホルモン

そもそも「ホルモン」とは、身体の中で作られ、体内の臓器を調節したり管理したりする少量の物質のこと。何となく実体がないもののように思われがちですが、実際に血中を流れている物体です。名前は似ていますが、体外に放出されて繁殖期などに役割を果たす「フェロモン」とは別のものです。

女性ホルモンとして有名なのは、卵巣で作られる以下の2つ。

・卵胞ホルモン(エストロゲン)
・黄体ホルモン(プロゲステロン)

この2つには月経周期や妊娠をコントロールする大切な役割があります。

さらにこの2つのホルモン分泌をコントロールするのが、脳内の「視床下部」と「下垂体」という部分。これらの部位はいわばホルモン分泌の司令塔で、ここから卵巣に「このホルモンを出せ」と指令が送られることで、卵巣からホルモンが出されます。

女性ホルモンが減るとどうなるか・減少が招く症状・病気

女性ホルモン、特にエストロゲンはいろいろな働きを持っています。女性ホルモン量の減少が招く症状や病気は、女性ホルモンが減る閉経後に増える病気を考えると理解しやすいでしょう。代表的なものとして以下が挙げられます。

■骨粗しょう症
女性ホルモンの持つ骨量を保つ働きが弱まるために増加

■脳梗塞、心筋梗塞など血管の病気のリスクの増加
女性ホルモンの持つ血中の脂質を下げる働きが弱まるために増加

■アルツハイマー病
詳細は解明されていないが、女性ホルモン減少との関係が指摘されている

■萎縮性膣炎
女性ホルモンの減少により膣粘膜が萎縮して膣が弱くなり、すぐ出血したりひりひりしたりするようになる

女性ホルモンと月経周期の関係

女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンは、月経を直接コントロールしているホルモン。卵巣の中で卵胞とよばれる女性側の赤ちゃんのもとが育ってくると、エストロゲンという卵胞ホルモンが分泌され始め、エストロゲンの働きで子宮の内側を覆う子宮内膜が厚くなります。

次の月経が始まる大体2週間前になると、成熟した卵胞からは卵が飛び出します。これが排卵です。飛び出した卵は子宮に向かって運ばれ、卵が精子と受精した場合は受精卵になり、約1週間をかけて子宮に運ばれていきます。

一方、卵を排出した卵胞は黄体という脂肪の多い組織に変化し、プロゲステロンという黄体ホルモンを分泌することでさらに子宮内膜を厚くします。受精した場合に備えて子宮内膜を厚くすることで受精卵の着床の準備を整えるのです。

何も起こらない場合、必要のない子宮内膜は出血を伴って剥がれ落ち月経となります。女性ホルモンと月経は直接大きな関係があり、切り離して考えることはできないのです。

女性ホルモンとメンタルバランスの関係・心の健康への影響も

女性ホルモンは女性のメンタルバランスにも関わっています。例えば女性ホルモンが一気に減少する月経前は、ダイナミックなホルモン変化に体がついていけず、「月経前症候群(PMS)」という心と体の不調が起こることもあります。

女性ホルモンとダイエット・お肌の関係

女性ホルモンを正しく理解すると、美容にも役立てることができます。例えばダイエットを始める場合は、月経後〜排卵までの低温期がオススメ。卵巣内で赤ちゃんの元である卵胞が成熟する時期で、エストロゲンが徐々に増加してくるため新陳代謝が活発になり、一般的に女性にとって調子の良い時期になります。

新陳代謝が活発になるのでダイエットの効果が出やすいのはもちろん、肌の調子もよくなることが多く、メンタル面でも安定しはつらつとした気持ちになる人が多いようです。

女性ホルモン量を測る方法は? 女性ホルモン量の検査法

女性ホルモンは血液中を流れている実在する物体なので、簡単な血液検査で測定することができます。一時期、20代や30代で更年期障害のような症状が出現してしまう「プチ更年期」という言葉が流行したことがありましたが、もし本当に30代で更年期になるとすれば、医学的な言葉では「早発閉経」という病気を指します(日本の場合、40歳以下の女性が閉経してしまうことを「早発閉経」と呼びます)。

女性ホルモン量は簡単に計測できるので、実際に「プチ更年期」の症状がある女性の女性ホルモン量を測ってみたところ、ほとんどが早発閉経ではなく正常だったそうです。ちょっとした更年期症状だけが出現して卵巣機能には問題ないことが多いので、過剰に心配しすぎる必要はありません。

もし頭痛やイライラ感などの更年期的な症状が気になる場合は、一人で悩む前に女性ホルモンの測定を行うのも一つの方法。

医師が病気の可能性があると判断すれば、保険診療で普通の血液検査と同じくらいの金額で検査できますが、病気の可能性が低い場合は保険外診療となり、値段は病院により変わってきます。事前に確認してから検査を受けるのもよいでしょう。検査結果は1〜2週間で知ることができます。

もし検査で本当に女性ホルモン量が少なく早発閉経と分かった場合は、女性ホルモンを補充する治療などで改善することができます。

女性ホルモンの分泌を整えるには、まず第一に「規則正しい日常生活」を送ることが大切です。

山田 恵子プロフィール

東京大学医学部卒業。整形外科専門医、日本整形外科学会認定運動器リハビリテーション医、認定産業医。東京大学医学部医療情報経済学客員研究員、ハーバード大学研究所客員研究員等を経て、現在、東京大学医学部附属病院整形外科。勤務医として診療にあたりながら、女性の健康をサポートする情報を幅広く発信している。
(文:山田 恵子(医師))

このニュースに関するつぶやき

  • コロナ騒ぎが発端で信用出来ない、或いは嘘吐きな医師が増えた様に思える。基本、医師の過信は禁物です。この手の更年期は経験者に聞くのが一番。何れメドベットが出れば医師は不要になります
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  • 何か違う20世紀を生きていた人がいるようだ
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