手銛1本で闘う伝統捕鯨に生きるラマレラ“くじらびと”のドキュメンタリー

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2021年07月27日 12:06  ORICON NEWS

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写真ドキュメンタリー映画『くじらびと』9月3日公開(C)Bon Ishikawa
ドキュメンタリー映画『くじらびと』9月3日公開(C)Bon Ishikawa
 手造りの舟と銛(もり)1本で、マッコウクジラに挑んでいく伝統捕鯨に生きる、インドネシア・ラマレラ村の人々を取材したドキュメンタリー映画『くじらびと』が9月3日より新宿ピカデリー(東京)ほか全国で公開される。食べること、祈ること、命を繋いでいくこと――“生きる”ことの本質に触れるドキュメンタリー。

【動画】映画『くじらびと』予告編

 インドネシア・ラマレラ村。人口1500人、太陽の土地を意味するこの村では、巨大クジラに挑むラマファ(銛打ち)は誇りであり、尊敬を集める存在。生と死が拮抗する漁で得た獲物が、村人の命を支え、彼らは互いの和をもっとも大切にしながら生活している。自然とともに生き、命に感謝し、祈りを捧げ、実に400年もの間変わらぬ伝統の捕鯨を続けながら暮らす“くじらびと”の姿――SDGsの原点がここにある。

 自然とともに生きるラマレラの人々の日常を繊細に、時に臨場感あふれる映像で捉えたのは、写真家であり映画監督の石川梵。彼らの生き方への深い理解と互いの信頼関係を30年という長い時間をかけて築いてきた石川監督は、2017年から19年までの3年間に撮影した映像を本作『くじらびと』として結実させた。観たこともない映像が映画館の大画面に映し出される。

 予告編は、「東からの風に乗って 村に 鯨の季節がやってくる」というベテランラマファの声から始まる。村には最新鋭の機材などはない。手作り・手漕ぎの小さな舟に乗り込み、銛一本と経験を武器に、巨大なマッコウクジラに向かっていく。鯨が年10頭獲れれば村人みんなが生きていける。そして鯨は村人の胃を満たすだけでなく、油は灯りとなり、物々交換の市場では肉は貨幣となる。そして獲れた命を余すところなく村人全員でいただいた後は、言い伝え通り敬意を持って骨を海に返すのだ。

 男たちは鯨を追って漁に出る。それは死と隣り合わせの命がけの戦い。カメラが乗った舟に鯨が体当たりする水飛沫、轟音による臨場感。そして水中の鯨とそこへ飛び込むラマファらとの対比を捉えた空撮映像は圧巻だ。

 そして村の子供達に聞く。「将来何になりたい?」「ラマファさ。もちろん」こうして人間の営みは続く。原始的な美しさと生命力に満ちた100秒の映像に、本編のエッセンスが詰まっている。


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