タロットの起源は「トランプ」!? 世界2大タロットの歴史や違いを解説

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2021年07月28日 12:31  占いTVニュース

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 「タロットカード」が占いに使用するカードだと知っている人は多いと思いますが、もともとは貴族の遊びのためのカードであった「トランプ」が起源だという歴史をご存じでしょうか? タロットはルネサンス期にイタリアで産声を上げたといわれており、印刷技術の発達とともに一般庶民にも広がったカードゲームが原型となります。


■タロットの起源は「トランプ」!?
 まず初めに簡単にタロットカードの歴史に触れておきましょう。


 上でも述べましたが、タロットカードは15世紀中ごろに北イタリアで貴族たちのゲーム用のカードとして誕生したという説が有力です。その後、カードゲームの流れを組むマルセイユ版のタロットが流行します。


 18世紀には、ヨーロッパにタロットを広く知らしめたフランス人神秘主義者(世界で初めての職業占い師といわれる)エッティラ(エテイヤ)がエテイヤ版タロットを出版。この頃からタロットカードが占いとしての地位を獲得していったようです。


 19世紀に入るとユダヤ教の教えであるカバラの思想と生命の樹とタロットを紐づけるようになります。この頃から秘密結社が数多く誕生し、タロットと密接な関係を持つ“黄金の夜明け団”へとつながっていくのです。


 20世紀に入ると、ウェイト版(ライダー版/ウエイト・スミス版)タロットデッキを創ったアーサー・エドワード・ウェイトや、トート版タロットデッキを監修したアレイスター・クロウリーといったタロット界の重鎮が登場。彼らの功績によってタロットカードは爆発的に世界中へと広がり、現代ではオリジナルのタロットカードも数多く出版されています。


■世界に流通する二大タロット
 まず初めにタロットカードの構成を説明しておきます。タロットカードは22枚の大アルカナと56枚の小アルカナから成り、総数78枚で構成されます。


 小アルカナにはスートと呼ばれる4種類の分類があり、ワンド(棒)、カップ(聖杯)、ソード(剣)、ペンタクル(硬貨)に分けられ、各スートは1番から10番までの数札と人物が描かれたコートカードから成り立っています。コートカードに描かれているのは、キング、クイーン、ナイト、ペイジの4人。この構成は以下で述べる2種類のカードデッキに共通しています。


◎マルセイユ版
 タロットカードは、もともとは富裕層がお抱えの画家に1つ1つ絵を描かせ制作したとても高価な遊戯用のカード。美しい絵柄や装飾が施されているものも多いのが特徴です。18世紀のフランス革命の頃、印刷技術の発達により、フランスのマルセイユ地方で大量生産されました。後にそれらはマルセイユ版のタロットカードと呼ばれるようになり一般庶民にも広まっていきます。
 昔ながらのマルセイユ版のカードは、背面が白色で統一されており、とてもカラフルな色使いで作られているのが特徴です。当時は木版印刷だったために、デザインも木版画らしい独特な印象があるものが多いです。代表的なカードである「カモワンタロット」もマルセイユ版の一種です。フランスが発祥であるのが一目でわかる色彩やデザインセンスがあり鑑賞用やコレクションとしても人気のあるカードデッキです。


◎ウェイト版(ライダー版/ウエイト・スミス版)
 アーサー・エドワード・ウェイトが画家であるパメラ・コールマン・スミスに挿絵を依頼し制作。1908年にロンドンのライダー社で発売されたので、ライダー版またはウェイト版タロットカードと呼ばれています。
 マルセイユ版では小アルカナには挿絵がなかったのに対し、78枚すべてのカードに挿絵を施すという画期的な発想で、より多くの人に支持されるデッキとなりました。日本でもタロットカードと言えば、“運命の輪”、“死神”、“悪魔”など、このカードの絵柄を思い浮かべる人が多いことでしょう。小アルカナすべてに絵柄が施されているので、絵を見て読めるという利点も多いカードです。


 現在、日本国内では書籍の大半もこのウェイト版になっているので、初心者が独学で習得するのにオススメです。またウェイト版をベースにした、猫や鳥などのモチーフを使ったかわいらしいタロットも数多く出版されているので、汎用性も高いでしょう。


◎2つのタロットの違いは…
 この2つのデッキは大アルカナの絵柄に違いはありますが、類似している部分も数多くあります。しかし、「力」と「正義」のカードの順番が異なっています。ウェイト版では、数秘術に対応させるためマルセイユ版で11番であった「力」のカードを8番の「正義」のカードと入れ替えています。


 また、決定的な違いは小アルカナ(数札)です。ウェイト版には画家のパメラが挿絵を施しているので、絵を見た際の直感でカードを解釈することもできます。一方、マルセイユ版は、スートと呼ばれるワンド、カップ、ソード、ペンタクルの4つのモチーフが描かれているだけ。ですから記号のような印象を受け、リーディングが難しいと感じる人もいるでしょう。そういった点でも初心者にはウェイト版のほうがオススメです。


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