「もう重症者受け入れは困難」「患者はデルタ株ばかり」コロナ新規感染者過去最多の東京、埼玉の医師が語る

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2021年07月28日 20:25  AERA dot.

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写真新型コロナの治療にあたるスタッフ(写真提供/東京医科歯科大学付属病院)
新型コロナの治療にあたるスタッフ(写真提供/東京医科歯科大学付属病院)
 28日、全国の新型コロナウイルス新規感染者数が9000人を超えた。東京都は3177人と、前日の2848人に続き連日最多記録を更新。埼玉、千葉、神奈川でも感染は急拡大しており、政府は3県に緊急事態宣言を出す方向で検討に入った。首都圏の医療現場はいまどうなっているのか。コロナ患者の治療にあたる東京、埼玉の病院の医師に状況を聞いた(取材は27日夜)。

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 東京医科歯科大学付属病院(東京都文京区)病院長補佐の植木穣医師は、27日時点で東京が過去最多の新規感染者数を記録したことについて、「増加速度の速さに驚きますが、これからさらに増える可能性がある」とAERA dot.の取材に答えた。

「日曜、月曜日は感染者数が少ない傾向にありましたが、25日と26日は曜日として最多でした。連休中で検査数が少ないにもかかわらず、大きな数字が出てしまったので、連休が明けて、検査数が増えれば数字がさらに上がることが想像できました。ただ、火曜日(27日)に3000人近くまで上る増加速度には驚きました。4連休で人流が減らなかった影響は、来週(8月2日)以降に跳ね返ってくるかと思います」

 中等症から重症の患者を受け入れる同病院では、27日夜の時点で、重症8床のうち4床、中等症25床のうち21床が埋まっている状態だという。

「7月中旬から常に中等症患者が20人以上います。日によっては、4人が入院して4人が退院していくという、入れ替わりの激しい状況が続いています。重症病床は残り4床ですが、日によっては4人以上の重症化リスクのある患者の受け入れ依頼があり、受け入れを断念せざるを得ない状況にすでに直面しています。もう現場はひっ迫してきています」(植木医師)

 同病院は、東京五輪においてケガや熱中症の疑いがある患者を受け入れる病院の一つにもなっている。植木医師は「現状では通常診療に影響は出ていない」と言うが、第3波のときのように重症者が増えて集中治療室を増床しなければならない状況になるのであれば、「通常診療の一部を制限して対応を強化する必要に迫られる可能性がある」と危惧している。

 28日に過去最多の感染者数をたたき出したのは、東京都だけではない。神奈川県では1051人、埼玉県で870人、千葉県で577人と過去最多を更新。首都圏だけでなく、京都府や石川県でも過去最多となり、感染拡大が勢いを増している。

 感染症専門医で埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科の岡秀昭医師は、感染力の強いデルタ株の猛威が差し迫っていると警鐘を鳴らす。

「当病院では、先週までに入院した12人のうち10人がデルタ株でした。現在、21人が入院しており、先週末から調べればデルタ株しか出ません。置き換わったと判断し、調べる手間を省くことにしたほどです。アルファ株は置き換わるのに1カ月かかりましたが、デルタ株は2週間ほどでした」

 さらに、4連休明けに患者の入院が増えたことで「もう重症者の受け入れは困難」だと、焦りと募らせる。

「重症者の病床がここ数日で埋まってしまいました。『重症』の前段階である『中等症2』の患者が40、50代に増えています。『中等症2』は酸素吸入が必要で、数日のうちに『重症』になってしまうような予断を許さない状態です。政治家は『重症者は増えていない』から大丈夫だろうと解釈をされているようですが、感染者の母数は増えているのだから、これから重症者も増えていくことが容易に想像できます」(岡医師)

 高齢者へのワクチン接種が進んだことからか、同病院では、重症化リスクの大きい70代以上の入院は減っていた。入院患者の8割を40代、50代が占めているという。

「40、50代のワクチン接種はまだ中途半端。それに、この年代にも高血圧や糖尿病などの基礎疾患を持つ人は少なくありません。第3波のときには、80代、90代の方が重症化してトリアージの話が出ましたが、40、50代の患者へ延命治療の意思確認をするのは愚問ですよ。これからは、重症化しても責任を持って受け入れることができないと判断されるケースが増えるでしょうし、入院すらできずに在宅待機のまま亡くなるケースが40代、50代に出てくる可能性もあると思います」

 埼玉県は、対象区域に対してまん延防止等重点措置を適用していたが、急速な感染拡大を受け、政府は緊急事態宣言を出す方向で検討している。岡医師はこう指摘する。

「埼玉県に限らず、首都圏への緊急事態宣言は後手になってしまった。これまでにも波を経験し、疫学の専門家が予測を出して警告しているのもかかわらず、感染状況が悪化してから対策を強化するのでは遅い。選手は悪くありませんが、東京五輪のお祭りムードにより、感染状況の危機感が消し去られてしまうのは困ります」

「安心安全」が約束されたはずの東京五輪の足もとで急拡大するコロナ感染。ひっ迫した医療現場には、強い危機感が漂っている。

(文/AERA dot.編集部・岩下明日香)

このニュースに関するつぶやき

  • 埼玉県は典型的な「東京のベッドタウン」だからね。「埼玉都民」と言われる事もある位だ。埼玉県の医療の正念場はやはり五輪後か?笑笑。
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  • 7/28 東京都の重症者は80人、埼玉県は39人ですね。 https://www.pref.saitama.lg.jp/a0701/shingatacoronavirus.html https://mixi.at/abKIRSm
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