「決まりに従って地縛霊してます」「ダセェ」 地縛霊を一蹴する少女の漫画で気付く“決まり”への思い込み

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2021年07月28日 21:03  ねとらぼ

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ねとらぼ

写真屋上で出会ったのは地縛霊
屋上で出会ったのは地縛霊

 ある場所で死んだ人間の魂が、なんらかの理由で死んだ場所から離れられなくなった怪異、地縛霊。ただしその語源はかなり怪しいようで、そもそも幽霊にそのような属性が付与されるものでしょうか。



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 今回ご紹介する作品には、ある場所から動けない地縛霊と生きている人間のコミュニケーションが描かれているのですが……我々が意図せずも抱きがちな「思い込みと偏見」に、真っ向から立ち向かう物語となっています。作者はさまざまなショート漫画を投稿しているnakashinさんです。



 月がきれいな深夜、団地の屋上に佇む少女。柵にもたれかかり、物憂げに階下を見つめる彼女の背後から、唐突に声が聞こえてきました。



 少女に声を掛けてきたのは、長い髪をたくわえた生首に、本来あるはずの場所に手足の半分が浮いている、というような外見の……明らかに人ならざる「怪異」でした。いわく「私はここで自殺したもの。自殺したら地縛霊となる決まりに従い、この団地にずっと棲んでいる」と言います。



 地縛霊は少女を自殺志願者だと思い込んでおり、やるならよそで死んでくれ、と続けました。ですが少女は地縛霊を前に驚きもせず、その物言いと死後のあり方を「ダセェなぁ」と一蹴します。



 そういう決まりなのだから仕方ない、誰もが決まりの中で生きている(地縛霊は死後の生き方ですが)、知ったような口をきくんじゃない……トサカにきた地縛霊は矢継ぎ早に言葉を重ねます。そして「人間は空を飛べない、これが自分の言う“決まり”。悔しかったら月に触ってみろ」と、少女を挑発するのでした。



 地縛霊の挑発を受けた少女は、なんのためらいもなく柵の上に立ちます。そして「いいよ、月を触ってやる。アタシができたら、あんたもできる。これは約束」と言い残し、建物から飛び降りてしまうのです。



 一瞬の出来事に驚き、柵に駆け寄った地縛霊が見たのは……水面に浮かぶ少女の姿でした。実は団地のある場所は、相当な昔にダムの底へと沈んでおり、少女は水深の浅くなったそこへ泳ぎに来ただけ。建物の中に長年閉じこもっていた地縛霊は、それを知らなかったのです。



 少女は手のひらに水を溜め、そこに月を映し、間接的ながらも「月に触り」ました。とんちのようなものですが、目の前で「自分の言う“決まり”」を破られた地縛霊は気付きます。彼女ができるなら、自分もできる。「自殺者は地縛霊になる、という決まりはある。だけど、どこかへ行きたくなったら、実はどこへ行ってもいいのだ」と。



 そして地縛霊は、一緒に泳ごうという少女の誘いを受けて――。



作品提供:nakashinさん



記事:たけしな竜美


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  • 決まりを破ってしまうと、人がやって来る度に自爆テロを実行する上に既に死んでる霊だから何度でも自爆テロを繰り返す迷惑極まりない自爆霊になってしまうと思う。
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