「メンタルヘルスを優先」体操女子シモーネ・バイルズ選手の決勝辞退にエール続々「あなたを誇りに思う」

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2021年07月29日 14:11  Techinsight Japan

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決勝戦で棄権したシモーネ・バイルズ選手(画像は『Simone Biles 2021年7月1日付Instagram「smize」』のスクリーンショット)
東京オリンピックで27日、体操女子団体決勝で米国のシモーネ・バイルズ選手(24)が途中棄権した。金メダルを期待されていたシモーネ選手は「メンタルヘルスを優先したい」と述べており、29日の個人総合決勝も欠場することを発表した。彼女の決断に対し、SNSでは著名人や体操選手らが称賛のコメントを送っている。

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体操女子アメリカ代表のシモーネ・バイルズ選手は、2016年リオオリンピックで女子団体・個人総合・跳馬・床運動で金メダルを獲得し4冠を達成。世界体操競技選手権では史上最多となる通算25個のメダルを獲得する有力選手で、今大会でも金メダルが期待されていた。

27日の体操女子団体決勝に出場したシモーネ選手は、1種目の跳馬演技で自身の五輪成績で過去最低となる13.766を記録した。その後シモーネ選手は一旦競技場を離れたものの、チームメイトを応援するために戻り、残り3種目を棄権した。この結果、ROC(ロシア五輪委員会)が金メダルを獲得、アメリカ代表が銀、イギリス代表が銅となった。

シモーネ選手は試合後「全ての悪魔と戦って、この場所に出てきたようなもの。自分のプライドを捨てて、チームのためにやらなければならないのだから」と述べ、棄権した理由をこのように明かした。

「最終的には『自分にとって正しいことをして、メンタルヘルスと向かい合い、健康や自身のウェルビーイングを損なわないようにしなければならない』ということなのです。」

「体操が全てではありません。人生には体操以外のこともあるし、今回のことはあまり気にしていない。これからの数日間に向けて、ただひたすら気を引き締めています。」

28日には米体操連盟(USA Gymnastics)が声明を発表、「シモーネ・バイルズ選手は医学的な評価を受けた結果、メンタルヘルスを優先するため、東京オリンピックの個人総合の最終競技を辞退しました」と29日の決勝の欠場を伝えた。


また「我々は、幼少期から10代にかけてチームドクターから性的虐待を受けていた少女の話をしている」と綴り、シモーネ選手は米体操協会の元医師ラリー・ナサールからの性的虐待が原因で精神的に参っていることを示唆した。彼女は2018年、ナサール医師による性的虐待被害を自身のSNSで告白していた。

シモーネ選手の決断に対し、SNSでは多くの著名人が称賛のコメントを送った。

ミシェル・オバマ元米大統領夫人は「私は十分にやっているかしら? ええ、やっているわ。これは私が毎日実践しているマントラよ。シモーネ・バイルズ、私達はあなたを誇りに思い、応援している。米国チーム、銀メダルおめでとう!」と称えた。

体操女子ジャマイカ代表のダヌシア・フランシス選手は「シモーネ・バイルズは、誰もが自分の心の健康を何よりも優先するように力を与えてくれたと思う。なんという女王でしょう。いろんな意味でGOAT(Greatest Of All Time:史上最強)だわ」とコメントした。

金メダリストの元体操男子カイル・シューフェルトは「これは非常に大切なことだ。シモーネがオリンピックの個人総合で2度目の挑戦をしない。完全にオッケーだよ。彼女の安全とウェルビーイングが第一だ。彼女は我々になんの恩義もないのだから」と述べた。

また米人気司会者エレン・デジェネレスは「シモーネ、私の本の中であなたは純金よ!」との言葉を送っている。

画像は『Simone Biles 2021年7月1日付Instagram「smize」、2021年7月26日付Instagram「prelims now to prepare for finals.」、2021年7月27日付Instagram「OLYMPIC SILVER MEDALISTS」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 寺前郁美)

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