吉田麻也が語った「いい戦いができた」2つのポイント。U−24日本代表が完璧な形で決勝Tへ

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2021年07月29日 17:01  webスポルティーバ

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 大会前は「死の組に入った」と嘆き、大会が始まってからは辛勝続きを憂いていた人たちも、これでは認識を改めざるを得ないだろう。

 東京五輪グループリーグ第3戦、日本はフランスを4−0で下し、3戦全勝でグループAの1位通過を決めた。

 全出場国の中で、3戦全勝は日本だけ。試合を重ねるごとに勢いを増すホスト国が、有力なメダル候補に名乗りを上げたことは間違いない。




「戦い方は非常によかった」

 キャプテンのDF吉田麻也がそう振り返ることができたのには、主にふたつのポイントがある。

 まずは、試合の入りである。

 この試合を前に、すでに勝ち点6を挙げていた日本は、勝ちか、引き分けでグループリーグ1位通過が決定。負けたとしても、1点差なら(順位は南アフリカvsメキシコの結果次第だが)通過が決まるという優位な状況に立っていた。

 しかし、だからこそ、「非常に難しい入りだった」と吉田。下手に受けに回ってしまえば、相手の勢いに飲み込まれる危険性もあったからだ。

 だが、実際に試合が始まってみると、日本の選手たちは非常に落ち着いていた。MF遠藤航は言う。

「ある程度相手がパワーをかけてくるのは予想できたこと。自分を含めて、まずは守りから入った」

 日本はフランスの攻撃を力強く食い止めると、次第にボールを保持する時間を増やし、主導権を握った。あたかも強豪フランスを弄(もてあそ)ぶかのように落ち着いてボールを動かし、ゴールへとつながる穴が開くのをじっくりと待った。

 この試合が今大会初出場初先発となった、DF冨安健洋が語る。

「状況的に僕らは焦る必要がなかった。(ボールを)回しながら(相手が前に)来たら裏を取るって感じで、それがうまくハマったのかなと思う」

 はたして27分に生まれた、MF久保建英の先制ゴール。遠藤は「前半で1点を取れたので、あとのゲーム展開はすごく楽になった」と振り返る。

 そしてキャプテンが挙げたもうひとつのポイントが、選手を入れ替えながら、余力を残して勝利を手にできたことである。吉田が語る。

「しっかり結果を出せて、点差が開いたことによって、いろんな選手が出場機会を得た。これから(決勝トーナメントで)本当に総力戦になるなかで、いい戦い方ができたなと思う」

 この試合では、ケガにより過去2試合でベンチ外だった冨安が先発フル出場した以外にも、同じく初先発となったDF旗手怜央、FW上田綺世がそろってフル出場した。

 さらには、DF橋岡大樹が途中出場で五輪デビューを果たし、MF三好康児、FW前田大然が途中出場から五輪初ゴールを記録。これまでの2試合でプレー機会がなかった、あるいは限られていた選手たちが次々に結果を残した。

 次の準々決勝で、DF酒井宏樹が累積警告による出場停止となるのは痛いが、すでに橋岡が、あわやアシストかという絶好のクロスを送ったのをはじめ、代役を務めるべく上々の"試運転"を済ませている。

 決勝まで6試合を戦わなければいけないことを考えれば、酒井にとってはいい休養だとも言える。こうしたアクシデントすら前向きに捉えられるのは、チーム全体がうまく機能していればこそだ。

 これまでの2試合で課題となっていた、試合の終わらせ方にも明らかな進歩の跡が見えた。

 2−0とリードして迎えた後半、日本は立て続けに決定機を作りながら、なかなか勝負を決定づける追加点を奪えずにいた。

 このままチャンスを逃し続け、どこかでフランスに1点を返されれば、またもメキシコ戦のような危うい展開にならないとも限らない。その可能性がまったくないわけではなかった。

 だが、この試合の日本は、70分に三好のゴールで待望の3点目を奪うと、90+1分には前田のゴールでトドメを刺した。

「相手(の動き)が落ちたのもあるが、今日は理想のゲーム展開だった」

 そう話す遠藤は、「(2点差以上の勝利が必要な)相手は(0−2から)4点を取らないといけなかったので、今までとは違う状況だったが」と前置きして続ける。

「もちろん3点目を狙ってはいたが、そんなに全部が全部うまくいかない。ただ、チャンスを作り続けているからこそ、3点目が生まれた。我慢しながら何回チャンスを作っていけるか、だと思う。前回(メキシコ戦)、前々回(南アフリカ戦)のゲーム運びは課題だったが、今日に関していえば、2−0のあとの戦い方はよかったと思う」

 冨安もまた、「3−0になった状況でも、何本か無駄に(ボールを)失うことがあったが、まだ3試合あるのでうまく省エネで休みながらやって、プラスして1点取れたのでよかった」と話し、終盤も冷静に試合を運んでいた様子をうかがわせる。

 余力を残しつつ試合を進め、終わってみれば、今大会初めてとなる"複数得点+無失点"でフランスに勝利。日本は完璧な形でグループリーグの戦いを締めくくった。

 グループリーグ3試合すべてでゴールを決めた久保は、現在の心境をこんな言葉で表現する。

「充実というより、負けたくないという気持ちがすごくあって。こんなにいいチームメイトに恵まれて、いい環境でやれて、悔いの残らない試合にしたいという気持ちが強い」

 悔いなく戦ったその先に、53年ぶりのメダルが待っている。

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