映画『パンケーキを毒見する』が7月30日(金)より全国公開される。
2021年7月現在、内閣総理大臣を務める菅義偉の実像と現在の日本の問題に迫っていくドキュメンタリー映画だ。だが、内山雄人監督が「政治ドキュメンタリーではなく政治バラエティ」と語るように、いわゆるドキュメンタリー映画とは一線を画している。
菅首相と距離の近い『ガネーシャの会』の面々は軒並み、取材を拒否。そのため、自民党内外の政治家や、経済産業省出身・古賀茂明、元文部科学事務次官・前川喜平ら元官僚のインタビューや、アニメーションなどから実像を浮かび上がらせる構成になっている。中でも、「国会パブリックビューイング」という活動を行っている、法政大学の上西充子教授による国会審議の解説は必見。テレビ報道を見ているだけでは気づきにくい、菅首相の答弁のチグハグさが浮き彫りになる内容となっている。
この映画を、現代の日本を憂う人々はどう見たのか−−。
映画公開に合わせて、多くの識者・著名人が同映画にコメントを寄せた。
東海テレビ制作のものから、森達也監督作品、香港のものまで、これまでも多くのドキュメンタリー映画を紹介してきたチェリーでは、編集長の霜田もコメント。応援の意味を込めて、コメントを紹介する。
前川喜平(現代教育行政研究会代表)
宮本から君へ勝訴おめでとうございます。
この勝訴とこの映画はこの9年のアベ・スガ政治への反撃ののろしだと思います。羊の眼が赤くなる日が必ず来るでしょう。
えんま様が待っている 舌を沢山抜いてもらおう。
伊田浩之(『週刊金曜日』WEB編集長)
菅首相はなぜ五輪開催の大バクチに出たのか。
その謎の答えは本作の中にある。
大島新(ドキュメンタリー監督)
テレビバラエティ的な演出に「これが映画か?」と思った。
だが、まてよ。
この作品は、テレビでは絶対に放送できない。
オリンピックの裏で劇場公開する心意気と、
政権の体質を真摯に伝えようとする創意工夫を、
私は断固支持する。
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石田純一(俳優)
ケンカ上手だけど口下手、合理的というより情緒的、
多様性より同じ意見を重んじ、
見識なくても政治手法でのし上がってきた、
笑わない、そして笑えない日本のリーダー。
霜田明寛(文化系WEBマガジン「チェリー」編集長)
これは、国の危機であり、言葉の危機だ。
首相が意味をもたない言葉を発する異常事態に慣らされてしまった10年間。
今後、この男の顔を見なくてすむようになるためにも、
この映画を凝視しなければならない。
言葉が意味を失ってしまう前に。
町山智浩(映画評論家)
コメディでしたよ。
官房長官だった7年間に
官房機密費86億円(一日あたり307万円)を
領収書無しで使い込んで
おとがめなしとか笑うしかないわけで。
公開情報
『パンケーキを毒見する』
7/30(金)より新宿ピカデリーほか全国公開
配給:スターサンズ
©2021『パンケーキを毒見する』製作委員会企画・製作・エグゼクティブプロデューサー:河村光庸
監督:内山雄人
音楽:三浦良明 大山純(ストレイテナー)
アニメーション:べんぴねこ
ナレーター:古舘寛治
2021年/日本映画/104分/カラー/ビスタ/ステレオ ©2021『パンケーキを毒見する』製作委員会
制作:テレビマンユニオン 配給:スターサンズ 配給協力:KADOKAWA pancake-movie.com
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