スペインの名指導者が久保建英の守備を評価。気になったのはメキシコ戦と同じ改善すべき点

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2021年07月30日 17:21  webスポルティーバ

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「ボール支配率はほぼ互角だったが、日本は技術、戦術、フィジカル、そしてメンタルと、4つの要素のクオリティでフランスを上回った」

 ホセバ・エチェベリア、フランシスコ・デ・ペドロ、シャビ・アロンソなどに影響を与えたスペイン人指導者、ミケル・エチャリはそう言って、日本がフランスを4−0と大差で下して決勝トーナメント進出を決めた試合を振り返っている。

「日本はディフェンス面の安定で、各ラインが実力を出していた。GK、DF、MF、FWと守備の意識、規律を守る意識が高い。華やかな勝ち方になったが、プレッシングを含めて、相手の持ち味を出させない守備が基本にあった。その点で特筆に値したのは、久保建英のリュカ・トゥサールに対するマーキングだ。アンカーを潰し、中盤で数的優位を作らせず、攻撃を作らせなかった」

 エチャリは、フランス戦の日本を掘り下げた。




「日本はグループリーグ通じて4−2−3−1を採用。メキシコ戦からは、センターバックに冨安健洋、左サイドアタッカーに旗手怜央の2人が代わって入った。相手のフランスは勝利が決勝トーナメント進出の必須条件のため、4−3−3で前から圧力をかけてきたので、序盤は攻撃を受けた。際どいロングシュートも浴びたが、GK谷晃生がしっかりとキャッチして凌いだ。

 日本は堅固な守備で、徐々にペースを取り戻していった。

 そうなると、久保と堂安律のコンビが終始、脅威を与えるようになる。2人はたとえお互いパス交換せずとも、危険な動きを作り出していた。FW上田綺世、MF田中碧、遠藤航、さらにサイドバックなど周りの選手がそこに絡むことで、攻撃はリミットがなくなった。

 そもそも、日本人選手の最大の特長はスピード、テクニックを兼ね備えたコンビネーションプレーにある。

 前半27分の先制点は、まさにその賜物だろう。田中、久保、上田、そして久保とつながったプレーは電光石火だった。上田、久保のシュートの質は高く、ポジションも取れていた。34分にも、やはり田中、久保とつなぎ、旗手怜央とのワンツーから久保がスルーパスを上田に入れ、上田のシュートのこぼれを酒井宏樹が押し込んだ。

 フランスはこの攻撃に対し、まるで対処できていない。単発の攻撃はあったが、守備で後手に回った。防衛線が破られていた。

 しつこいようだが、攻撃陣の活躍は守備の安定に根づくものだ。

 例えば日本は、右サイドバックの酒井が相手に何もさせていない。彼の場合、おまけに追加点まで奪った。攻守両面で目立った選手と言える。惜しむらくは、前半終了間際にイエローカードを受け、累積で準々決勝が出場停止になったことだろう」

 エチャリは日本の攻撃陣を称賛しながら、守備の堅牢さを強調していた。

「後半になると、日本は後がないフランスに再び押されるようになり、失点のピンチもあった。しかし、乱調にはなっていない。カウンターで脅かしながら、徐々に巻き返していった。

 攻撃陣での注目は、上田と旗手だ。

 上田に関しては、すでに書き記してきたので、新たな発見ではない。とにかくサッカーを知っているストライカー。動きの質が良く、フィジカル的にもしなやかで、動きながらボールを扱える選手だ。

 旗手は、左右どちらの足も使えて、攻撃に入った時のプレーが多彩だった。右足で打ったミドルは可能性を感じさせた。橋岡大樹の右からのクロスをヘディングで合わせたシュートは完全にミスとなってしまったが、サイドバックの時とは違って見えた。

 前がかりになって、攻守のバランスを崩したフランスに対し、日本は効果的なカウンターを発動していたのが印象的だった。攻められはしていたが、マネジメントは悪くなく、落ち着いていた。そして69分、左サイドの中山雄太から前線の上田にパスが通って、ポストプレーでは旗手に落とし、そのパスを受けた三好康児が左足で突き刺した。

 この後、日本は遠藤、堂安を下げ、次の試合に主力を温存する形になった。ボールを回して時間を経過させ、試合の締めに入っている。フランスの選手が危険なプレーで退場処分になり、1人少なくなったこともあったが、過去2試合の教訓を生かすように、自分たちのペースで終盤を戦った。

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 アディショナルタイムには、カウンターから途中出場のFW前田大然が4得点目を入れた。ちなみに前田はトップでプレーすべきだろう。サイドはやや厳しい」

 エチャリは、各選手に対して寸評を加えながら、最後にこう締めくくった。

「日本は戦いの中で、戦術的にも成長を示してきた。しかしながら、メキシコ戦で指摘した自陣でのファウルの多さは、フランス戦でも改善されていなかった。失点は回避できたものの、セットプレーの時に一番、失点の危険を迎えていた。これが競り合ってる終盤だと、致命傷になりかねない。メンタルコントロールし、戦術的に対応することで、もっとファウルは減らせるはずだ。

 いずれにせよ、グループリーグ3連勝での決勝トーナメント進出を心から祝福したい。準々決勝、ニュージーランド戦でも日本の武運を祈る」

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