スーパー耐久富士24時間で火災の悲劇に見舞われたKTMS GR YARISがオートポリスで復活

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2021年07月30日 18:41  AUTOSPORT web

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スーパー耐久シリーズ第4戦オートポリスの専有走行を走るKTMS GR YARIS
7月29日(木)から、大分県日田市のオートポリスでスーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankook第4戦『TKU スーパー耐久レース in オートポリス』の特別スポーツ走行がスタートした。7月30日(金)には走行2日目を終えているが、5月21〜23日の第3戦富士SUPER TEC 24時間レースで新車のGRヤリスを投入しながら、火災に見舞われてしまったST-2クラスランキング2位のKTMS GR YARISがふたたび元気な姿をみせている。

 2020年にトヨタ86でST-4クラスに参戦を開始したKTMSは、野中誠太、平良響というジュニアフォーミュラで活躍するふたりに加え、KYOJO CUPのトップドライバーである翁長実希という3人の若手がドライブ。初年度は激戦のST-4で表彰台を獲得する活躍をみせてきた。

 迎えた2021年は、新たにGRヤリスを投入しST-2クラスに移行。第1戦もてぎでは雨のなか見事クラス初優勝を飾り、さらに第2戦SUGOでも優勝。開幕2連勝でランキング首位に立つと、それまで“借りていた”車両からスイッチし、チームが組み上げた新車のKTMS GR YARISを投入。一條拳吾を第4ドライバーに加え、5月の富士SUPER TEC 24時間レースでもクラス首位を快走していた。

 しかしレースも残すところ4分の1に近づこうかというところで、突然ストレートでエンジンが停止し、KTMS GR YARISは炎に包まれてしまった。原因はエンジン側の燃料ホースが外れてしまったためで、ドライブしていた一條が冷静に対処したものの、新車は火災によるダメージを受けリタイアに。これでランキング首位も第3戦を制した新菱オート☆VARIS☆DXL☆EVO10に明け渡してしまったが、それ以上に新車が燃えてしまったことで、チーム全員が悲痛な表情を浮かべていたことが印象的だった。タイトな前半戦のスケジュールのなかで、懸命に組んできたマシンだけに当然だ。

 ただ、第4戦オートポリスにKTMS GR YARISは見事復活を果たした。幸いなことに「ダメージは大きくなかったといえば大きくなかったんです」とメンテナンスを担当するキムインターナショナルの金敬模代表は語った。

「火はかなり大きく上がりましたが、燃えたガソリンの量がそれほど多くなかったのが幸いでした。熱でプラスチック等はダメージがありましたが、フレームにダメージが及ぶほどではなかったです」

 フレームにダメージが及んでしまった場合は費用も莫大で、実質新車を投入せざるを得なくなる。しかし、幸いKTMS GR YARISは修理で対応できることになった。

「バラしてみたら塗装が変色しているところなどがありましたが、燃えたもの以外は塗装をし直して修理しています。配線が燃えてしまったのはちょっと痛かったですけどね(泣)。でも、新車を作るのに比べれば楽でした。第4戦までに時間もあったので良かったですね」

 塗装にかかった時間、純正パーツが届くまでの時間がややかかったものの、神戸トヨペットのメカニックの助けもあり、今回の第4戦オートポリスにはしっかりと間に合い、7月29日(木)の特別スポーツ走行からふたたび走りはじめた。マイナートラブルもあったが、レースに向けてしっかり洗い出せば問題はないはずだ。

 今回も一條を加え、4人で5時間レースに挑むKTMS GR YARIS。ST-2クラスのランキング首位をこのレースで奪回したいところだろう。

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