レッドブル・ホンダ密着:木曜にはシート合わせも。初日はクラッシュの際に搭載していたPUで問題なく走行

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2021年07月31日 12:41  AUTOSPORT web

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2021年F1第11戦ハンガリーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
2021年F1第11戦ハンガリーGP開幕前日の木曜日、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)がシート合わせを行っている映像がF1の国際映像に映し出されていた。F1イギリスGPでタイヤバリアにクラッシュしたフェルスタッペンのマシンは51Gの衝撃を受け、シートが壊れてしまったからだ。ダメージを受けたのはシートだけではない。パワーユニットにも相当の衝撃が加わっていた。



 ホンダの田辺豊治F1テクニカルディレクターによれば、「ICEやTC、MGU-H、MGU-KはHRD Sakuraへ、CEやESやそれに関わる電装系はHRD UKに空輸して、それぞれ詳細にチェックし、FIAの封印されていない交換できる部分はすべて交換しました」と言う。そのうえで、こう続けた。

「ファイバースコープで覗けるところは入念に確認しました。またクラッシュした直後にまだエンジンが回っていたので、その際のデータとオイルの分析をしています(もしエンジンの内部に損傷があれば、オイルに切り子(=細かな破片)が入っている)。そのうえで、現時点では使用可能だと判断し、準備しています」



 こうして、ハンガリーGPのフリー走行1回目、フェルスタッペンのマシンに搭載されたパワーユニットは、前戦F1イギリスGPでクラッシュした際に使用されていたパワーユニットだった。ホンダはこれが今シーズンの1基目か2基目かを明らかにしていないが、6戦目まで使用した1基目をイギリスGPで使用するとは考えにくいことから、2基目だと考えられる。



 ただし、安心するのはまだ早い。

「個々には確認しましたが、それらをクルマに搭載して動作確認をし、さらに金曜日にクルマに搭載して、高電圧と過給圧をかけ、全開で走らせてみないとわからない部分があるので、不安はあります。ただ、明らかなダメージがあるというわけではないので、フィフティ・フィフティというよりはもう少し生き残っている確率は高いと考えていますが、現在のパワーユニットは非常に精密なので100%というわけではありません」(田辺TD)

 このような状況のなかで始まったハンガリーGP初日。フェルスタッペンはフリー走行1回目で21周を走行し、トップタイムをマーク。2回目のフリー走行ではトップの座をメルセデスのバルテリ・ボッタスに奪われ、ルイス・ハミルトン(メルセデス)の後塵を拝して3番手に終わったが、トラブルに見舞われることなく24周を走行した。



 これでこのパワーユニット(おそらく2基目)が使用不能でないことが、ひとまず確認できた。だが、この2基目を土曜日以降も使用し続けるかどうかはまだわからない。

「また、あれだけのクラッシュで、すべての部品をバラしてチェックしたわけではないので、今後ボディブローのようになんらかのトラブルが出てくる可能性もぬぐいきれない」(田辺TD)

 つまり、金曜日のフリー走行では問題なかったが、レースモードで走る土曜日以降に問題が出る可能性は完全になくなったわけではない。そのため、ホンダがシルバーストンでクラッシュした際に使用していたパワーユニットを土曜日以降に使用してくるどうかはまだわからない。使えることを確認するにとどめて、これを金曜日用パワーユニットとしてプールし、土曜日以降は1基目を搭載することも考えられるし、思い切って3基目を投入することもないわけではない。



 そして、その判断はレッドブルとも共有して、金曜日の夜に決定される。果たして、ハンガリーGPの土曜日の朝、フェルスタッペンの車体にはどのパワーユニットが搭載されているのか、注目したい。

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