動物看護師のお給料事情は?気苦労絶えないけれど「金額的に厳しい業界」「厚生年金に加入できず悩む人も」

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2021年08月01日 15:10  まいどなニュース

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写真動物看護師は日頃のケアや飼い方の相談にも乗ってくれる。(イメージ画像)
動物看護師は日頃のケアや飼い方の相談にも乗ってくれる。(イメージ画像)

動物病院で獣医さんの補助としてはたらく動物看護師。高度な専門性が求められる仕事だが、実際の仕事内容や収入など意外に知られていないことが多いようだ。

【写真】動物看護師の働く動物病院の様子…こんな機器を使っています

動物看護師は2022年から国家資格に

人間の医療に関わる看護師は国家資格だが、動物看護師は民間資格である。そのため業務内容は、動物病院によって大きな差があるようだ。兵庫県にある動物病院で勤務する動物看護師のMさんに聞いた。

「病院へ来られた飼い主さんから見れば、診察時の保定(ほてい:暴れたり動いたりしないようにする抱き方)をしてくれる人くらいにしか見えていないかもしれませんが、業務内容は幅広いと思います」

動物看護師は、2022(令和4)年から「愛玩動物看護師法」に基づく国家資格になることが決まっているが、今はまだ民間資格。そのためなのか、業務範囲にはグレーな部分が多いという。

入院動物の世話、手術助手、麻酔管理、薬の用意、服薬指導、栄養指導、歯磨き指導、しつけなどはどこの動物病院でもほぼ共通しているが、小さな病院だと受付や事務のほか清掃作業まで行う。これだけ幅広い業務をこなす動物看護師だが、病気の診断だけは必ず獣医師でなければならない。

では、動物看護師になるには、どのような道があるのだろうか。

「動物看護の専門学校、もしくは大学を卒業し、試験を受け、資格を取得する流れになります。私は2年制の動物看護専門学校を卒業して、動物看護師になりました」

とはいえ、Mさんが働きはじめた頃は統一した資格が存在せず、資格がなくても動物病院で働いているケースもあったそうだ。現在は動物看護師統一認定機構が認定する「認定動物看護師」という資格があって、Mさんもこれを取得している。

それでも国家資格化されると、Mさんのように動物看護師歴10数年というベテランでさえ、国家試験を受けて合格しなければ動物看護師を名乗れなくなるそうだ。

動物看護師のやりがいとお給料事情

幼い頃から常に猫がいる暮らしで、動物が好きだったというMさん。動物看護師ひとすじに歩んできた。1日の勤務は、午前8時30分から院内の清掃や入院動物の世話、診察準備などをやって、午前中は診察。お昼休憩は、手術や検査の予約がなければ、最大12〜15時40分まで取れるという。そのあと院内の清掃や午後の診察準備をして16時から19時まで午後の診察。19時30分に仕事終了というのが基本的な流れ。ただし急患や難しい手術が入ったら、休憩時間がなくなることもある。

そんな勤務の中で「やりがい」を感じるのは、どんなときだろう。

「頼りにされることですね。動物は言葉を話せません。だからこそ獣医師や飼い主さんとのコミュニケーションと信頼関係が大切です。特に私の得意分野である猫の行動学や栄養指導については、獣医師から『任せる』といってもらえるのは非常にありがたいことです。飼い主さんからも話を聞いてほしい、相談したいと指名してもらえることも時々あり、そういったときにやりがいを感じます」

逆に、困った動物や飼い主もいるのでは?

「インターネットで何でも検索できるような時代になったので、ペットの病気についても飼い主さん自身で調べて独断で対応されることがあります」

検索すれば即座に情報が入手できるのは便利だけれど、その情報が正しいか否かを判断できる知識を、飼い主はもっていない。そのため「うちの子はきっとこの病気だ」と決めつけてしまうと、とても危険だという。

「特に療法食は、本来であれば動物病院で治療の一環としてお出しするものですが、通販サイトやホームセンターなどでも購入できてしまいます。安易に療法食を購入して食べさせたことで、ペットの症状が悪化してしまう事例がありました」

飼い主の中には、診察した獣医師の判断よりも、ネットやSNSで得た情報を信じてしまう人もいるそうだ。

そんな気苦労が絶えない動物看護師の収入はどれくらいかといえば「他の業界に比べれば給与の水準は決して良い方だとはいえないと思います」とのこと。

Mさんの場合だと、年収でおよそ300万〜350万円くらいだそうだ。

「専門学校の新卒の基本給は平均13万〜15万円ていどですから、厳しい業界ですね。動物病院によっては残業代が固定であったり、規模の大きなところでは勤務が夜中にまで及んだりすることもあるようです。それを思えば私の勤務先は恵まれていると思います」

給与水準とは別に、問題を感じていることもあるそうだ。

「社会保険と厚生年金に加入できないことです。勤務先は個人経営の動物病院で法人ではないため、スタッフは各自で国民健康保険と国民年金に加入しています。動物病院は経営者である獣医師1人と動物看護師数名で運営しているところが多いので、同じ境遇の動物看護師は多いと思います」

「よい動物病院」とは?

Mさんに、動物病院を選ぶポイントを聞いてみた。

「信頼関係が築けるかどうかです。腕のいい獣医師でも性格的にちょっと合わないとか、訊きたいことがあるけど質問しづらいと感じてしまう病院ではダメだと思います。そのためにも病気になってから動物病院へ行くのではなく、日頃からワクチン接種や健康診断を定期的に受診して、動物病院との信頼関係を築いていくことをおすすめします。そうすることで異変にいち早く気づくことができますし、いざというときに飼い主さんもペットも落ち着いて診察を受けることができます」

最後に、ペットを飼う人へのアドバイスを聞いた。

「動物看護師は動物の看護をするプロであると同時に、日頃のケアや飼い方の相談にも乗ります。動物病院はペットのことなら何でも相談できるので、もっと気軽に来院してください」

(まいどなニュース特約・平藤 清刀)

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