Windows 11が早くもバージョン別シェアの集計にデビュー

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2021年08月02日 06:11  ITmedia PC USER

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写真久々のAdDuplex Reportでは、Windows 11がバージョン別集計にデビューした
久々のAdDuplex Reportでは、Windows 11がバージョン別集計にデビューした

 いきなりだが、今回はおなじみのAdDuplexにおけるWindows 10バージョン別シェアの話題から進めてみたい。AdDuplexでは、毎月末にWindows 10のバージョン別シェアの情報を、同社の広告ネットワークを通じて得た集計データ「AdDuplex Report」で公開しているが、前回の2021年4月末のレポートを最後に更新が途絶えていた。今回、7月のレポートが3カ月ぶりに復活したので紹介していく。



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●Windows 11がバージョン別シェアの世界にデビュー



 AdDuplexの更新が途絶えていた理由は不明だが、3カ月ぶりだけあってシェアは比較的大きく動いている。まず4月末時点で最大勢力だった「Windows 10(2004)」こと「May 2020 Update」は40.6%から24.6%まで減少している。



 一方、4月末時点でほぼ同等のシェアを獲得していた「20H2」こと「October 2020 Update」は40.1%から36.3%に微減となった。代わりに同時点では配信が行われていなかった「21H1」こと「May 2021 Update」は26.6%のシェアとなっている。



 初期にリリースされるWindows 11が「Cobalt」と呼ばれるOSコアに属することは既報の通りだが、それ以前の「Manganese」や「Iron」といった開発コード名の付かない「Build 19041〜19043」までの3つのOSバージョンだけで87.5%のシェアを占めており(この3つは機能的な差異も少なくほぼ同族に当たる)、Windows 10のバージョン推移はほぼ収束に向かいつつあるといえる。



 現状でWindows 10のバージョンがどこまで更新されるかは不明だが、場合によっては最後のOSバージョンとなる可能性のある「21H2」については7月20日にWindows Insider ProgramのRelease Preview向けに「Build 19044.1149」の配信が開始されており、OSのビルド番号が前述の3バージョンと隣接する「Build 19044」になることが判明している。



 仮に21H2の次が出るとしても「Build 19045」のような数字になることが予想されるため、Windows 10のOSとしての機能更新はほぼ終了し、メインテナンスモードへと移行しつつあることがこのあたりからもうかがえる。



 さて、今回のAdDuplex Reportの最大の目玉は、やはりWindows 11のシェアだろう。表題が既に「Windows 10, 11 OS Worldwide (PCs)」「Windows 10, 11 OS Worldwide History (PCs)」と表記されており、当面は同時集計が行われるとみられる。



 Windows Insider ProgramのDev ChannelでWindows 11の配信が開始されたのが6月28日(米国時間)なので、約1カ月の配信期間となるが、わざわざ開発者向けのテストプログラムに登録して「Windows 11を試してみよう」というユーザーが全体の約1%もいるわけで、それだけ世間の関心も高いことの証左だと考える。



 Windows 11の最低動作要件についてはさまざまな意見があり、これを満たせないユーザーが続出したことが話題となっているが、Windows Insider Programで配信される開発途上ビルドについてはTPM 2.0を含む動作要件の制限は特になく、比較的広い間口のユーザーがテストに参加できている。



 また、7月22日にはBeta ChannelへのWindows 11の配信も開始されており、さらに広いユーザーがテストに参加できるようになった。



 Dev Channelは、現状ほぼ週単位で新ビルドの配信が行われているため、「Windows 11はテストしてみたいけど煩雑な更新はちょっと……」という人も少なからずいると思われる。Beta Channelであれば少し配信頻度が落ちるので、ライトユーザーはこちらを選択してみるのも手だろう。



●どれだけのペースでWindows 11ユーザーが増加していくか



 以上を踏まえた上でOSバージョンの推移を見ていくが、やはり注目は2022年以降にどれだけWindows 11ユーザーが増加していくかという点だ。



 以前のレポートにもあるように、Windows 11の一般配信は2022年初頭以降が見込まれている。企業向けや手動インストールを含め、プリインストールPC自体は2021年秋にリリースが予定されているが(10月末から11月前半ごろが想定される)、数としてはそれほどのインパクトが見込めないと考えている。



 半導体不足によるPC供給不足もそうだが、Windowsのバージョン別シェアは、おそらく企業ユーザーの利用状況が反映されやすいため、Windows 11への移行は全体に遅れ気味になると筆者は予測している。



 これに拍車をかけるのが今秋のWindows 10の大型アップデート(機能アップデート)である21H2のリリースで、当面はWindows 10側のシェアが盤石で、2022年前半の時点ではWindows 11のシェアは1〜2割程度の水準に収まるのではないかと考える。



 次に、「Windows as a Service」の行方を見ていこう。



●「Windows as a Service」のコンセプトの行方



 Windows 10の時代は「Semi-Annual Channel(SAC)」の名称で年2回のOSの大型アップデート(機能アップデート)の提供を約束しており、その意図としては「OSを最新状態に保つ限り、常に最新の機能を取り込む形で製品を利用できる」というメリットを生かすことにあった。



 だが前項の解説にもあるように、ここ2年ほどは機能アップデートも停滞しており、仕組みそのものが形骸化しつつあったのも事実だ。それ故か、Windows 11ではSACの概念は廃止され、基本的に“年1回”のアップデートに収まることになった。



 Windows 11も当初は開発が盛んに行われると思われるため、おそらくはSACを維持しても問題ない程度には機能アップデートが提供されるだろう。特にWindows 10で2年間更新が停滞していた間にOSの機能は大きく強化されており、Windows 11のリリース当初はそれなりに従来との違いを実感できるはずだ。



 詳細は別記事で改めて解説するが、クラウドPCこと「Windows 365」が登場した今、「Windows as a Service」というコンセプトはこちらの製品に引き継がれていくのではないか、というのが筆者の考えだ。



 その一方で、従来ながらの“オンプレミス”的なローカル動作のOSソフトウェアはそれほど更新を必要とせず、より安定動作を求められる傾向が強くなる。結果として、従来のWindowsが通過してきた「3〜4年ごとに新しいOS」というサイクルに回帰しつつあるのではないか。



 クライアントOSではないものの、その端的な例が「Windows ServerでのSACの廃止」で、Microsoftによれば、「Windows Server 2022」以降のサーバOSでは全て「LTSC(Long-Term Servicing Channel)」がベースとなり、リリースから10年サポートが提供されるという形態になる。LTSCという名称が付いているが、実際にはこれは従来の「メインストリーム5年+延長5年=トータル10年サポート」の概念そのものなので、原点回帰したという表現が正しいだろう。



 同社ではWindows ServerにおけるLTSCとSACの違いについて、後者を選択するメリットを次のように説明していたが、結局のところそのメリットを生かせていないのが実態なのだと考える。



The Semi-Annual Channel is perfect for customers who are innovating quickly to take advantage of new operating system capabilities at a faster pace, focused in on containers and microservices.



 Windows Serverについては、今後2〜3年周期でのLTSCリリースになるとのことで、従来通りの「Windows Server 2012」「Windows Server 2012 R2」「Windows Server 2016」「Windows Server 2019」のような形態に収まる。ソフトウェア側の革新が大きいサーバに比べ、ハードウェアと連動しての革新が大きいクライアントOSではまた事情が異なると思われるが、Windows as a Serviceのコンセプトにも見直しの時期がやってきたのかもしれない。


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