八村、渡邊ら“史上最強”でも3連敗…それでも日本バスケの未来が明るい理由

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2021年08月02日 12:15  AERA dot.

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写真八村塁(左)と渡邊雄太 (c)朝日新聞社
八村塁(左)と渡邊雄太 (c)朝日新聞社
 バスケットボール男子日本代表は、3戦全敗で東京五輪を去ることになった。

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 NBA選手2人を擁し『史上最強』と呼ばれていたが世界の壁は厚かった。しかし今回の敗北を次への糧にしなければならない。

 日本代表が五輪に出場するのは76年モントリオール大会以来の45年ぶり。世界ランク42位で開催国枠での出場だが八村塁、渡邊雄太という2人のNBA選手や、豪州でプレーする馬場雄大などがおり期待度は高かった。

「自国開催での1勝が望まれていた。バスケ関係者やファンなど、周囲の期待や盛り上がりは凄かったが現実はやはり甘くなかった。しかし予想された結果でもあり落胆は少ない。ガチンコ勝負の経験を積めたのは大きい。今後に向けての手応えもつかみ課題も見つかった」(Bリーグ関係者)

 結果は、7月26日に世界ランク2位のスペイン相手に77−88と善戦するも、29日の第2戦では同16位のスロベニアに81−116で敗れ連敗。そして、最後の試合となった8月1日の同4位アルゼンチンとの試合では77−97で敗れた。

 1次リーグ3連敗と格上相手に現実を見せつけられたが、バスケ界からは前向きな声も聞こえてくる。

「以前のNBAトップ選手は米国籍選手がほとんどだった。米国が断トツに強い時期が続いたが時代は変わり始めている。世界中からNBAへ選手が集まり勢力図も変化している。日本人NBA選手が今後も増え続けることで、日本代表の立ち位置も少しずつ変わるはずです」(NBAに詳しい在米スポーツライター)

 世界的なバスケ界のトレンドは変化している。今五輪でも7月25日にフランスが米国を83−76で破り、大会3連覇中の米国の五輪での連勝を25で止めた。主力はこの日28得点を挙げたエバン・フォーニエ(ボストン・セルティックス)など5人のNBA選手たちだ。

 日本代表も2人のNBA選手が引っ張った。八村は身体を張り続け、得点、リバウンドで貢献した。渡邊はキャプテンとしてもチームを牽引、最終戦後には涙を流して悔しがった。得点は八村が初戦からそれぞれ20、34、13得点、渡邊は19、17、17得点だった。

「八村、渡辺、馬場といった海外組だけでなく、国内のBリーグ選手たちも良い仕事をしていた。しかし現状では世界ランク通りの実力で全体的な底上げの必要性を感じる。海外でプレーする選手を増やすこととBリーグのレベルアップが絶対に必要。今回の五輪を見れば課題は明白です」(Bリーグ関係者)

 日本と戦った相手では、スペインにはリッキー・ルビオ(ミネソタ・ティンバーウルブズ)や、パウ・ガソルとマルク・ガソル(ロサンゼルス・レイカーズ)のガソル兄弟、スロベニアにはルカ・ドンチッチ(ダラス・マーベリックス)、アルゼンチンにはファクンド・カンパッソ(デンバー・ナゲッツ)らがNBAでプレーしている。米国は辞退者なども出たが、直前までNBAファイナルでプレーしていた選手も加わった恒例の『ドリームチーム』。バスケ界最高峰でプレーできるレベルの選手を揃えなければ国際試合で結果を出すのは難しい。

「海外組がプレーする環境には各国代表クラスがいる。個々のレベルアップにつながるし厳しい環境での経験も積める。レベルが高いタフな環境でやる選手が増えれば代表チームのレベルが上がります。例えばサッカー五輪代表はオーバーエイジを含め海外組が10人います。彼らの経験が躍進を支えているのは否定できません」(スポーツ新聞記者)

 海外移籍が普通のサッカー界だが、五輪代表22人中10人が海外組というのには驚かされる。またJリーグ発足と、リーグの繁栄が日本サッカーのレベルアップに貢献してきたのは明白だ。それらの積み重ねが今回のメダル獲得へ向けての原動力にもなっている。今後のバスケ界が参考にできる部分も少なくはない。

「海外挑戦と国内リーグの2本柱を大事にするという部分ではサッカーと同じです。国内リーグが盛り上がりレベルが上がれば海外に挑戦する選手も増える。バスケ人口の増加にもつながり才能豊かな素材も集まるはずです。バスケ界全体の底上げが世界で戦うためのカギ。時間もかかりますが1歩ずつ進んで欲しい」(NBAに詳しい在米スポーツライター)

 数年前まではバスケはマイナー競技だった。しかしBリーグは右肩上がりで成長を続け、各地でバスケ専用アリーナ建設が行われるまでになった。日本人NBA選手など想像もつかなかったがチームの顔として活躍している。自国開催の五輪で結果は出せなかったが、時計の針は確実に進んでいる。日本バスケの未来は明るい。

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