TCRヨーロッパ第4戦は予選をヒュンダイ勢が制圧も、クプラのアズコナ連勝で選手権首位を独走

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2021年08月04日 07:41  AUTOSPORT web

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ミケル・アズコナ(CUPRA Leon Competición TCR)が2018年王者の貫禄を示す“ウイークエンド・ダブル”を達成
2021年トタルエナジーズ・スパ24時間レースとの併催で、7月30〜31日にベルギーのスパ・フランコルシャンで争われたTCRヨーロッパ・シリーズ第4戦は、予選からセバスチャン・ローブ・レーシング(SLR)の新型ヒュンダイ・エラントラN TCRが席巻し、フロントロウを独占する。

 しかし決勝は第3戦欠場から復帰のボルケーノ・モータースポーツ、ミケル・アズコナ(クプラ・レオン・コンペティションTCR)が2018年王者の貫禄を示す“ウイークエンド・ダブル”を達成し、週末を完全制圧する結果に。レース2ではミックスタイヤのチョイスも的中させ「結果には本当に満足している」と、選手権首位奪還からリードを大きく拡大する勢いを見せた。

 今季はWTCR世界ツーリングカー・カップに加えて、新生EVツーリングカー・シリーズの『PUER ETCR(ピュアETCR)』にもレギュラー参戦するアズコナは、カレンダーのバッティングからオランダ・ザントフールトでの第3戦を欠場する選択を強いられていたが、その間隙を突いて勝利を挙げたPSSレーシングのフランコ・ジロラミ(FK8ホンダ・シビック・タイプR TCR)が新たなポイントリーダーとして、シーズン折り返しのスパに乗り込んできた。

 そのジロラミが早速FP1で最速を刻み、続くFP2では前戦ポールシッターのジャック・ヤング(FK8型ホンダ・シビック・タイプR/ブルータル・フィッシュ・レーシング)がトップタイムを記録するなど、金曜序盤はシビック勢が好調さを披露する。

 しかし予選ではSLRに所属するイタリア出身の伏兵フェリーチェ・ジェルミニ(ヒュンダイ・エラントラN TCR/SLR)が、僚友の2020年王者メディ・ベナーニをコンマ4秒差で突き放し、シリーズ初ポールポジションを獲得。セカンドロウ3番手には“旧世代”マシンに乗るマット・オモラ(ヒュンダイi30 N TCR/ヤニック・モータースポーツ)が続き、5番手のサミ・タウフィク(ヒュンダイ・エラントラN TCR)を含めて、ヒュンダイ勢が4番手アズコナを圧倒するスピードを披露した。

 現地金曜の19時を前にスタートが切られたレース1は、シグナルグリーンの蹴り出しからターン1のラ・ソースでの攻防を経て一瞬で勝負が決まり、暖まり切らないタイヤとブレーキに苦しむヒュンダイ勢を尻目に、大外を回ったアズコナがオー・ルージュ進入までに首位浮上に成功。2番手はベナーニに代わり、ジェルミニ、タウフィクと3台のエラントラがクプラを追走する展開となる。

■ウエットとなったレース2も“ミックスチョイス”のアズコナが制圧
 オープニングラップ後方ではチーム・クレーレ・スポーツのプジョー308 TCRやVRCチームのアウディRS3 LMS、そしてブルータル・フィッシュ・レーシングのFK8型ホンダ・シビック・タイプRなどが絡む多重クラッシュが発生し、ここでセーフティカー(SC)が導入されるものの、リスタートでも盤石のダッシュを見せたアズコナが首位を堅持。10周を走破して2.605秒差を守り今季2勝目を手にした。

 明けた土曜午前11時20分開始のレース2は、スタート15分前に到来したレインシャワーの影響で、各陣営が装着タイヤのチョイスと新たな戦略策定に大忙しのグリッド進行に。

 ここで昨年のレース2を制したアズコナはその再現を狙いフロントにスリックタイヤ、リヤにレインタイヤを履くミックスチョイスの判断を下し、リバースポールのクリム・ガブリロフ(アウディRS3 LMS/VRCチーム)は4輪フルウエット、対照的にオモラのヒュンダイはフルスリックを装着して、SC先導スタートに臨んだ。

 2周のインスタレーションに続いてSCがピットロードへ向かうと、2列目にいた“ミックス派”のテディ・クレーレ(プジョー308 TCR/チーム・クレーレ・スポーツ)が、まずは前方2台を刺して首位に立つ。

 しかしその後方ではアズコナがジリジリと上位陣に迫り、3周目には4番手にまで上がってくる。そこからコムトゥユー・レーシングのニコラス・ベアト(アウディRS3 LMS)やジロラミを抜き去り、首位クレーレとテール・トゥ・ノーズに持ち込むと、6周目のバス・ストップ・シケインでやはりアウトから仕掛け、続くラ・ソースでの反撃も封じて勝負アリ。2位オモラ、3位クレーレを従え、昨季に続きスパ完全制覇を成し遂げた。

「コンディションは非常に厳しかったが、前スリック、後レインの選択は僕に大きな自信を与えてくれた。3周目からはフルスリックの方が速そうで、スライドするマシンのコントロールに手を焼いたが、テディがブランシモンでワイドになったことでパスする機会が生まれたんだ」と明かした勝者アズコナ。

「その後は、セクター2でとても速いことがわかったから、2〜3周のあいだは本当に激しくプッシュし、ファイナルラップではタイヤのケアに集中した。チャンピオンシップにとって素晴らしい週末になったね」

 これでランキング2位のジロラミに対し30点差をつけ選手権首位の座を固めたアズコナ。続くTCRヨーロッパ第5戦は9月3〜5日のドイツ・ニュルブルクリンク戦が予定されているものの、大規模水害からの復旧状況次第では開催が不透明な情勢となっている。

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