土性はメダル逸も、川井友は決勝へ! レスリング女子は東京でも“金ラッシュ”なるか

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2021年08月04日 10:00  AERA dot.

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写真土性沙羅は2大会連続のメダル逃すも今後出場の選手に期待 (c)朝日新聞社
土性沙羅は2大会連続のメダル逃すも今後出場の選手に期待 (c)朝日新聞社
 東京オリンピックのレスリング競技が8月1日、開幕した。実施される全18階級のうち、日本は男子グレコローマン2選手、男子フリースタイル4選手、女子フリースタイルに6選手を派遣(12選手出場は17選手のROC=ロシア、15選手のアメリカに次いで3位)。武道・格闘系では柔道に続いてのメダルラッシュが期待されている。

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 女子は五輪種目となった2004年アテネ五輪から続いた偉大なチャンピオン吉田沙保里や伊調馨の時代が過ぎ、次の世代に引き継がれた。前回リオ五輪でも金メダル4つ、銀メダル1つの成果を残した。今大会で連覇に挑む57kg級の川井梨紗子、68kg級の土性沙羅に、五輪初出場組の4選手が加わり「全階級メダル獲得」を最低限の目標に、そこから金メダル数の上積みを掲げた。

 初日は76kg級の皆川博恵。最重量級で日本初の金メダルを目指し、33歳で初めて五輪のマットに立った。冷静な試合運びで順当に勝ち上がるも、準決勝で「何もできなかった」と敗戦。翌日の3位決定戦に挑んだが、惜しくもメダルには届かなかった。

 2日目はオリンピック連覇に挑む68kg級の土性沙羅が登場。初出場で世界の頂点に立ったリオ五輪以降、ケガや代表決定プレーオフなど苦しい時期を乗り越え、この舞台に戻ってきた。しかし、1回戦でタミラ・ストックメンサ(アメリカ)と対峙すると、序盤から相手に主導権を握られ、2分あまりで0−10のテクニカルフォール負け。優勝候補最右翼と目された相手ではあったが、前回王者たる力強いレスリングや得意の高速タックルも繰り出せず、なす術のない完敗は、ショッキングだった。

 その後、ストックメンサが決勝進出したことで、土性のメダルへの挑戦権が復活。翌日の敗者復活戦では、打って変わって「自分のレスリングが出来た」と快勝を収めると、「金を目指していたので悔しいけれど、切り替えて銅メダルを獲る」と明るい声を弾ませた。3位決定戦では無念の敗戦で表彰台とはならなかったが、元王者の片りんを見せてくれた。

 3日目に競技が開始した62kg級。川井友香子が、姉・梨沙子との「姉妹で金メダル」を目指して、先陣を切った。妹・友香子は自信に溢れた表情で入場すると、五輪初出場とは思えない堂々としたレスリングを披露し、1回戦を10−0テクニカルフォール、2回戦も10−2と危なげなく準決勝進出を決めた。勢いそのままに準決勝も突破。銀メダル以上を確定し、翌日から始まる姉・梨沙子に弾みをつけた。

 57kg級の川井梨沙子はリオ五輪を制した男女全選手のうち、階級は変更しながらも、唯一世界チャンピオンの座を守っている。今大会も優勝候補筆頭の第1シードとして連覇が期待される。昔から二人で憧れ続けた「姉妹で金メダル」の夢をかなえるチャンスだ。柔道の阿部一二三・詩兄妹の同日金メダルが話題をさらったが、レスリングではあの伊調千春・馨姉妹もなしえなかった夢へ、突き進んでほしい。

 後半は軽量級も楽しみだ。53kgの向田真優にも金メダルの期待がかかる。長らく吉田沙保里が絶対王者として君臨した同階級で、日本はリオ五輪で初めて銀メダルに泣いた(当時は55kg級)。“吉田の後釜”とプレッシャーのかかる立場にいながら、「53kg級で金メダルを取りたいという気持ちが強い」と、この階級にこだわりを持つ。金メダルへの一番の障壁と見られた北朝鮮選手は不出場だが、他にも競合が揃っており激戦は必至。婚約者の志土地翔大コーチとの二人三脚で、これまで信じてやってきたものを、初の大舞台で披露してくれるはずだ。

 最後に紹介するのは、開会式の旗手も務めた最軽量50kg級の須崎優衣。日本チーム最年少の22歳は、紆余曲折を経て、地元千葉県の幕張メッセで初めて五輪の舞台に上がる。

 2017、18年と世界選手権で連覇を果たして期待を集めるも、大きなケガに見舞われる。復帰後は全日本選抜で優勝し、2019年世界選手権代表プレーオフに挑んだが、ここで入江ゆきに敗れてしまう。入江がメダルを獲得すれば東京五輪に内定する厳しい状況だったが、入江は代表権を獲得できず、代表争いは白紙に。全日本選手権では準決勝でリオ五輪メダリストの登坂絵莉を退ける。

 決勝では入江に雪辱。延期で2021年4月に開催された五輪アジア予選では優勝を飾り、見事に出場を決めた。他者の結果による運もあったが、自らの力で、厳しい代表争いに勝ち抜いたことが成長を促し、アジア予選で見せた安定した戦いは、五輪本番へ大きな期待を抱かせてくれた。他国勢からもマークされるだろうが、須崎は主な外国籍選手には黒星がなく、自信を持って臨めることだろう。2012年ロンドン五輪の小原日登美、2016年の登坂に続く3大会連続の最軽量級金メダルは、きっと須崎の弾ける笑顔と共に輝くはずだ。









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