トラックパッドも備えたロジクールの新型iPad Pro向けキーボード一体型ケースを使ってみた

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2021年08月04日 12:11  ITmedia PC USER

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写真ロジクールのiPad用キーボード一体型ケースに共通する、キックスタンドで背後からiPadを支える構造だ
ロジクールのiPad用キーボード一体型ケースに共通する、キックスタンドで背後からiPadを支える構造だ

 ロジクールから、新型iPad Pro向けのキーボード一体型ケース「COMBO TOUCH」が登場した。純正である「Magic Keyboard」と同様、Smart Connectorでの接続に対応しつつ、トラックパッドを搭載しているのが特徴だ。



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 従来モデルからは日本語JIS配列に対応したことで、US配列が苦手で見送っていたユーザーにとっても、注目すべき製品となっている。今回12.9インチiPad Pro用モデルを借用したので、純正のMagic Keyboardとの違いを中心に、その特徴を紹介する。



●ケース部とキーボード部が合体した構造で保護性能は高い



 まずは外見から見ていく。本製品は、iPad Proをはめ込むケース部と、画面を覆うように吸着させるキーボード部に分かれており、利用スタイルに応じてそれらを着脱できる構造になっている。



 ケース部は、四隅はもちろん側面までもがっちりカバーする構造で、高い耐衝撃性に加えて、防水/防じんにも高い効果を発揮する。スピーカー部などは穴が開いているので完全防水というわけではないが、側面がガラ空きのMagic Keyboardと比べた場合に、この点は大きなアドバンテージとなる。



 続いて、12.9インチiPad Proを取り付けてみよう。



 iPad Proの四隅をカバーする構造ゆえ、本製品の重量はかなりある。今回紹介する12.9インチ用は約780gもあり、12.9インチiPad Pro(約682g)を2枚重ねて持つよりもさらに100g程度重くなる計算だ。合計は実測で1420gと、13インチMacBook Pro(約1.4kg)よりも重いので、なるべく軽く持ち歩きたいというニーズには向かない。



●Magic Keyboardと同じくSmart Connectorで接続



 利用にあたっては、背面に折りたたまれているキックスタンドを立てた後、画面を覆っているキーボードを手前に開くことで、ノートPCに近いスタイルになる。角度調節の自由度は高いが、ケース本体とキーボードは角度が固定されているわけではないので、膝の上など不安定な場所で使う場合は、倒れないか気をつける必要がある。



 本体とキーボードの通信はSmart Connectorで行われるため、Bluetoothキーボードのようにペアリングを行う必要はなく、はめ込むだけですぐに利用できる。電源はiPad Pro本体から供給され、煩わしい充電の手間がかからないのがメリットだろう。



 実機に触れると驚かされるのは、iPad Proをはめ込むケース部のスリムさだ。これまでロジクールのキーボード一体型カバーは厚みがあり、かなりゴツい印象があったが、本製品はなるべくiPadの薄さを損なわないよう、ギリギリのところまで厚みを削っており、iPad Proをセットする際も、本当にこんなに薄いところにはめ込めるのか? と不思議に思うほどだ。



 ちなみに、iPadをはめ込む時はそこそこの力が必要で、頻繁な着脱には向かない。ただし本製品はケースをそのままに、キーボード部だけを取り外すという選択肢があるので、Magic Keyboardのようにマグネットでスムーズに着脱を行うのは難しくても、使い方のバリエーションは豊富だ。これについては後述する。



 次にキー配列を見ていこう。



●キー配置は一部に違和感 ファンクションキーがあるのは強み



 続いてキー配列について見ていこう。本製品は日本語JIS配列を採用しており、キー配置そのものは、純正のMagic KeyboardのJIS配列モデルにおおむね準じている。キーはパンタグラフ構造で、約19mmというキーピッチや、約1mmというキーストロークも同等だ。



 ただし、キー配列は完全に同一ではない。最大の違いは、一般的なキーボードではBackSpaceキーの左側にある「\」キーが、数字の「1」キーの左側へと移動していることだ。つまり同じ段の一番左に移動していることになる。



 それならば単純に1つずつ左にずらせばよかったのではと思うが、そうすると「Q」キーの左上に「1 」、「W」の左上に「2」という上下の配置が乱れるので、「\」キーを犠牲にして他への影響を最小限にとどめたメーカーの発想は理解できる。とはいえ、ここさえクリアーしていればMagic Keyboard互換といって差し支えなかっただけになんとも惜しい。



 アルファベット以外のキーも、Enterキーやその周辺の記号キーの横幅が狭かったり、左側のShiftキーやControlキー、Tabキーは逆に幅が広かったりと、配置は同じでもキーサイズがかなり異なっている。MacBookとほぼ同じ使い勝手を再現できている純正のMagic Keyboardと比べると、かなり癖がある印象だ。



 その一方で利点として挙げられるのは、Magic Keyboardでは省略されているキーボード最上段のファンクションキー列が用意されていることだ。普段MacBookを使っているユーザーがMagic Keyboardを使う場合、画面輝度の変更やマルチメディア関連の操作がキー上で行えないのは少なからずネックとなるが、本製品はそのような心配もない。



 ただし、左上のEscキーはないので、ショートカットを用いるか、別のキーに割り当てる必要がある。この点においてはMagic Keyboardと同様だ。



 ファンクションキーが用意されていることで、キーボードのバックライトを素早く調整できるのも、Magic Keyboardと比べた場合の大きなメリットだ。ファンクションキーのないMagic Keyboardでは明るさ調整は本体の設定から行わなくてはならず、手間の差は一目瞭然だ。ちなみに明るさは16段階で調整できる。



 キータッチ自体はMagic Keyboardと酷似している。メカニカルなカシャカシャという音は、本製品の方が控えめに感じるが、そう極端に違うわけではない。短時間の比較であれば違いを感じない人がいるかもしれない。



 キーボード手前のトラックパッドは、Magic Keyboardに比べて縦横ともに約1cmずつ広い他、パームレストの奥行きもMagic Keyboardより広いので、手のひらが置きやすいのは利点だ。もっとも、ビニール寄りの素材を採用するMagic Keyboardに対し、本製品はざらざらした素材であるため、やや好みが分かれるかもしれない。



●多彩な利用スタイルでiPadの頻繁な着脱が難しい欠点をカバー



 利用スタイルについても触れておこう。



 本製品はここまで見てきた一般的なノートPCスタイルでの利用に加え、キーボードを外した「表示モード」、キックスタンドを大きく倒してApple Pencilなどでの描画がしやすい「スケッチモード」、さらにキーボードを表/裏逆に取り付けて背面に回した「リーディングモード」で利用できる。



 この中で特に重宝するのは、キーボードを外して単にスタンドとして使える表示モードだろう。Magic Keyboardの場合、動画を鑑賞する場合も、テキスト入力時と全く同じスタイルのまま行わざるを得ないが、本製品は柔軟に対応できる。Magic Keyboardと異なり、iPad本体を頻繁に着脱するのは苦手だが、こうしたスタイルの豊富さでカバーできているというわけだ。



 本製品はキーボードを外しても重量は1kgちょっとあるので、片手で長時間保持するのはさすがに現実的ではない。ましてや同社がいうところのリーディングモードは、キーボードを背面に回して装着したまま片手で持つという運用を想定しているようで、さすがに無理がある。せめてキーボードを外して保護ケースとしてのみ運用した方がよいだろう。



 ところでキーボードを装着した一般的なスタイルで使うにあたり、本製品の最大の欠点と言えるのは奥行きだ。純正のMagic Keyboardは、iPad Pro本体を宙に浮かせることで奥行きを最小限にとどめているが、キックスタンドを採用した本製品はトラックパッドの奥行きがそのままプラスされるため、実測で約32〜34cmの奥行きが必要になる。



 Magic Keyboardの奥行きは23cm程度なので、実に10cm以上も違う。奥行きが限られたテーブル上で作業する場合にはかなり致命的で、ここが製品選択の決め手となることは少なからずあるだろう。



●高い完成度を備える Magic Keyboardとの価格差をどう見るか



 本製品に興味を持つきっかけの多くは、純正のMagic Keyboardが高価で予算的に折り合わず、代替製品を探していて行き着いたというパターンだろう。となると、実際の選び方としてはMagic Keyboardと比べて何が違うのかに焦点が絞られるはずだ。



 実際のところ、Smart Connectorによる接続、トラックパッド搭載、日本語JIS配列のキーボードという特性は酷似しているが、その一方で保護性能や利用スタイル、奥行きの差、さらにファンクションキーの有無など、異なる要素は非常に多い。Magic Keyboardには、パススルー充電用のUSB Type-Cポートなどの便利機能もある。



 これらのポイントは人によって重み付けが異なるため、どちらが優れているとは一概には言えないが、例えばトラックパッド非搭載だったり、あるいは接続方式がSmart ConnectorではなくBluetoothだったりといった部分に違いはなく、純粋に機能や使い勝手で比較できるのは、ユーザーにとってもありがたい。致命的な欠点もなく、完成度も非常に高い印象だ。



 実売価格は税込み2万6730円(直販のオンラインストア)ということで、Magic Keyboard(4万1580円)との価格差はかなりある。Magic Keyboardを買うほどの予算はないが、12.9インチiPad Proと組み合わせて使うキーボードを必要としているユーザーにとっては、見逃せない製品と言えそうだ。


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