東京五輪・解説者の採点  スケボー瀬尻、ソフト宇津木、サッカー内田の業界評価は?

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2021年08月04日 18:00  AERA dot.

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写真「ゴン攻め」などの解説が話題を呼んだ瀬尻稜氏 (c)朝日新聞社
「ゴン攻め」などの解説が話題を呼んだ瀬尻稜氏 (c)朝日新聞社
 東京五輪が開幕してから約2週間が経った。日替わりにヒーローが生まれ、コロナ禍の中で明るい話題を提供してくれているが、五輪中に注目が集まるのはアスリートだけではない。選手たちの素晴らしい戦いとともに話題となるのがテレビ中継の実況や解説だ。

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 今回の五輪で最も評価が高いのが、7月25日のスケートボード・男子ストリート、解説の瀬尻稜氏と倉田大誠アナ(フジ)だ。今大会新種目で堀米雄斗が金メダルを獲得した瞬間を担当した。歴史的瞬間の伝え手だったのもあるが、2人の息のあった掛け合いは競技中からネット上を中心に大きな話題となった。

 瀬尻氏は大技が決まった際など「ゴン攻め」「ビッタビタ」などの独特な表現を連発。その一方で競技解説は理路整然とスケボー初心者にもわかりやすいと高評価を得た。そして倉田アナは必要最小限の実況に終始し、競技の詳細などは瀬尻氏に任せたのも良かった。

「冬季五輪でのスノーボードやX系スポーツでは解説者が暴走してしまうことがある。自分たちの競技だ、という思いが強過ぎるのでしょう。今回のスケボーも心配したのですが瀬尻氏はバランスが絶妙。倉田アナも勉強されていたのがわかったが、知識をひけらかさず瀬尻氏のサポートに徹している感じだった。素晴らしいコンビでした」(スノーボード協会関係者)

 五輪やサッカーW杯などのビッグイベントのテレビ放送は独特の中継形態が取られる。NHKと民放の放送局で構成される「ジャパンコンソーシアム(JC)」とが放送権を獲得。各局から派遣されたアナウンサーによって中継が行われる。スケートボード・男子ストリートはNHKのEテレが担当したが、、実況はフジの倉田アナ、解説は瀬尻氏だった。

「倉田アナには不安の声もあった。フジ系はスポーツ中継でもバラエティっぽさが抜けないのが有名です。アスリートに対するリスペクトが足りないのでは?と問題視されることもある。若者文化という競技特性もあり解説の瀬尻氏にも心配があった。コンビ結成が決まってから2人で練習もしたそうです。努力の成果というか素晴らしい中継でした。フジ系もできるじゃん、という声も出ました(笑)」(広告代理店テレビ部門担当者)

 他で目立ったのは、7月27日の女子ソフトボール決勝、解説の宇津木妙子氏と大西洋平アナ(テレビ朝日)のコンビだ。13年ぶりの金メダル獲得で日本中を熱狂と感動の渦に巻き込んだ女子ソフトボール。次のプレーを“予言”するかのような宇津木氏の的確な解説はネット上を中心に驚きの声が上がった。しかし相方の大西アナは心もとない感じもした。

「野球とソフトは似てるようで別物なんです。野球中継同様に実況していたがプレーの本質を外している様な場面もあった。タイミングを外されているのに『つまった』と言ったりしていた。プレー部分は宇津木氏に任せるべきだったかもしれない。スケボーで倉田アナが競技の解説について瀬尻氏に任せたようにすれば良かったのにね」(スポーツ新聞野球担当記者)

 女子ソフトボールの元日本代表監督である宇津木氏の思いが言葉で漏れてしまう中、大西アナも感情的になってしまった感もあった。金メダル獲得が近づくと1球ごとに感情あらわに実況を続け、胴上げ時には「今度は、横浜の空に舞い上がりました!」と絶叫した。

「宇津木氏の解説は的確で素晴らしい。しかし気持ちが入り過ぎてしまい1プレーごと感情的な言葉が入り込む。女子ソフト界の母のような方ですからこれは良いと思う。しかし大西アナまで引っ張られて感情的な絶叫口調になってしまった。テレ朝はサッカー中継の絶叫調が賛否両論わかれていますが、今回もそれに近かった。古舘伊知郎氏が在籍した頃からのプロレスのスタイルになっていた」(広告代理店テレビ部門担当者)

 アスリートのパフォーマンスと客席の熱狂でスポーツの感動や興奮は伝わってくる。しかし今回のような無観客開催では伝える側の存在がより大きく影響を及ぼすことが明白になった。スポーツ中継の実況を務めるアナウンサーの質については視聴者の間でも議論となるが、改めて「しゃべり」で状況を伝えることの難しさについても考えさせられた。

「アナのみでなく解説者やコメンテーターも同様です。スケボーの瀬尻氏は掘り出し物だった。またサッカーの内田篤人氏や森岡隆三氏なども冷静、的確で評価が大幅に上がった。逆に野球の古田敦也氏や宮本慎也氏は感情的に見えてしまった部分もある。両者とも現役時代は冷静沈着なイメージだったが言葉使いなど含めて印象が激変した。今後は顔ぶれがガラッと変わるかもしれません」(広告代理店テレビ部門担当者)

 解説、実況ともに中継中に感情を出すことによって評価が高まることがある一方で、視聴者に敬遠されてしまうこともある。中々難しいスポーツ中継だが、残りも少なくなった東京オリンピックでは選手だけではなく、テレビ中継の実況や解説を務める人たちにも注目するとより競技が楽しめるのではないか。













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