発見! あぶない家 第3回 親が教え、子どもが実践する「自分を守る方法」

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2021年08月05日 07:21  マイナビニュース

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前回は親がやるべき子どもを守る方法でしたが、今回はお子さん自身がやる「自分を守る方法」についてお話したいと思います。

お子さん自身でやる。と言っても子どもが勝手に自分で考えてできるわけではありません。まずは親が教え、手本を見せることが大事です。
○お留守番でもインターホンには対応する

夏休みは子どもだけで留守番や外出することも多くなります。子どもだけで留守番することがあっても「家にいるから安心よね」と親は都合よく思いがちです。そこに危険が潜んでいるとも知らずに……。

お宅は子どもだけで留守番のとき「電話やインターホンが鳴っても出なくていいからね」と教えていませんか? 実はここに大きな落とし穴があります。俗に言う泥棒は狙った家が留守かどうかを電話をかけたりインターホンを鳴らしたりして確認をします。

実際にこんな事件がありました。子どもだけで留守番をしている家のインターホンが数回なりましたが、子どもは親からの教えを守りインターホンに出ずにいました。すると背後で音がして、振り返るとそこには複数の泥棒の姿が! 「おい! いいと言う迄こっちを見るな! ジッとしていろ!」と脅された子どもは、泥棒の仕事が終わるまで恐怖に震えながらジッと耐えていました。身体的な危害はなかったものの心のショックを考えると胸が締め付けられます。

電話やインターホンには必ず対応するように教えていただきたいです。その方法は「お母さんは今手が離せないので後でかけてください(また後で来てください)」と対応させましょう。紙に書いて電話やインターホンのところに貼っておき、読むようにしてもいいですね。

それができない小さな子どもは、一人で留守番をさせないでいただきたい。中には「でも家の子にできるかしら?」と思われる方もいらっしゃると思います。そんな方は、家にかかってきた電話をスマホに転送する機能を活用したり、インターホンも外出先でスマホで対応できる機能があるものに変える等、お宅に合った対策をお考えください。
○家族以外についていかない

子どもだけで遊びに出かけたり、習い事や塾に行ったりと親の心配は尽きません。

今は知らない人だけでなく、知っている人にも絶対について行かない! が常識になってきました。親が知らないうちに子どもは自分の世界がどんどん広がり、親が知らない人でも、子どもは知っている場合が多々あります。家から一歩外に出たら家族以外について行ってはダメ! と教えてください。

そして外で大人に話しかけられた場合は万が一の事を考え、いつでも逃げられる距離を保って対応をする事、危険を感じたら「ワー!」と大きな声を出し、走って逃げることも併せて教えてあげていただきたいです。
○防犯ブザー・子ども用携帯を持つ

また、必ず防犯ブザー・子ども用携帯を忘れずに持たせるようにしましょう。

今は親は安心、子どもは待っていて楽しい、日本防犯学校イチオシの子ども見守りツール「Hamic POCKET」があります。親のスマホのキャリア関係なく、常に親子が繋がることができるので安心です。
○帰宅時は大きな声で「ただいま!」と言う習慣を

子どもだけで外出すれば帰宅時も子どもだけの時があります。家に入る時に大きな声で「ただいま!」と言ってから入るように教えてあげてください。実は子どもを狙った犯罪者が「家に入る時、ただいま! と言ってから家に入った子はターゲットから外した」と裁判で証言しています。

「大きな声で『ただいま!』と言って家に入るのよ」と親が子どもに言うのは簡単です。しかしほとんどの子どもは実践しません。親が日頃から大きな声で「ただいま!」と言って家に入る習慣をつけてください。
○「子ども110番の家」に親子で挨拶

子どもを安心して外に行かせることのできないない時代。「子ども110番の家」に親子で挨拶に行かれてください。

以前、子どもが不審者に無理やり車に乗せられそうになり、家まで走って逃げた男児の母親から、話を聞く機会がありました。親は「何で子ども110番の家に入らなかったの?」と聞くと子どもからは「だって知らない人の家には入れない」との答え。同感です。大人だって急を要していても知らない人の家には入れないのと一緒です。
○鍵掛けを練習する

家でも親がお手本を示して習慣にしていただきたいことがあります。それは鍵掛け。防犯の基本は鍵掛けです。玄関や勝手口だけでなく各窓の鍵掛けも親子で行い、慣れてきたら子どもだけでやらせてみてください。後で親が確認することも忘れずにお願いします。
○送り迎えは子どもの友達の親と連携を

子どもが一人で行動しているところを犯罪者は狙ってきます。できれば子どもの友達の親同士で連絡を取り、外出時の送り迎えなど協力し合い子どもを守るようにしていただきたいです。

どうですか? 親が子どもに教えて、子どもが自分自身でできる「身を守る方法」たくさんあったと思います。まずは親が子どもの良いお手本となっていただきたいと思います。最低限ここに書いたことを、是非実践していただきたいと思います。

そして日頃から親子でしっかりとコミュニケーションを取り、その日にあった出来事(特にマイナスな内容)を何でも話せる家庭環境作りを心掛けていただきたいです。あなたのお宅独自の、安全ルールブックのようなものをつくってみてはいかがでしょうか?

あなたとあなたの家族、お子さんを守るのはあなたです!

一般社団法人 日本防犯学校学長/防犯ジャーナリスト : 梅本正行 うめもとまさゆき 1964年からセキュリティ事業に参入し、警察署での署員特別教養講師や犯人逮捕への協力など、警察からの感謝状は400枚を越える。侵入犯罪の現場には極力足を運び、犯罪現場の環境や犯行手口など、事件の内容を検証。その数は8,000件を越え、今もなお増え続ける。現在、犯罪者心理を知り尽くしたプロの目で、防犯ジャーナリストとして活躍。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等で予知防犯対策を提唱している。また、行政・自治体・民間企業等でのセミナーや講演も多く、人情味あふれる独特のキャラクターで予知防犯対策の重要性と人の命の尊さを呼びかけている。通称「防犯の梅さん」。 防犯対策責任者の育成にも力を入れ、養成講座を開講する傍ら、犯罪抑止に力を注ぐと共に経済産業省の「省エネ・防犯情報提供事業研究会」の委員として参画していた。現在は地域の防犯ボランティアの育成や防犯住宅を造る工務店の育成を全国で行っている。 一般社団法人 日本防犯学校 この著者の記事一覧はこちら(梅本正行)

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