不倫相手の子どもを出産します。彼に養育費を請求したら、妻から慰謝料請求される?

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2021年08月05日 10:31  弁護士ドットコム

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不倫相手の子どもを出産することになった相談者。養育費を請求したいと考えていますが、「こちらも慰謝料請求されるかもしれない」と弁護士ドットコムに相談を寄せました。


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相談者の女性は不倫相手の子どもができ、出産をしました。不倫自体は相手の妻に何度もバレていますが、今のところ法的手段はとられていません。



女性は不倫相手に認知してもらい養育費を請求したいと思っていますが、男性は拒否している状態。にも関わらず、関係を終わらすことはなく、今も子どもに会いに来るといいます。



「彼だけが何も傷つかず、平平凡凡と家族と暮らしていることにも腹立たしく思う時があります。彼に少しでも痛い目に合わせたい」。女性はそんな思いも抱えるようになりました。



果たして養育費を請求した場合、妻側から不倫の慰謝料請求をされるのでしょうか。萱垣建弁護士に聞きました。



●養育費の請求は子どものため

——そもそも妊娠した女性は、不倫相手の男性に養育費を請求できるのでしょうか



たとえ、不倫の関係で生まれた子どもであっても、親には子どもを扶養する義務がありますので、双方の経済力に応じて、原則、20歳になるまで、不倫相手の男性に養育費を請求することができます。



男性が支払いを拒否した場合は、男性の住んでいるところの家庭裁判所に、養育費支払請求の調停を申し立てることになります。



調停で養育費の額が決まれば、毎月支払ってもらいますが、支払いが滞った場合には、まず、家庭裁判所に連絡すれば、家庭裁判所から支払いを勧告してくれます。それでも支払ってくれない場合は、給料等を差し押さえることになります。



——男性が「自分の子どもではない」と反論した場合は?



この場合は、養育費支払請求の調停の前に、男性の子であることを確定させるため、男性が住んでいるところの家庭裁判所に認知の調停を申し立てる必要があります。



この調停で、話し合いにより合意が成立し、DNA鑑定などや子どもが生まれた経緯などにより、裁判所がその合意を正当と認めれば、認知を認める審判をします。



この調停で話し合いが成立しない場合は、男性が住んでいるところの地方裁判所に認知の訴訟をすることになります。DNA鑑定で男性の子どもであると認められたら、男性が拒否していても、判決で認知が認められるでしょう。



——養育費を請求することで、不倫相手の妻から慰謝料請求されるリスクはありますか



不倫相手の妻からの慰謝料請求は、通常、養育費の請求とは関連しません。養育費の請求とは関係なく、不倫のことを知れば、不倫相手の妻は慰謝料を請求するかどうかを決めるでしょう。



養育費の請求は子どものためです。不倫相手の妻からの慰謝料請求があるかどうかにかかわ らず請求すべきかと思います。




【取材協力弁護士】
萱垣 建(かやがき・たてる)弁護士
平成5年登録。弁護士経験25年以上。平成23年度愛知県弁護士会副会長。愛知県弁護士会及び中部弁護士会連合会の委員会の委員長、日本弁護士連合会の委員会の副委員長を経験。わかりやすく、疑問が残らないように説明することがモットー。
事務所名:万朶総合法律事務所
事務所URL:https://www.sosapo.org/lp2/banda-law/


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