キャロルが男性を振り回した回数は? 『王家の紋章』をデータ化してみた

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2021年08月06日 07:01  リアルサウンド

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『王家の紋章』キャロルの行動を数値化

 『王家の紋章』の最新刊67巻が発売されましたね。46年も続く大長編、8月にはミュージカルも再々演されるし、この夏は東京オリンピック・パラリンピックか王家かという勢いです。そこで、今回は主人公のキャロルが“聖地巡礼”を重ねた回数から、迫る男性を振り回した回数までデータを集めてみました。


(参考:【画像】『王家の紋章』複製原画展の来場者特典サンプル


 『王家の紋章』は、1976年から連載が続く、少女マンガ界きってのご長寿作品です。考古学が大好きなキャロルは、古代エジプトの女王アイシスの呪いにかかって、古代エジプトにタイムスリップさせられてしまいます。ところがキャロルが珍しい金髪碧眼だったことから、少年王メンフィスの目にとまり、寵愛を受けることに。メンフィスと結婚するつもりだったアイシスは大激怒で、以来、執拗にキャロルの命を狙います。


 狙っているのはアイシスだけではなくて、ヒッタイトの王子イズミルも、キャロルをさらって囲ってるうちにほだされちゃって、いつしかキャロルのストーカーに。そんなこんなでキャロルが古代エジプトでトラブルメーカーになるお話です。


 さて『王家の紋章』と言えば、なんといってもキャロルの聖地巡礼です。


 古代史が大好きなキャロルは、権力を得たのをよいことに近隣各国を行ったり来たりします。現地を訪れては「歴史書で読んだわ」「ブラウン先生が言ったとおり!」などと感嘆していて、もうこれは好きなアニメやマンガの舞台を観光しに行くファン心理と同じですね。


 キャロルがどれだけ聖地巡礼したのか、ふと思い立って、キャロルが訪れた場所を書き出してみました。


 ヒッタイトの沿岸部、ハットゥシャ、アッシリア、エルサレム、アッシリア首都、古代イエリコ、ヨルダン川、バビロン、ムーサの山、レバノン山、塩の海の宮殿、クムランの洞窟、ミノア、古代サントリーニ島、エーゲ海、虹の島、トロイ、メディア、古代ペトラ、バルバリッソス、アトバラ……。


 計20箇所。既刊67巻だから、だいたい3〜4巻に1回はお出かけしている計算です。飛行機のない時代なので、どこかの帰りに立ち寄る場所も多い。


 登場人物の出身地や、メンフィスやイズミル王子が訪れた場所を入れると、作中で紹介された場所はもう少し多くなります。地図入りで紹介してくれるので、地理にも詳しくなりますね。そういえば私は、ヒッタイトとエジプトの間にキプロスがあることは世界地図を見る前から「王家」で知っていましたよ。


 なんとも羨ましいバックパッカーぶり。とはいえ、ヒッタイト始め、自分の意志ではなく連れ去られた場所も多いのですが。


 その上、羨ましがってばかりもいられないのは、キャロルのケガの多さ。そもそも無理矢理連れ去られているし。その他、メンフィスに腕を折られたり、ライオンに噛まれたり。旅先でよく体調崩してます。イズミル王子にはムチで打たれたり、小刀を投げつけられたり、序盤はけっこうひどい目にも遭ってます。足の裏を火傷したり、毒草を飲んで生死をさまよったり、溺れることもわりと多くて、ナイルに5回溺れ、ユーフラテスでは濁流に呑まれています。バベルの塔から脱出するのに水をくぐったりしていて、泳げない私はけっこう読んでいて苦しい。


 体調不良の回数は9回、水に溺れること7回。


 それと、ライアン兄さんに撃たれてから病がちになったイズミル王子のほうも心配です。42巻で女に肩を刺され、53巻でキャロルをかばってユーフラテスで濁流に呑まれて以降、だらだらと体調不良が続きます。それが62巻で「メンフィスがアトバラで行方不明」と聞くやいなや見る見る元気になっちゃって、愛の力は絶大ですね。


 最後に、キャロルのモテっぷりもこの作品の魅力ですが、周囲の男性たちがどれだけ“寸止め”を食らい、振り回されているかも数えてみました。


 明確に男性にやる気があって、ベッドまでセッティングしてあるような絶好のシチュエーションでうまくいかなかったのは、7回。意外と少ないです。ただメンフィスの異母弟とウソをついて王宮に乗り込んでいるネバメンも、かなり下心があってキャロルにセクハラしてきますが、ハッキリとしたチャンスはないので寸止め回数には入っていません。そういう意味ではカプター大神官もけっこう怪しいですが、寸止めまでは至っていません。可哀相なのはイズミル王子で、チュッチュしたりモゾモゾ抱きしめたり、結婚式まであげたりしてるのにおあずけのまま。体調も悪くなるわけですね。


 暴君で人の命なんてなんとも思っていなかったメンフィスだけど、貞操観念だけはしっかりあって結婚式までキャロルに手を出しません。誰に教わったのか、アイシスにあんなにベタベタされているのに、意外と自制心があるところに好感が持てます。


 ちなみに「王家」のデータ化、思いついたはいいけどむちゃくちゃ大変でした……。物語に浸っちゃうと数えられないし、自制心を保ちつつカウントしながら延々と67巻のページをめくる作業は、気が遠くなるほど長かった。なんだかんだ3日くらいかかりました。多少カウントミスがあるかもしれませんが、それはご容赦ください……。


(文=和久井香菜子)


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