広島出身のクロちゃんが初めて語る「原爆への恐怖」

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2021年08月06日 11:30  AERA dot.

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写真広島市中区の爆心地のすぐ近くにある世界遺産・原爆ドーム (c)朝日新聞社
広島市中区の爆心地のすぐ近くにある世界遺産・原爆ドーム (c)朝日新聞社
 安田大サーカスのクロちゃんが、気になるトピックについて“真実”のみを語る連載「死ぬ前に話しておきたい恋の話」。今回のテーマは「戦争と平和」。原爆が投下された街、広島県で育ったクロちゃん。毎年「8月6日」にはSNSで原爆に関するメッセージもつぶやいている。「戦争と平和」について、クロちゃんがメディアに初めて語った。

*  *  *
 広島に原爆が投下されてから、今日で76年。広島出身のボクにとって「8月6日」は特別な日。今日だけは「戦争」や「平和」について改めて考えたいなって思う。

 思い返せば、「戦争」「平和」「原爆」などのことを学ぶ環境は、子どもの頃から、とても身近にあった。原爆ドームや平和記念資料館にも、社会科見学などでよく足を運んだしね。ただ、正直、ボクにとってこの社会科見学はつねに「怖い」時間だったといってもいいかもしれない。残された資料や写真、映像などを見るのが、けっこうつらくて「なんでこんなの見ないといけないの…」って、当時は何度も思ったりもした。

 中でも平和記念資料館に展示されている「人影の石」は特に印象に残っている。「人影の石」は、原爆の熱線によって、石段に人の影のような跡が残っている展示物。もうそこには誰もいないはずなのに、影だけが残されているという光景が、当時のボクには理解ができなかった。だからこそ、余計に恐怖を感じたのかもしれない。

「友達を一瞬にして失った」という被爆者の方々の話を聞いた時も、「もし、今のボクの友達が突然いなくなったら、どうしよう」って、自分の当時の状況を重ねたりして、悲しい気持ちになったことを覚えている。

 戦争の悲惨さ、平和のありがたさは、日本人なら、誰もが感じていることだよね。

 でも、時々、少しずつそういう意識が、みんな薄れてしまっているんじゃないかって、不安になる時もある。人は忘れていく生き物だし、リアルに戦争を体験した被爆者の方々が年々少なくなっているのは絶対影響はあるはず。

 情けない話だけど、ボク自身も、そういう時期はあった。ボクの場合、広島を離れてしまったのが大きかったのか、新しい土地で生活するようになって、だんだんと考えることが少なくなってしまったような気がする。ひどい時は、「8月6日」に黙祷すらもしなくなっていた。あれだけ、子どもの頃に大事だって教わったのに…、ほんと駄目だよね。

 それでも、ここ数年、「戦争」や「平和」について改めて考える機会が増えたんだ。実は、広島と同じく、原爆が投下された「長崎県」で、レギュラー番組が始まったんだよね。

 長崎には、戦争の遺跡が多く残されているから、街を歩くだけで、自然と考えさせられる時間ができたの。これは、ボクにとって良い「きっかけ」になった。街の雰囲気や人のあたたかさも、どこか広島とリンクするところも多かったしね。
 
 長崎に訪れるようになってからは、「8月6日」の黙祷は忘れることはなくなった。長崎に原爆が投下された「8月9日」に関しても、黙祷をするようにもなった。そんなのに当たり前だろって指摘されるだろうけど、改めて、こういう風に再確認できたのは、ほんとうに良かった。

「8月9日」には、SNSでメッセージもつぶやくつもり。

 ボクが発信することで、誰かの再確認の「きっかけ」になれるかもしれないしね。

 えらそうに聞こえたら、ごめんなさい。

 ボクの力なんて微々たるものだけど、今日も祈らせてください。

 いつか、この世界から、戦争がなくなりますように。

(構成/AERA dot.編集部・岡本直也)

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  • 同じく広島で育った者としては、この感覚、まったくよくわかる。例えそれが年1回か2回でも、日本国民みんなが、あってはならない過去を思い出すことが大事だと思う。
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