柿本は演出家、映像作家、監督として映画やコマーシャルフィルム、ミュージックビデオを中心に多くの映像作品を発表。目には見えない被写体の体温や熱量、気温、時間などに着目し、作品を通して視覚化に取り組んでいる。
同展では、音楽現像によって生まれ変わる写真の変化を独自のアルゴリズムで表現した新作「Trance Music」のほか、日常を高解像度で切り取る「Trimming」や「TRANSLATOR」などの過去作シリーズを展示。9月25日に上映する「+81FILM」は、柿本が世界各国を旅する間、新型コロナウイルスの自主隔離中に知り合った世界中のクリエイターらとリモートで制作した短編映像で、2020年の世界同時配信で話題となった。上映会では、ハンガリーを舞台に柿本ケンサクが脚本・共同監督を務め、ケンモチヒデフミの楽曲を用いて制作した新作「DROP BY DROP」を公開する。他にも細野晴臣が参加したチリ編や、半野喜弘が参加したモンゴル編、大橋トリオが参加したロンドン編の3編を併せて上映する。