好調ロッテ、6回終了時点でリードしていれば負けない?抜群の安定感を誇る救援陣

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2021年09月07日 11:00  ベースボールキング

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ロッテの守護神・益田直也 (C) Kyodo News
◆ 5月以降は救援陣が安定

 ロッテは5日の日本ハム戦に2−1で勝利し、首位だったオリックスがソフトバンクに敗れたため、球団では51年ぶりに9月単独首位に浮上した。

 リーグトップの得点数を誇る打線に注目されがちだが、救援陣の働きも大きい。4月終了時点で「4.15」だった救援防御率は5月以降「2.56」と改善。イニング別失点数を見ると8回の52失点は、5回、6回とともに最多失点となっているが、5月以降は28失点とイニング別失点では9回の19失点に次いで少ない。この数字だけでも、救援陣が安定してきたことがわかる。

▼ イニング別失点(シーズン / 5月以降)
1回:48 / 38
2回:50 / 32
3回:51 / 42
4回:43 / 35
5回:52 / 40
6回:52 / 37
7回:43 / 35
8回:52 / 28
9回:34 / 19

◆ 6回終了時点でリードしていれば負けない?

 注目すべきは、6回終了時点でリードしていた試合の成績だ。昨季は6回終了時点でリードしていた試合は44勝3敗1分だったが、今季もここまで35勝3敗5分。4月23日のソフトバンク戦で、2−1の9回に益田が、中村晃、甲斐拓也に適時打を浴び2−3で敗れて以降、6回終了時点でリードしている試合は28勝0敗4分と1度も負けていない。

 昨季もそうだったが、時期によって“勝利の方程式”が変動しながらも、勝ち星を拾っていっているのが特徴だ。今季は7回・唐川侑己、8回・ハーマン、9回・益田直也の“勝利の方程式”でスタートしたが、4月中頃から7回・ハーマン、8回・唐川、9回・益田、6月に入ってから7回・佐々木千隼、8回・唐川、9回・益田、唐川が登録抹消された後は7回・ハーマン、8回・佐々木、9回・益田、後半戦に入ってからは、7回・国吉佑樹、8回・佐々木、9回・益田という形に落ち着いている。

 開幕直後こそ不振の投手のカバーをできていなかったが、5月以降は成績不振や故障で離脱した投手に代わり、“勝利の方程式”を任された投手が機能している。前半戦は春先に勝ちパターンの投手陣が不安定のなかで、唐川が今季初登板から13試合連続無失点と奮闘し、唐川が一軍登録抹消した後は、ビハインドゲームで安定した投球を見せていた佐々木が“勝ちパターン”で抜群の存在感を放つ。

 何よりも大きいのが守護神・益田の存在だ。今季は初登板から2試合連続で失点したが、不安定だったのは春先だけで現在はリーグトップの30セーブ、防御率は1.90。5月以降に限れば、防御率は1.29の安定感だ。

 3−3の9回にマウンドにあがった6月6日のDeNA戦で、二死二塁から大和に適時二塁打を浴び、サヨナラ負けを喫したのを最後にセーブ機会、同点の場面での失敗は1度もない。

 “勝利の方程式”だけでなく、先発投手がイニング途中にマウンドを降りた後に登板することの多い東妻勇輔、ワンポイントや勝ちパターンなど様々な役割をこなす田中靖洋、6月左打者の被打率が.000(12−0)だった小野郁、ロングリリーフで試合を立て直す中村稔弥も役割を果たす。

◆ 不安点は救援陣の疲労

 不安な点があるとすれば、リリーフ陣の疲労か。昨季は3連投した投手が益田(9月3日西武戦、4日ソフトバンク戦、5日ソフトバンク戦)、澤村拓一(10月29日ソフトバンク戦、30日楽天戦、31日楽天戦)、1週間に4登板した投手が益田(9月29日〜の週、11月3日〜の週)、澤村(9月29日〜の週、11月3日〜の週)と、リリーフ陣の投球管理がされてきた。

 今季も基本的には管理されており、開幕直後の4月16日のオリックス戦では連投中だった唐川、ハーマンに代わり、3−3の8回に田中が登板し1回を無失点に抑えれば、益田が3連投中だった8月21日のソフトバンク戦は、8−5の9回に国吉が登板し移籍後初セーブをマークしたこともあった。

 後半戦に入ってからは、救援陣にムチを入れている印象がある。益田と国吉が9月3日から行われた日本ハム戦との3連戦で3連投、東妻も先週は4試合登板した。益田は8月18日の西武戦から20日のソフトバンク戦にかけて3連投し、8月24日〜の週では1週間に4登板と、1点を争う試合が多く登板数が増えているのは少し気になるところ。

 東妻も8月17日〜の週でも1週間に4登板し、開幕直後ではあるが、田中も4月20日〜の週で1週間に4登板した。田中と東妻に関しては、先発投手がイニング途中に降板したあとに登板し、10球以内で終えることが多かった。

 救援陣の負担を減らす意味でも、先発防御率4.50の先発陣の奮起に期待したい。後半戦に入ってからは、19試合戦って、QS(6回3自責点以内)を達成したのは7度。先週は9月1日の西武戦で岩下大輝が2回6失点、9月3日の日本ハム戦で小島和哉が4回1/3を5失点、9月4日の日本ハム戦で鈴木昭汰が4回0/3を投げて3失点と5回を持たなかった。

 試合中盤から後半にかけて打線の得点力が高く、早いイニングで先発を諦め、リリーフ陣が立て直し逆転、引き分けに持ち込む試合も多い。ただ、これを毎日続けるとシーズン終盤にリリーフ陣が持たなくなる可能性もある。打線が早い回に得点し、先発投手が1イニングでも長く投げる試合を増やしていきたい。

 残りは41試合。歓喜の瞬間を迎えるため、救援陣には引き続き安定した投球を披露してほしい。

▼ 3連投した投手(移動日挟む3連投は含まない)
益田直也(8月18日西武戦、19日西武戦、20日ソフトバンク戦、9月3日〜5日 日本ハム戦)
国吉佑樹(9月3日〜5日 日本ハム戦)

▼ 1週間に4登板以上した投手
益田直也(4月13日〜の週、8月24日〜の週)
田中靖洋(4月20日〜の週)
東妻勇輔(8月17日〜の週、8月31日〜の週)

文=岩下雄太

このニュースに関するつぶやき

  • 6回終了時にリードしてれば、どんなチームも概ね9割は勝つのがプロ野球。。問題はその6回リードにどのくらい持っていけるか。
    • イイネ!1
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