オリックスがロッテとの首位攻防第1戦にサヨナラ勝ち!緊急昇格の大下が終盤に大仕事

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2021年09月08日 01:30  ベースボールキング

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サヨナラ打を放ちガッツポーズのオリックス・大下誠一郎<写真=北野正樹>
◆ 緊急昇格の大下誠一郎がチームを勢いづける活躍

 オリックスがロッテとの首位攻防第1戦でサヨナラ勝を収め、首位に返り咲いた。

 2試合連続の2ケタ失点で2位に転落したオリックスは、負傷のT-岡田、吉田正尚に続き、ワクチン接種による副反応のため勝負強い打撃を発揮してきたアダム・ジョーンズを『特例2021』で登録抹消。さらに外野守備のスペシャリスト、後藤駿太も腰の強い張りで戦列を離れた。

 この非常事態の中でマウンドに上がったのが、6連勝中の左腕・宮城大弥。しかし、その宮城が立ち上がりからピリッとしなかった。初回に荻野貴司、角中勝也の1、2番にいきなり連打を許すと、中村奨吾の送りバントの後、マーティンにスライダーを右翼線に運ばれて2失点。この間、わずか10球。カウントを追い込まれるまでに好球必打で仕留めるロッテ打線の術中にはまったようだった。

 宮城は2回にも一死後、田村龍弘、荻野の連打の後、角中に四球を与えて満塁とし、中村に中犠飛を許して3失点目。その後も追加点は与えなかったものの、3、4回と先頭打者に安打を許し、4回を終えて97球という苦しい投球内容だった。結局、5回まで毎回走者を背負い、113球、8安打、6奪三振、4与四球、3失点で降板。「すべてがよくなかった。ここ最近、リリーフ陣が投げていたし、もっとちゃんとしたゲームを作りたかった」と、悔しさをにじませた。


 一方の打線は、3回に福田周平、宗佑磨の連打などで作った二死一、三塁のチャンスで美馬学の暴投により1点を返したが、7回まで毎回のように走者をだしながら、5回と7回の好機に5番・モヤ、3番・安達了一が併殺に倒れるなど、決定打を欠いた。

 そんな敗色濃厚だったチームを勢いづけ、救ったのが、ジョーンズの代替選手として緊急登録された大下だった。2点差の8回、代打で送り出されるとロッテの3番手、佐々木千隼のスライダーを左翼スタンドの最前列に運ぶ今季1号で1点差。さらに長打や敵失などもあり8回に追いつくと、9回には宗の安打を足がかりに作った一死満塁の好機で、今度は大下がセンターオーバーのサヨナラ打を放ち、チームの連敗を2で止めた。

 大下はこの日、ファームの広島戦の試合中に、ジョーンズの替わりに一軍昇格が決まり、ほっともっと神戸に着いたのは試合開始の約10分前。それでも、スタンドまで聞こえるひときわ大きい声でチームを鼓舞し続けた。

 「広島からの新幹線の車中では、正直、ヒーローになることしか考えていなかった。もらったチャンス。今日は死ぬ気でいこうと思った」と大下。ファームでは思うような結果は残せなかったが、「後半戦の優勝争いの中で活躍してやると、毎日思っていた」という。

 チームを活気づける大下に、中嶋聡監督も「元気と一緒に、勢いまで持ってきてくれた。よく追いついたし、よくひっくり返してくれた」と声を弾ませた。

 サヨナラ勝ちに結びつけたのは、中継ぎ陣の奮起も見逃せない。6回から吉田凌、海田智行、ヒギンスがそれぞれ1イニングを無失点に抑え、9回は守護神・平野佳寿が3人でピシャリ。今季のチームのスローガンの1つが「全員で勝つ」。主軸や助っ人を欠いても、ベンチに居るメンバー全員で勝つことを、チームが大きなピンチを迎えた時にやってのけた。

 中嶋監督や首脳陣が常に口にする「我々はチャレンジャー」という言葉は、間違いなくチームに根付いている。残り試合も気負うことなく挑戦し続けるだけだ。


取材・文=北野正樹(きたの・まさき)


【動画】神戸の申し子が降臨!大下の追撃弾&サヨナラ打

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  • プロ野球だと、3得点以下の場合、勝率は概ね3割弱。諦めず4点以降の失点を防ぐ事は大きな意味がある。
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