「無理なときは、サボったっていい」 ママパパたちを励ます“りゅうちぇる流”の育児論とは

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2021年09月14日 11:30  AERA dot.

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写真撮影/写真部・松永卓也
撮影/写真部・松永卓也
「おばかキャラ」としてテレビで人気を博したりゅうちぇるさん(25)。2016年にぺこさんと結婚し、18年7月には長男が生まれた。そんななか、改めて注目を集めているのが、りゅうちぇるさんの子育てへの向き合い方だ。コラムやイベントなどを通じて、子育てでの奮闘や、その考え方を発信している。「りゅうちぇるさんの育児に対する姿勢が当たり前の世の中になって欲しい」「りゅうちぇるさんのやり方でやったらうまくいった」などと、SNSではりゅうちぇる流の育児論に勇気づけられている人も多い。10月7日発売予定の書籍『こんな世の中を生きていくしかないなら』(朝日新聞出版)でも、育児に対する率直な考えを語っている。どういった思いで育児に取り組んでいるのか、その原点にあるものは何か。りゅうちぇるさんに聞いた。

【動画】りゅうちぇるさんからのメッセージはコチラ

*  *  *
――ぺこさんとはどのように育児を分担されているのでしょうか。

 母乳をあげること以外の育児はぼくにもできます。だから、ぺこりんとは特に役割分担とかは決めずに、お互いに気づいたときに、臨機応変に必要なことをしている感じですね。

 家事でもお互いに得意なことはありますよ。例えば、ぺこりんは洋服を触るのが好きなので、洗濯をしたり、たたんでくれたりします。ぼくは食器洗いをよくします。でもそれは役割分担というか、生活していく中で自然とそうなっただけですね。

――書籍では「イクメンって言葉が苦手」とありました。いいことのようにも聞こえますが、どうしてでしょうか。

「イクメンオブザイヤー」を受賞したことがあるのですが、男の人が育児をしているから褒められるのはおかしいなと思いましたね。だって、自分の子どもなんだから、育児をするのは当然のことですよね。ぼくが受賞するなら、ぺこりんも受賞したらいいのに、と思いました。

「イクメン」という言葉が、これまでの子育てのあり方を変えるため、というのはわかるんですが、「イクメン」と言われても誇らしく思えない。男の人の育児が当たり前になって、「イクメン」という言葉がなくなればいいと思います。

――育児セラピスト1級の資格を取ったということでSNSでは称賛の声があがっていました。なぜ取得しようと思ったのでしょうか?

 愛だけでは育児は難しいと感じたので。

 何歳からどう脳や身体が発達して、ということを知っているといろいろとラクになるんですよね。そうすると、子どもに対して出てくる言葉も変わってくる。

 例えば、イヤイヤ期で子どもが水をこぼす。それを「子どもは実験をしているんだ」ということがわかっていると、「何しているの!」じゃなくて、「そうだね、こうすると水がこぼれるんだね」と言える。心の負担はだいぶ軽くなると思います。

――書籍ではパパとママのコミュニケーションの重要性を強調しています。どういったお考えなのでしょうか。

 ぺこりんのほうが子どもと過ごす時間が長いので、どうしても子どもについての情報やスキルの差が出てくるんですよね。そこは夫婦でコミュニケーションをしっかりととって、その差を埋めるようにしています。

 二人きりの時間をつくって、「今日はこれを食べたよ」、「こういうことができるようになったよ」、「こうするといいらしいよ」とか情報を交換する。お互いに気づきのコミュニケーションを大切にしています。

 夫婦って慣れているからこそ、言葉が乱暴になっちゃたりしますよね。「この間、○○やったじゃん、あれさ……」ではなくて、「この間、○○やってくれたじゃん、あれさ……」とか、ちょっとした言い回しでも、気をつけてますね。親しき仲にも礼儀あり、っていう言葉は大切だと思います。

 ママからパパに「そんなこと普通わかるじゃん」、「気づけよ」というのも、言ってほしくないですね。それは「自己中」な言い方だと思っています。

――ぺこさんとは、どうコミュニケーションをとっているんですか。

 子どもが寝たあととか、仕事の合間に帰ったりして時間をつくってますね。コミュニケーションができないとケンカも増えるので。それでも難しいときは、LINEだけでもコミュニケーションをとるようにしています。

――忙しかったりすると、なかなか時間がとれないこともあると思いますが。

 それは言い訳だと思いますよ。どこかに恥ずかしさがあったりするんじゃないですか。自分から時間をとるようにするといいと思います。話す時間はそんなに長くなくても、15分くらいでいいと思いますよ。

――育児の知識はどう活用していますか。

 子育ての本もたくさん読みました。もちろん納得感はあるんですけど、「これはうちでは全然使えないな」とか、思うこともあるんですよね。

 なので、子育ては、最初から一つずつ自分で作りあげていかないといけないものがあるんだって思っています。ぺこりんやぼくの性格や、息子の成長や個性にあわせて、「これならぼくたちでも使えるかも」という知識を活用していくイメージです。

 ぼくは食育カウンセラーの資格もとったんですが、そこでは添加物についても学びました。そうすると、「ファーストフードも食べないほうがいいんじゃないか」とも思うけれど、ぼくたちはそこまで気にしていないから、マックだって食べます。

 それよりも、食は心の成長にもなる、楽しい場という考えがあって、それを大切にしています。なるべく家族3人でそろって食べるとか、そういうことを大切にしています。

――知識を身につけても、子育てで「うまくいかない」「悩む」ということはないですか。

 たとえばトイレトレーニングが終わっても、おもらしが続くことがありました。そこでぺこりんと話し合って、夜11時半くらいに一度起こしてトイレをさせてみたり。試行錯誤でやっています。

 イヤイヤ期でも「靴を履きたくない」「食べたくない」というのがあって、そのときは無理にやるのではなく、それを一回叶えてあげよう、ということもやってみました。そうすると、イヤイヤも、早くなくなったような気がしています。夫婦で考えて、ぼくたちなりの良いやり方を見つけようとしています。

――お子さんとはどのように接しているのでしょうか。

 何かを導くような主従関係ではなくて、一緒に成長する横並びの関係を大切にしています。

 先ずは経験させる、失敗させる。例えば、転びそうになっても、手を伸ばさない。転ばないと、痛いこともわからないし、立ち上がり方もわからないですよね。「痛かったねー」「そういうふうになるんだよ」って子どもの目線を意識して話していますね。経験している大人からするとつい先に口や手を出してしまいたくなりますが、それは逆によくないと思っています。

――お子さんに望むものはありますか。

 好きなことを一つでも見つけてほしいですね。ぺこりんがこの前言ってたんですが、「ニートでもいい、家でゲームばかりをしていてもいいから、好きなことを見つけてほしい。好きなものがない子には育てたくない」って。すごくいい考え方だな、と思いました。僕もそう思います。でも、見つからないなら、無理する必要もないと思います。

 それから、「こうしなさい」とか、「男の子だから」とか言わないようにしています。今は恐竜が好き。ディズニーも好きで、特にお姫様のごっこ遊びとかができるディズニープリンセスが好き。『美女と野獣』に出てくる悪役のガストンも好きなんですよ。

 何歳になっても、とりあえず自分の好きなことを追求する人になってほしいですね。そういうのが「かっこいい」という時代にもなっていますからね。

――それはご自身が育ってきた環境とも関係があるのでしょうか。

 小さい頃、お人形遊びが好きで、周りから「男らしくない」と言われて落ち込んだときも、両親は「そのままでいるほうが素敵」と言ってくれました。中学でメイクを始めたときは「メイク濃すぎじゃない?」とは言われたりしましたが、否定されたことはなかったですね。ぼくも反発するのではなく、「大丈夫、いま東京ではこういうのが流行っているから」と、自分の考えを伝えることができた。親も「りゅうはこういう子だからねぇ」、「女の子とも仲良しだからねぇ」とぼくのそのままを受け入れてくれました。

 ぼくの親は逃げ場もたくさんつくってくれましたね。

 学校に行きたくないときは、行かなくていいよ、とか。「なんで学校に行かないといけないのか」と考えてしまう子どもだったので。そんなとき、ドライブに連れて行ってくれたり、カラオケに行ったり、お好み焼きを食べたり……一緒にさぼってくれました。そうすると、不思議と「明日は学校に行ってみよう」と思えるようになってました。

――それが今の育児に生きているんですね。

 育児セラピストの講習を受けて知ったんですが、子どもに対して厳しくしすぎて愛情が子どもに届かないと、逆に自立が遅くなるということもあるそうです。ぼくは愛が溜まったから、高校を卒業してすぐ、親の元を離れて上京できた。

 愛がたっぷり溜まったから、自分に自信ができたし、夢が持てたし、行動力がついて外に出ていけた。外に愛を振りまけるし、素敵な人たちと出会えたし、仕事に活きて、良い循環ができていった。だから、自分の子どもには、愛をしっかりと伝えていきたいなと思っています。

――育児に悩んでいる人にアドバイスはありますか。

 一番楽な方を選んで良いと思っています。何をしても無理なとき、ダメなときってありますよね。そういうときは「今日は諦めようか」って言ってもいいと思います。そのときに、「明日はできるようにしようね」、とか、「次は頑張ろうね」としっかりと伝えておく。するとうまくいったりするんですよね。

 サボるってことには親のほうが抵抗感があるんですよね。でも、ちょっと怒っているとか、ぴりぴりしているとか、子どもに伝わるんですよね。そうなるくらいなら、「パパも大変だから、今日はやめようか」って言ったほうがいいかな。愛で終われるから。いつもサボっていたらさすがにダメだけど、月に1回とか、家族で話し合ってさぼればいい。

 ぼくもいつもできているわけじゃないけど、愛で終われるのが大事だと思います。

(聞き手/AERA dot.編集部・吉崎洋夫)




このニュースに関するつぶやき

  • 夫が育児をしないと愚痴る人のほぼ全員がそれを夫と話していない。うちにくる人の場合。良ちょんはええなあ何でもしてくれて言われるけど何でも言うてるし教えてるよ。
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  • この若さで色々考えて勉強して偉いよ。私は好きだよ、こういう優しい男性。
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