ひとり暮らし自宅療養 必要なものは「すべて枕元」で完結、心の支えはSNSで

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2021年09月19日 11:30  AERA dot.

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写真家族が感染すれば、自宅内でも離ればなれになる。家庭での感染対策も欠かせない(撮影/写真部・辻菜々子)
家族が感染すれば、自宅内でも離ればなれになる。家庭での感染対策も欠かせない(撮影/写真部・辻菜々子)
 自宅療養と一口に言っても、年齢や家族構成などによってその事情は異なる。20〜50代のひとり人暮らし場合を見てみよう。AERA 2021年9月20日号の記事から紹介する。


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 家族構成別の自宅療養のポイントを取り上げよう。ひとり暮らし。20〜50代、基礎疾患がないケースで考えると──。


「高熱や強い倦怠感が出ると、あまり動けなくなります。飲料水、チョコレート、ゼリー状の栄養補助食品、体温計、タオル、汗をかいた時の着替えなど、必要なものはすべて枕元に置いておき、すぐに取れるようにしておきます」(国際医療福祉大学熱海病院の〆谷直人・臨床検査科検査部長)


 熱はウイルスを撃退するための体の防御反応だ。熱が上がり切るまでは、体の中で熱を外に逃がさないように働くため、寒気がする。この時は、布団をかけて温かくする。熱が上がり切ると、今度は手足が熱くなって、汗をかき始める。布団を薄手のものにし、体を動かせるなら汗で体を冷やさないよう、ぬれた服をこまめに着替える。


 前でボタンを留めるパジャマは脱ぎ着に手間がかかる。高熱で体が思うように動かない状況ではなおさらだ。頭からスポッとかぶれるTシャツがお薦め。Tシャツや下着を手が届く場所に何枚も積み重ねておこう。体の下にバスタオルを敷いておくと、汗でぐっしょりぬれても、バスタオルを取り替えればいいので、不快感が減る。


「高熱の時は、おでこよりも、首の後ろ、両わきの下、ももの付け根などの太い血管が通っているところを冷やすと、効率よく冷えて体が楽になります」(〆谷さん)


 ひとり暮らしでは、ぬるくなったタオルの交換はしづらい。氷を入れた袋も、氷が溶ければ当然ながら水になり、それを枕元に置いておくと邪魔になる。保冷剤をタオルでくるめば使い勝手がいい。布団がぬれないよう、使い終わった保冷剤を放り込んでおける洗面器のようなものを置いておくと、なおいい。


■SNSが心の支えに


「家族や友人と、日々連絡を取り合うようにしてください」



 こう言うのは、在宅医療に特化したクリニック「あけぼの診療所」院長の下山祐人さんだ。ひとり暮らしの自宅療養では、不安感や孤独感がいやが上にも増す。心の支えになるのが、家族や友人だ。電話でなくても、LINE、Facebookやインスタグラムのメッセージ機能などを用いる手もある。急に具合が悪くなった時、保健所や、自宅療養者に対しオンライン診療や往診対応をしているクリニックへの連絡を担う“援軍”としても頼りになる。


 都内に住む会社員の男性(29)は、自宅療養中にSNSを心の支えにして乗り切った。


 8月中旬に職場で発熱し、PCR検査で陽性が判明。すぐに保健所に連絡したが、軽症とみられたのか、「10日間自宅で休んで」といわれた。マンションにひとり暮らし。備えはほとんどなかったが、実家の母親が食料を送ってくれた。


 ただ症状に波があり、熱は高い時で39度近く。頼りは薬局で買った解熱剤のみ。何より不安に感じたのは、症状が急変した時のことだ。基礎疾患はない。だが、同じような状況の人が自宅療養中に容体が悪化し、亡くなって数日後に発見されるというニュースがたびたび流れた。「明日は我が身か」と震えた。


 そんな時に支えとなったのが「#コロナ闘病中のみんなで話そう」というツイッターのハッシュタグだった。闘病中の人たちが参加し、会話が広がっていた。男性も励ましの言葉などをもらったりして、少しは不安が解消した。元患者や看護師、管理栄養士ら専門知識を持った人たちが療養生活に関する疑問にもツイートしてくれていた。


 幸い症状は次第に落ち着き、10日で自宅療養は解除となった。今、しみじみ振り返る。


「こんなに不安な思いをしたのは人生で初めて。SNSがあって、本当によかったです」


(編集部・小長光哲郎、野村昌二、ライター・羽根田真智)

※AERA 2021年9月20日号より抜粋


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