最愛の夫と死別後に出会った男性は「いつまでも2番目」と交際に戸惑う50歳女性 鴻上尚史が「亡くなったご主人」を通して伝えた本当の“幸せ”

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2021年09月21日 16:00  AERA dot.

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写真鴻上尚史さん(撮影/写真部・小山幸佑)
鴻上尚史さん(撮影/写真部・小山幸佑)
 夫と死別後に出会い、付き合っている男性は「いつまでも2番目」と戸惑う50歳女性。彼に甘えていいのかと悩む相談者に、鴻上尚史があえて訊ねた「亡くなったご主人」のこと。相談者に気づいてほしかったこととは。


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【相談118】夫と死別後、付き合うことになりましたが、彼はいつまでも2番目の人です(50歳 女性 猫ぱんだ)

 数年前、最愛の主人を病気で亡くしました。もう、わたしには勿体無いくらいの全てにおいて理想的な人で、これ以上に好きになる人はいないと断言できるような人でした。未亡人になってみると、やはり一人は寂しく、話し相手がいないことで独り言がずいぶん増えました。友達と呼べる人や、同僚、子供はいるのですが、そういう相手ではなく心がときめく人がたとえ二次元でもいれば励みになると考えるようになりました。

 そんなときに、かなり歳の離れた男性に出会い、その人からアプローチされ、付き合うことになりました。見かけも悪くはなく、性格も温和で優しく、なによりもわたしのことを大事に考えてくれる人です。私を最後に看取ってくれるそうです。だけど、わたしにとって彼はいつまでも2番目の人なんです。その人にそのことを正直に話したのですがそれでもいいと笑顔で言います。こんないい加減な私はこのままでも、彼に甘えていていいのでしょうか? 私が彼にしてあげられることはなんでしょうか?

【鴻上さんの答え】
 猫ぱんださん。亡くなったご主人は、「理想的な人で、これ以上に好きになる人はいないと断言できるような人」だったんですね。病気で亡くなられたことはとても悲しいことですが、そんな素敵な人と出会い、愛し合い、結婚生活を送れたことは、本当に素敵なことですね。

 でも、「未亡人になってみると、やはり一人は寂しく」感じるんですね。それは、人間としてとても自然なことだと思います。

 そして、「私を最後に看取ってくれる」という人が現れたんですね。でも、「彼はいつまでも2番目の人」だと感じるんですね。そして、「その人にそのことを正直に話したのですがそれでもいいと笑顔で」言うんですね。

 猫ぱんださんの気持ちはどうですか?

 心から愛したのは、もちろん亡くなったご主人ですが、2番目の人のことは、男として好きですか?

 それとも、ただ寂しさを埋めてくれる人だと感じていますか?

 と、質問しながら、僕はどちらでもかまわないと思っています。





 



 猫ぱんださんは、「こんないい加減な私はこのままでも、彼に甘えていていいのでしょうか?」と書かれていますが、全然、「いい加減」ではないですよ。だって、正直に「あなたは2番目の人」だと伝えているのですから。そして、それでもいいと相手が言ってくれているのですから。

 この場合「甘えている」という言い方は当てはまらないと僕は思います。「甘えている」というのは、相手になんらかの負担や迷惑をかけている場合です。2番目の人は、2番目であることを納得しているからこそ、「最後に看取る」と言っているんじゃないでしょうか。

 それでも気持ちが晴れないのなら、亡くなったご主人のことを考えてみませんか。

 もし、亡くなったご主人が今の猫ぱんださんの悩みを知ったら、どう答えると思いますか?

「勿体無いくらいの全てにおいて理想的な人」だったのですから、間違いなく猫ぱんださんの幸せを一番に考えるんじゃないでしょうか。

 猫ぱんださんの人生が充実したものになることを、亡くなったご主人は一番、望むんじゃないですか? 猫ぱんださんを深く愛していればいるほど、ご主人は猫ぱんださんが幸せになることを求めるでしょう。

 自分に遠慮して、2番目の人を遠ざけたり、別れたりすることは望まないんじゃないですか?

 それが「好き」という感情でも「寂しい」という感情でも、とりあえず2番目の人と一緒にいることで、猫ぱんださんの人生が充実したものになるのなら、亡くなったご主人は「そうしなさい」と勧めるはずです。ご主人は、自分が一番愛されていること、そしてそれが絶対に変わらないことを知っていますから、自信と余裕を持って、猫ぱんださんが幸せになる方法を勧めるはずです。

 ですから、猫ぱんださんは自分の気持ちに正直になればいいだけです。2番目の人と一緒にいたいと思えば一緒にいるし、いたくないと思えばやめればいいのです。

「私が彼にしてあげられることはなんでしょうか?」と書いていますが、もし猫ぱんださんが2番目の彼と一緒にいたいと感じるのなら、二人の時間を豊かに、充実させることだと思います。

 猫ぱんださんが幸せになることが、2番目の彼も幸せになることです。そして、天国から見つめるご主人もまた、猫ぱんださんの幸せを感じて幸せになるはずです。

 僕はそう信じます。

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  • ときめきが欲しい未亡人が若い男に騙されてる。遺産目当てよ。
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