「いつか必ずこの場所で勝ちたい」坂井瑠星騎手、エントシャイデンと挑んだパン賞を回顧

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2021年09月21日 17:30  netkeiba.com

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写真▲フランスのGIII、パン賞に挑んだ坂井騎手 (提供:坂井瑠星騎手)
▲フランスのGIII、パン賞に挑んだ坂井騎手 (提供:坂井瑠星騎手)
【文:坂井瑠星=コラム『挑戦者-海外長期遠征-』】

凱旋門賞に挑戦するディープボンド(栗東・大久保龍志厩舎)の僚馬として、フランスに帯同しているエントシャイデン(栗東・矢作芳人厩舎)と坂井瑠星騎手が、9/12(日)に現地G3のパン賞に出走しました。

メンバーがそろった一戦で、評価は10頭立ての10番人気ではありましたが、主戦の気持ちは至って強気。「一発やってやるぞ!」と挑んだ一戦を振り返ります。

◆あそこまでいったら勝ちたかった

 netkeibaをご覧のみなさん、こんにちは。坂井瑠星です。

 今回は、エントシャイデンと挑んだパン賞について振り返りたいと思います。

 9月12日は、凱旋門賞の前哨戦であるフォワ賞、ニエル賞、ヴェルメイユ賞をはじめ、6つの重賞が行われた特別な日であり、パリロンシャン競馬場には独特の雰囲気が漂っていました。パン賞はそのなかのひとつで、芝1400mで行われたG3です。

 前走のG1で2着と好走していたSagamiyraとTropbeauをはじめ、G3としてはかなりハイレベルなメンバー構成。10頭立ての10番人気だったエントシャイデンですが、状態はよく、「一発やってやるぞ!」という気持ちでレースに臨みました。

 当日は、滞在しているシャンティイから車で約1時間かけてパリロンシャン競馬場へ。今回、後輩の西村淳也を僕のバレットとして連れて行きました(笑)。

 競馬場に着いたあとは、いつも通りエージェントと馬場を歩いて芝のコンディションを確認しましたが、10日ほど前に歩いたときと比べると、内ラチが5mくらい内側に移動されていたこの日は、クッションも効いていて日本の芝に近い状態。馬場の内側の状態がいいので、最内をロスなく走ったほうが有利になります。今回エントシャイデンは1枠を引いていたので、「これならいいレースができそうだな」と感じていました。

 実際にフォワ賞では、終始ラチ沿いを走ったディープボンドが逃げ切っていたこともあり、その時点でレースプランはある程度固まりました。

 その後はジョッキールームで少し休んでから装鞍をし、いざパドックへ。パドックで見るエントシャイデンはテンションが上がっていましたが、日本にいるときと同じ様子だったので不安はなく、いつも通り、落ち着かせることに努めました。

 その後の返し馬と枠入りもスムーズに終え、かなり長い時間待たされたゲートのなかも何とか我慢してくれて、無事にスタートしました。

 今回は、前田会長や矢作先生からも「レースは任せるぞ!」と言っていただいていたので、ゲートを出てからの他馬の出方と隊列と馬場状態を考えて、思い切ってハナに行く選択をしました。

 終始外2番手の馬にプレッシャーをかけられる厳しい展開になりましたが、掛かることもなくフォルスストレートを超えて、約600mある最後の直線へ──。

 理想を言えば、もう少し追い出しを待ちたかったのですが、外の馬に前に出られる前にゴーサインを出しました。残り400mあたりで手応えがなくなりかけましたが、そこからもう一度踏ん張ってくれて、残り200mまでは「勝てるかもしれない!」という雰囲気もありました。

 しかし、最後の最後に脚が上がって、結果は2着馬とは僅差の5着。メンバーを考えると、よく頑張ってくれたなという気持ちはありますが、やはりあそこまでいったら勝ちたかったですし、とても悔しかったです。

 馬上から見たパリロンシャン競馬場は、キラキラと輝いて見えました。これはドバイのメイダン競馬場、イギリスのアスコット競馬場に行った際も感じたことですが、「いつか必ずこの場所で勝ちたい」、今回もそう強く思いました。

 また、今回このような素晴らしい経験をさせていただいた関係者の皆様には本当に感謝したいです。

 エントシャイデンは3週間後にもう一度出走を予定しています(凱旋門賞前日のG2ダニエルウィルデンシュタイン賞か、凱旋門賞当日のG1フォレ賞)。なんとかいい結果を出して、恩返しをしたいと思っています。

(文中敬称略)
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