久保建英への評価が、レアルに大敗&今季無得点でも下がらない理由

0

2021年09月23日 17:11  webスポルティーバ

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

webスポルティーバ

写真写真

 世界に冠たるレアル・マドリードは、久保建英(20歳)を擁するマジョルカを完膚なきまでに叩き潰した。

 6−1。レアル・マドリードは大勝したが、スコア以上の差を見せつけている。マルコ・アセンシオ、ヴィニシウス・ジュニオール、ロドリゴなど、久保と同じようなポジションの選手たちが躍動。マジョルカのディフェンスラインが主力を欠いていたこともあったが、なぶるようにパンチを浴びせ続け、サンドバック状態にした。

 久保がレアル・マドリードでプレーする夢はまた遠のいたのか?




 結論から言うと、久保の評価は落ちてはいない。序盤から右サイドで攻撃の起点となった。4分、左サイドからのFKでロングボールを受けると、ワンタッチで対峙した相手左サイドバックのミゲル・グティエレスを置き去りにした。左足でのシュートは枠を外したが、そこまでの形は才能の証明だった。

 53%。

 レアル・マドリード戦を前に、今シーズンの久保が叩き出してきた1対1の勝率である。ヴィニシウスすら50%を切る数字で、リーガ・エスパニョーラ屈指と言えるだろう。付け加えれば、ドリブル成功率も56%と際立った数字だ。

 その後も、久保はロングスローのこぼれ球を左足ボレーで狙い、ボールを運んでためを作って味方を押し上げ、戦局を優位に動かした。ディフェンスでは敵サイドバックの攻め上がりにフタ。ボールが集まってきたし、それを的確に動かし、プレーに渦を作った。

 前半24分、マジョルカは早くも2点目を奪われたが、久保は反撃の狼煙を上げている。キックオフから右でボールを運び、タイミングよく縦にボールを入れる。その落としを韓国代表イ・ガンインが持ち込んで左足シュートを決めた。

 久保はプレーに重厚感が加わっていた。仕掛ける怖さだけでなく、プレーを作るところでもボールを預けられる選手になって、攻守が安定。チームにとって、計算できる選手になった。

「失敗に終わったレンタル移籍も経験し、プレーヤーとして成熟した」(マジョルカのルイス・ガルシア監督)

 レアル・マドリード戦でバレンシアから移籍のイがゴールを決めたことは、エースになった久保にとっても朗報だろう。

 イは勝気さが裏目に出て、熱くなると我を失い、相手選手に明らかな反則行為をする幼さがある。また、プレー経験の少なさによるものか、レアル・マドリード戦でも前後半と不用意なバックパスでカウンターを浴びていた。ただ、攻撃に入った時の才能は傑出している。トップスピードでゴールに迫る卓越した技術を持ち、左足で仕留める力もある。

 久保にとっては、イを自らも輝くための飛び道具に使えるだろう。その呼吸がコンビネーションと言えるまでに高まったら、1部残留を目指すチームの切り札になるかもしれない。率直に言って、戦力的にえり好みできる余裕はない。

 前半の終盤、久保は腰を折って、苦悶の表情を見せるようになった。そして後半のピッチには立っていない。膝の違和感だったようで、やはり連戦のツケがたまったのだろうか。久保の離脱によって攻め手を欠き、戦況は厳しくなった。

 久保は東京五輪をフルで戦っている。マジョルカで再デビューした後も、帰国して代表戦に出場し、再びマジョルカへ。これだけ過密な日程を全力でこなすことには懸念があった。例えばバルサのスペイン代表MFペドリは、東京五輪を戦った後でリーグ戦を欠場しただけでなく、ワールドカップ予選も回避し、休養に努めたほどだ。

 久保は心身ともに際立って丈夫で、それこそ、彼の異能のひとつなのかもしれない。しかし、10、11月と続く日本代表戦をどうするかを含めて、最大限の力を出すためのベストな選択が望まれる。当然だが、欧州とアジアを往復する長旅だけでも消耗することになるのだ。

 もちろん今季開幕以来、久保が限界を突破するような戦闘意欲の高さを見せてきたのも事実だろう。その結果として、昇格したばかりのマジョルカはしぶとく勝ち点を積み重ねてきた。それが未だ自身は無得点にかかわらず、3年目のスペイン挑戦の評価が高い理由だ。

「Tirar del carro」(一番つらい仕事を、先頭に立って引き受ける)

 メディアでそう表現されるピッチのリーダーになりつつある。難局をも覆す。そんなリーダーシップこそ、レアル・マドリードの選手になる条件だ。

 10月の代表戦ウィークの中断までに、マジョルカは本拠地ソン・モイスで、オサスナ、レバンテと2試合を戦う。

    ニュース設定