「真木よう子が叫んだ時は字幕を」 ドラマ「ボイスII」視聴にウォッチャー助言

0

2021年09月24日 11:30  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真カトリーヌあやこ・漫画家&TVウォッチャー
カトリーヌあやこ・漫画家&TVウォッチャー
 漫画家&TVウォッチャーのカトリーヌあやこ氏が、「ボイスII 110緊急指令室」(日本テレビ系 土曜22:00〜)をウォッチした。


【「ボイスII 110緊急指令室」のイラストはこちら】
*  *  *



 サイコパス野郎はなぜ踊るのか。顔は白塗り、いきなりコンテンポラリーダンスを踊り出す「白塗り野郎」こと久遠京介(安藤政信)。警察の解剖医でありながら、不満を抱える人々の心を操り、犯罪をけしかけていく。


 白塗りでダンス。だいたい元ネタは映画「ジョーカー」、バットマンの。あとドラマ「MOZU」で長谷川博己が演じていてた「チャオ東」(立ち去る時「チャオ」って言う)。


 彼の場合は能面つけて踊り出す。ちょっと動きが「NO MORE映画泥棒」だったけど。サイコパスほどコント寄りというドラマ界の風潮。


 さらに久遠の場合、ミイラ化した母親の遺体とドライブしたり、海辺のコテージのロッキングチェアに座らせたり。サイコはサイコでも、ヒッチコックの「サイコ」!? サイコパスの宝石箱や〜。


 そんなサイコ全部盛りと対峙するのは、緊急指令室(110番)の直轄チーム・ECUの樋口彰吾(唐沢寿明)。「24 JAPAN」に出て以来、唐沢の顔を見るたびに「ピ・コ・ピ・コ」と、ジャック・バウアー音がこだまする。


 そして真木よう子演じるボイスプロファイラー・橘ひかり。とんでもない聴力の持ち主だ。足音を聴いただけで「身長180cm後半、体重65kg前後」と察知。



 マンホールに膝をつき、耳をすませば「誰かが下水路を走っている。北西方面に逃走中」までわかってしまう。


 問題は真木よう子の声質だ。滑舌も甘めだが、低音でのどにからむ発声が、どうも電波に乗りづらい。聴力で現場を突き止めた瞬間、彼女は叫ぶ。


「イドドソゴガラ、ハッゲンサレダイダイドミボドガハンベイシバスダ!」


 おわかりになっただろうか。井戸の底から、発見された遺体の身元が判明したことを。


「ソゴデコドサデダヒガイジャデヅ!」。そこで殺された被害者なのだ。リモコンの字幕ボタンをポチッとすれば大丈夫。


 ドラマのクライマックス、ビルの屋上に突然出現する久遠。両手にはめたゴム手袋をパチーンしながら踊り出す。叫ぶ橘。「シドドゥリデヅ!(白塗りです!)」


 いや今日は白塗りしてないやん。てか「今あんだって?」と、見てる者すべてを志村けん扮するおばあちゃん化させる恐るべきドラマ。ダンスとボイスでカオスである。


カトリーヌあやこ/漫画家&TVウォッチャー。「週刊ザテレビジョン」でイラストコラム「すちゃらかTV!」を連載中。著書にフィギュアスケートルポ漫画「フィギュアおばかさん」(新書館)など

※週刊朝日  2021年10月1日号


    ニュース設定