二軍が強いのは“吉兆”か…今季優勝の阪神、ロッテは「育てながら勝つ」の好例?

10

2021年09月25日 18:00  AERA dot.

  • チェックする
  • つぶやく
  • 日記を書く

AERA dot.

写真今季ウエスタンリーグで見事な投球を見せた阪神・村上頌樹 (c)朝日新聞社
今季ウエスタンリーグで見事な投球を見せた阪神・村上頌樹 (c)朝日新聞社
 プロ野球のペナントレースも大詰めを迎えているが、二軍ではイースタンリーグがロッテ、ウエスタンリーグが阪神と一足先に優勝が決まった。今シーズンは両チームとも一軍で好調をキープしているが、果たして二軍と一軍の成績はリンクしているのか。過去のデータから検証してみたいと思う。


【写真】「平成で最もカッコいいバッティングフォーム」はこの選手!
 過去10年間の二軍の両リーグの優勝チームをまとめてみたところ以下のような結果となっていた。


2011年:日本ハム(イ) 中日(ウ)
2012年:ロッテ(イ)  ソフトバンク(ウ)
2013年:ヤクルト(イ) ソフトバンク(ウ)
2014年:ロッテ(イ)  ソフトバンク(ウ)
2015年:巨人(イ)   ソフトバンク(ウ)
2016年:巨人(イ)   ソフトバンク(ウ)
2017年:巨人(イ)   広島(ウ)
2018年:巨人(イ)   阪神(ウ)
2019年:楽天(イ)   ソフトバンク(ウ)
2020年:楽天(イ)   ソフトバンク(ウ)


※(イ)がイースタン、(ウ)ウエスタン


 過去10年で7度の優勝とウエスタンで圧倒的な成績を残しているのがソフトバンクだ。今年も阪神に競り負けたものの僅差での2位となっており、その強さは健在だ。2012年からは5連覇を達成しているが、当時二軍で主力だった選手を見てみると投手では千賀滉大、二保旭、嘉弥真新也、東浜巨、岩嵜翔、野手では牧原大成、中村晃、柳田悠岐、上林誠知などが名を連ねており、その後の一軍でのブレイクに繋がっている。二軍で選手を育てながらチームが勝ち、それが一軍への底上げにも繋がっている好例と言えそうだ。


 しかしウエスタンで再び連覇を果たした2019年以降のメンバーを見ると少し様子が変わっている。投手では多くのイニングを投げている選手の中に中田賢一、スアレス、二保、武田翔太、バンデンハーク、松田遼馬といった実績のある選手が多くなっているのだ。ちなみに武田以外は既に退団している。今年はスチュワート・ジュニア、古谷優人、杉山一樹などが出てきているものの、2010年代の前半と比べると活躍している若手は減っているように見える。野手では三森大貴、リチャード、柳町達、野村大樹といったところが控えており、三軍にも選手を抱えているのは強みだが、一軍を含めて選手の入れ替えが必要な時期となってきていると言えそうだ。



 一方のイースタンを見てみると2015年から巨人が4連覇を達成している。当時のメンバーで現在一軍の主力となっているのは今村信貴、大江竜聖、岡本和真、吉川尚輝、松原聖弥がおり、ある程度二軍と一軍が連動しているように見える。しかし下位指名から這い上がった選手は大江と松原の2人だけで、その点はソフトバンクと比べると見劣りする感は否めない。今シーズンイースタンで最もイニングを投げているのはFAで加入した井納翔一というのも残念なところだ。若手では横川凱、戸田懐生、平内龍太、ウレーニャ、秋広優人、平間隼人、湯浅大といったところが主力となっているが、彼らが台頭してくるかどうかで将来のチームは大きく変わることになるだろう。


 イースタンで2019年から連覇を達成した楽天はソフトバンク、巨人と比べても更に厳しい状況と言える。この2年間に活躍した選手で一軍の戦力となっているのは滝中瞭太くらいしか見当たらず、その滝中も26歳になる年に社会人からプロ入りした選手ということを考えると二軍で育ったとは言いづらい。岸孝之、涌井秀章、牧田和久、鈴木大地、浅村栄斗など多くの実績ある選手を集めたことでチームは上位争いを演じているが、二軍から一軍への戦力輩出という意味では色々と見直す必要がありそうだ。


 ちなみに今年二軍優勝を果たした2チームを見てみるとロッテは森遼大朗、佐藤奨真、本前郁也、小沼健太と育成ドラフト出身の4人の若手投手が主力となっており、阪神も村上頌樹、西純矢、小野寺暖、小幡竜平、井上広大などの活躍が目立つ。育てながら勝つという意味では非常に価値のある優勝だったのではないだろうか。普段話題になることが少ない二軍での戦いぶりだが、チームの将来を考える上では極めて重要である。今後も2010年代のソフトバンクのような成功例を出すチームが出てくることを期待したい。(文・西尾典文)


●プロフィール
西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員


このニュースに関するつぶやき

  • 一軍でロッテと優勝争いしているオリックスの二軍は、首位阪神と32ゲーム差なのですが・・・。
    • イイネ!0
    • コメント 0件
  • ロッテは、育成選手の、森投手、佐藤投手、小沼投手、育成から支配下になった本前投手の、4投手が、イースタンリーグの優勝の中心投手だったから、来季が楽しみです�Ԥ��Ԥ��ʿ�������
    • イイネ!8
    • コメント 0件

つぶやき一覧へ(8件)

ニュース設定