7年ぶりの誘いを夫が拒否。セックスレスから夫婦は歩み寄れるのか?

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2021年09月26日 12:11  ダ・ヴィンチニュース

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ダ・ヴィンチニュース

写真「君とはもうできない」と言われまして
「君とはもうできない」と言われまして

 気になるけれど、友達や知人の間ではなかなか触れにくいセックスレスの話題。専門家によるとセックスレスとは、特別な事情がないにもかかわらずパートナー間で1ヵ月以上性的なコンタクトがないことをさすという。2020年のインターネット調査では、結婚しているカップルのうちセックスレスの割合は実に51.9%。なんと、2組に1組がセックスレスだという。

『「君とはもうできない」と言われまして』(モチ:著、三松真由美:監修/KADOKAWA)は、そんなセックスレスに陥った夫婦の葛藤を妻の目線で描くコミックエッセイ。恋人・夫婦仲相談所の所長であり、「セックスレス改善の専門家」である三松真由美氏が監修し、三松氏が実際に受けた相談をもとに描かれた1冊だ。一口にセックスレスとは言っても、ただ「してない」ということだけでなく、人の尊厳や心の安定にもかかわるただならぬ問題だということが、これを読むとよくわかる。

 主人公の伊吹律子は、子育てしながら働く35歳。夫の圭一郎とは7年にわたってセックスレスだ。子どもと寝室が別になったタイミングで夫を誘うが、「律子とはそういう気になれない」と拒まれ、深くショックを受ける。女としてだけでなく、人間として認められていないと感じた律子。家庭を優先してセーブしてきた仕事では期待されず、義母からは二人目のプレッシャーをかけられ、さんざんな日々。セックスレスのモヤモヤが、つらい気持ちに追い打ちをかける。夫と体でつながれないことが、人としての自信や存在意義を揺さぶり、心の安定も奪っていく。そんな姿に、キリキリと胸が痛くなる。

「君とはもうできない」と言われまして p.9

「君とはもうできない」と言われまして p.15

 不倫中の友人の話を聞いて律子の心は揺れるが、それでも「愛されている実感がほしい」と夫にアプローチ。お酒を飲みながらいい雰囲気を作ったり、セクシーな下着にチャレンジしたり、夫をその気にさせようとがんばるが、残念ながら毎回撃沈。ふたりの精神的、身体的距離は広がっていく。さらに、夫が勝手に脱サラの準備を進めていたと知り律子は爆発する。しかし、ある出来事をきっかけにふたりは本音を打ち明け、律子は、セックスレスのきっかけが意外なところにあったと気付く。

 親しみやすいタッチの漫画で描かれるのは、ごく普通の一般家庭。どこにでもありそうなセックスレスのモデルケースとして、親近感を持って読めるのがこのコミックの魅力だ。特別ではない夫婦の日常を通じて、セックスレスには、性的ニーズの不一致だけでなく、仕事や理想の人生など、さまざまな要因が複雑にかかわっていることがリアルに伝わってくる。ちょっとした言葉がきっかけで関係にヒビが入る経験は誰しも身に覚えがあるからこそ、この夫婦に深く共感できるのではないだろうか。

「君とはもうできない」と言われまして p.104

 人間がふたりいて初めて成り立つはずのセックスの問題なのに、「満たされたい」という独りよがりな欲求が先行してしまうという厄介さも、よく理解できる。セックスレスの問題は難しいからこそ、一点突破を狙うのではなく、ゆるやかに心のわだかまりをほぐしていくことが大切だと、ラストに少しだけ前に進んだ伊吹夫妻が教えてくれた。

「妊娠中・産後のセックス」「男性が萎える言葉とシチュエーション」「進化する女性風俗」など、セックスレスに悩む人にとって気になるトピックを三松氏が解説したコラムも必見。他人ごとではないセックスレスの根深さと解決策を伝えるとともに、夫婦のあり方に関する新しい視点を与えてくれる1冊だ。

文=川辺美希


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