今季Jリーグの「ベストヤングプレーヤー」は誰か。ハイレベルな争いをする候補者たち

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2021年09月27日 11:21  webスポルティーバ

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 今季J1も残り10節をきり、終盤戦に入った。

 優勝争いや残留争いなどとともに注目されるのは、個人タイトルの行方。なかでも、今季ハイレベルな"マッチレース"が繰り広げられそうなのが、ベストヤングプレーヤーだ。

 賞の行方を占う前に、今季対象となる選手の条件を確認しておこう。

(1)2021年12月31日において満年齢21歳以下
(2)J1リーグでの出場試合数が17試合以上
(3)過去に同賞を受賞していない

 かつては「新人賞」と呼ばれ、大卒の新人選手なども対象となっていたが、現在は対象外。21歳以下の選手に限定され、文字どおり、ヤングプレーヤー=若い選手の活躍を称える個人賞となっている。

 では、今季のベストヤングプレーヤーを受賞するのは誰か。有力なのは、"攻"と"守"でそれぞれ際立った活躍を見せている、ふたりの選手である。




 まず、"守"で心境著しいのは湘南ベルマーレのGK、谷晃生だ。

 ガンバ大阪のアカデミーで育った有望株は、トップチーム昇格を果たすも思うような出場機会を得られず、昨季、湘南へ期限付き移籍。この選択が吉と出た。

 昨季の開幕直後こそ控えに回ったものの、夏場にポジションを奪うと、今季は開幕戦から湘南の最後の砦としてフル稼働。その活躍が認められ、U−24日本代表にも選出され、そこでもたちまち正GKの座をつかんだ。

 先の東京五輪では、全6試合に先発フル出場。準々決勝ニュージーランド戦ではPK戦勝利の立役者となるなど、日本のベスト4進出に大きく貢献したことは記憶に新しい。

 東京五輪後も、失意の敗戦に終わった3位決定戦のわずか3日後に行なわれた第23節鹿島アントラーズ戦に、早くも先発出場。湘南にとって、谷がどれほど重要な存在であるかを物語る。

 現在(第30節終了時。以下同じ)まで27試合に出場し、20歳の若きGKはシュートセーブだけでなく、ハイボールの処理や足元のつなぎにも磨きをかけている。

 一方、"攻"で活躍が目立つのは鹿島アントラーズのMF、荒木遼太郎である。

 東福岡高から鹿島入りして2年目の荒木は、ルーキーだった昨季、すでに持てる才能の片鱗をうかがわせてはいたが、今季はそれが大きく開花した。

 いきなり開幕戦でゴールを奪うと、3試合連続の計4ゴールを記録。シーズン当初から好調を続ける荒木は、今や鹿島の攻撃の中心的存在となっている。その存在感は、先輩MFと比べても見劣るところがないほどだ。

 何より荒木の魅力は、数字が示すように、得点をとれるMFであること。主にサイドハーフやトップ下を務めているが、今季リーグ戦で9ゴール、ルヴァンカップも含めれば、すでに11ゴールと"大台"に乗せている。

 シュート技術に長けていることは言うまでもないが、タイミングのいい飛び出しや、巧みなポジショニングからのゴールが多いのも、優れた得点感覚を備えていることを物語る。

 得点を重ねるごとにプレーに自信が深まっているのか、風格さえ漂う落ち着き払ったプレーぶりは、プロ2年目とは思えないほどだ。シーズン序盤の出遅れが尾を引く鹿島にあって、荒木の活躍は貴重な光となっているのは間違いない。

 もちろん、受賞対象となりうる選手は他にもいる。

 谷とは湘南のチームメイトである田中聡は、傑出したボール奪取能力を備えるばかりか、パスセンスにも優れたMF。ボランチを主戦場としながらも3バックの一角もこなし、すでに28試合に出場している。

 また、サガン鳥栖の主力として活躍しながら、今夏、清水エスパルスに新天地を求めたMF松岡大起は、年齢に見合わない落ち着いたプレーが際立つ。清水でも、すぐに不可欠な戦力となっており、実戦経験では同年代トップレベルだ。

 ブラジル人アタッカーがひしめく柏レイソルでは、伸び盛りのFW細谷真大がハツラツとしたプレーを見せている。

 しかしながら、出場試合数だけでなく、そこでの内容や印象度も加味して考えると、やはり"2強"との差は大きい。

 今年21歳でプロ4年目の谷に対し、今年19歳の荒木は早生まれのプロ入り2年目。Jリーグでのキャリアは異なるが、このふたりが今季ヤングプレーヤーを争うことになるのは、まず間違いないだろう。

 では、栄えある賞を最後に手にするのは、どちらか。

 ひとりを選ぶのは難しいところだが、現時点で一歩リードしているのは、谷だろう。

 1993年のJリーグ開幕以来、新人賞時代も含めてヤングプレーヤー受賞者にGKはわずかふたり。1995年の川口能活(当時・横浜マリノス)と、2007年の菅野孝憲(当時・横浜FC)がいるだけだ。豊富な経験が求められるポジションとあって、そもそも若い選手が活躍すること自体、希少性が高く、その分インパクトは強い。

 しかも、谷は東京五輪で強い印象を残しているだけでなく、その勢いのままに日本代表にも初選出されている。本来、ベストヤングプレーヤーの選考はJ1での活躍だけを評価対象とすべきなのだろうが、どうしても印象度が高くなることは否めない。

 荒木がインパクトで上回るために必要なのは、やはりゴールだろう。リーグ戦10ゴールのクリアはもちろんのこと、残り7試合でいくつ上乗せできるか。その数次第では、大きな決め手となる可能性も十分ある。

 今季ヤングプレーヤーの本命は谷。対抗は荒木。焦点は、荒木がどこまでゴール数を伸ばし、強いインパクトを残せるか、である。

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