コロナ禍で盛り上がるバーチャルイベント 普及の鍵は「スマホ参加型」にあり

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2021年09月28日 08:11  ITmedia NEWS

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写真トラヴィス・スコットさんのFortniteイベント
トラヴィス・スコットさんのFortniteイベント

 コロナ禍で自由な旅行やイベント参加が難しい現在、ヘッドセットを装着して仮想空間内の世界に没入できるVRに注目が集まっている。100万人超の来場者を集めた“VR版コミケ”こと「バーチャルマーケット」などVRを活用したイベントの開催や来場者も増えている。



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 一方で「仮想世界を体験するには高価な機材が必要」と考える人もいるだろう。ハイスペックPCを使うなら最低でも十数万円、米Facebookのスタンドアロン型VRヘッドセット「Oculus Quest 2」は約3万7000円で、依然としてハードルは高い。



 そんな中、VRイベントとは別の「バーチャルイベント」と呼ばれる催事も増えてきた。スマートフォンやタブレット、PCのディスプレイを通して仮想空間を見たりイベントに参加したりする形式だ。



●“フジテレビ本社屋の上”を散歩 現実では不可能なことをスマホ1台で



 バーチャルイベントの人気は上昇中だ。米Epic Gamesのゲーム「Fortnite」内で2020年に開催されたラッパーのトラヴィス・スコットさんのライブイベントは、約2770万人(同時接続者数約1230万人)が参加。アリアナ・グランデさんや米津玄師さんらのFortniteイベントでも、アーティスト名がTwitterでトレンド入りするなど盛り上がりを見せた。



 国内では、フジテレビジョンが毎年夏に東京お台場で開催しているイベントを、2021年は無料のバーチャルイベント「THE ODAIBA 2021バーチャル冒険アイランド」として8月14日〜9月5日まで開催した。来場者数は延べ150万人以上といい、スマホでアクセスできる形式にしたことで、コロナ禍前のリアルイベントに匹敵する集客数になった。



 参加者はフジテレビ本社屋のチューブエスカレーターの上を歩くなど、現実世界では行けない場所まで入ってエリア内を散策できた。リアルイベントは保安面を重視したルールを基に来場者の行動を制限するが、バーチャルなら自由に動き回れる。かくれんぼや、かけっこをして遊ぶ子どもたちも見かけた(もしかしたら子ども姿のアバターで参加した大人だったかもしれない)。



●リアルで集まれないからこそ「バーチャル渋谷」でハロウィーンフェス



 VRヘッドセットとスマホ、タブレットの両方から参加できるマルチデバイス対応のバーチャルイベントにも注目したい。手軽に参加したい人はスマホを使い、より高い没入感を求める人はVRヘッドセットで参加するなど、双方のニーズを満たせる。



 ここでは、東京都渋谷区が公認し、渋谷駅前などを忠実に再現した仮想空間「バーチャル渋谷」を取り上げる。バーチャル渋谷内で20年10月にハロウィーンフェスを開催した。きゃりーぱみゅぱみゅ、BiSHなどのアーティストがライブを行い、会期中に延べ約40万人以上がアクセスしたという。



 バーチャル渋谷を拡張した「原宿エリア」には、原宿に店を構えるアパレルショップがバーチャルに出店した。ECサイトと連動しており、仮想空間内で商品を購入できる。スター発掘オーディションのライブ中継も実施。ミクシィ主催の歌唱コンテスト参加者のパフォーマンス映像を仮想空間内で見ることができた。



 21年のハロウィーンイベントでは、スマホで自分の姿を撮影し、専用アプリで自分そっくりのアバターを作成してバーチャル渋谷に参加できる。好きな姿になれるのがアバターの醍醐味(だいごみ)だが、自分そっくりのアバターに衣装アイテムを着替えさせて遊べる。アバター生成システムはITベンチャーのPocketRDが提供する。



●VR普及はまだ先、バーチャルイベント普及の鍵は「スマホ参加型」か



 思い返せば、初期のメタバース(多人数が参加できる仮想空間)として注目を集めた米Linden Lab社の「Second Life」(2003年にサービス開始)も、多くの人が集まる場所でコマ落ちせず快適に過ごすには高いスペックのPCが必要だった。デバイスのパフォーマンスによって体験の質が変わることを踏まえると、VRが普及するにはまだ時間がかかるかもしれない。



 しかし、VRヘッドセットを使わなくとも会場に参加している体験や感覚を味わえるバーチャルイベントのメリットは大きい。YouTubeライブのような映像配信型など提供されたコンテンツを見るだけのオンラインイベントとは別物だ。



 参加者は仮想空間の中で音楽ライブやシアター、展示会といったコンテンツを手軽に、世界中のどこからでも楽しめる。スマホやタブレットはVRヘッドセットと比べて普及率も高いため、イベントを企画した担当者やアーティストにとっては、多くの人が来場する可能性に期待できる。



 先ほどのフジテレビの例では、現実の建築物がデジタル上にも存在するミラーワールド(鏡像世界)故に、リアルイベントでは怒られそうな遊びでも臨場感たっぷりに楽しめる。この楽しさはVRイベントだけでなく、バーチャルイベントにもあるメリットだ。



 秋以降も、東京ゲームショウ(9月30日から10月3日まで開催)や集英社の「ジャンプフェスタ」(12月18日から19日まで開催)など、これまでリアル会場で催していたイベントがスマホで参加できるバーチャル会場を用意する予定だ。バーチャルイベントの様子が気になる読者は、ぜひ体験してみてほしい。



 このように、VRだけでなくスマートフォンからでもアクセスできるバーチャルイベントは、今後のオンラインイベントを考える上で、より重要な存在になるだろう。


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