衝撃再び! 1頭だけ次元の違う末脚で追い込んだジャスパーシャイン

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2021年09月28日 19:10  netkeiba.com

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写真▲ウポポイオータムスプリントを制したジャスパーシャイン (撮影:田中哲実)
▲ウポポイオータムスプリントを制したジャスパーシャイン (撮影:田中哲実)
【斎藤修(競馬解説者)=コラム『喜怒哀楽』】

◆層が厚い地方競馬の短距離路線で今後目指すレースは…

 9月23日に門別競馬場で行われた昨年新設のウポポイオータムスプリント。いつものとおり短距離の快足馬アザワクが逃げて直線でも単独先頭だったが、残り100mを切って後続が押し寄せたところ、その中で1頭だけ次元の違う末脚で追い込んだのがジャスパーシャイン。4コーナーでもまだ後方から2番手という位置から追い込み、並ぶまもなく差し切った。レースの上がり3Fが37秒5のところ、ジャスパーシャインの上がり35秒2という数字だけをみてもそれがわかる。

 そもそもジャスパーシャインの最初の衝撃は、1年近く前。中央では未勝利戦を勝ち上がれず、しかも8着が最高という成績でホッカイドウ競馬に移籍したのが昨年3歳の夏。C級の1200m戦で4連勝し、いきなりの格上挑戦で臨んだのが、道営記念と同じホッカイドウ競馬の開催最終日に行われる道営スプリント。

 そのときは当然のことながら、5番人気の単勝17.5倍という伏兵扱い。スタート後の向正面では13頭立てで12頭がほぼ一団となり、ジャスパーシャインだけぽつんと離れた最後方を追走していた。4コーナーでも10番手という位置から、しかし余裕の直線一気を決めて見せた。

 そのときもレースの上がり3Fが37秒1のところ、ジャスパーシャインは35秒4で差し切った。そして勝ちタイムは、その道営スプリントも、今回のウポポイオータムスプリントも、まったく同じ1分11秒7。ほとんど同じ内容のレースをしたことになる。

 とはいえジャスパーシャインが、ホッカイドウ競馬の短距離路線で圧倒的に強いかといえば、そうでもない。そういう脚質ゆえ、当然展開やペースにも左右される。今回のウポポイオータムスプリントでは、逃げるアザワクに、結果的に最下位に沈んだ人気薄のドウカンヤマがからんでいって厳しいペースになったことが、ジャスパーシャインに少なからず味方することになった。

 いま、地方競馬は短距離路線の層が厚い。たとえばJBCスプリントでは、一昨年ブルドッグボス、昨年サブノジュニアと、2年連続で地方馬が勝っていることが象徴的だ。今年はJBCの舞台が金沢競馬場で、スプリントはコーナー4つの1400m戦のため、そこを目指して有力馬が揃ったオーバルスプリント(9月23日・浦和)では、勝ったのは中央のテイエムサウスダンだったが、2〜6着は地元南関東勢が占めた。

 ウポポイオータムスプリントはJBCの指定競走(勝ち馬に優先出走権はないものの、出走選定の際には同地区の中では優先順が高くなる)になっているが、ジャスパーシャインが目指すのは、JBCスプリントではなく、連覇のかかる道営スプリントだ。

 近年、地方競馬では全国で連携したシリーズ競走がたくさんあり、それはそれで盛り上がるのだが、各地区ごとの開催日程の都合もあり、それがすべてうまく機能するかといえば難しい。

 冬期休催のあるホッカイドウ競馬は、シーズンの最終開催がJBCの時期とほとんど一緒。それゆえホッカイドウ競馬の所属馬にとっては、勝てる可能性が少ないJBCよりも、短距離なら道営スプリント、中長距離なら道営記念という、地元では最高の栄誉とされるタイトルを狙うというのは自然なこと。

 ただ門別競馬場では、昨年からJBC2歳優駿が行われるようになり、従来からのJBC3競走と同日開催となっている。昨年はJBC開催が11月3日で、その2日後の11月5日がホッカイドウ競馬の開催最終日で、道営スプリントと道営記念が行われた。今年もJBC開催は11月3日だが、曜日の並びからホッカイドウ競馬の最終日は翌4日となっている。

 来年以降のことになるが、いっそのことホッカイドウ競馬ではJBC開催日を開催最終日として、JBC2歳優駿と、昨年も同日に行われた2歳牝馬のブロッサムカップ、さらに道営スプリント、道営記念と、1日4重賞の設定で、今以上にお祭り的に盛り上げてはどうだろう。

 (文=斎藤修)
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