田原総一朗「脱原発には反対でも『河野総裁』じゃないと困る議員ら」

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2021年09月29日 07:00  AERA dot.

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写真田原総一朗・ジャーナリスト (c)朝日新聞社
田原総一朗・ジャーナリスト (c)朝日新聞社
 自民党総裁選はどうなるのか。ジャーナリストの田原総一朗氏が「従来の総裁選とは大きく違っている」と話す理由とは?


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 このところの新聞やテレビの報道を見ていると、菅義偉首相の方策が大成果を上げているな、と判断せざるを得ない。


 菅首相が辞意を表明し、岸田文雄、高市早苗、河野太郎、野田聖子の各氏が総裁選に出馬する決意を示すと、新聞、テレビなどのマスメディアが連日、総裁選という自民党の大宣伝を展開することになった。理由の一つは、今回の総裁選は従来の総裁選とは大きく違っているからだ。


 これまでの総裁選は、大派閥の領袖(りょうしゅう)の意向で総裁が決められていた。中曽根康弘、竹下登、宮沢喜一、橋本龍太郎、小渕恵三、そして安倍晋三、菅義偉と、いずれもこのパターンである。だが、今回の総裁選は、大派閥の領袖の意向が通用しない。だから興味深いのである。


 そもそも、菅首相が辞任することになったのは、自民党の多くの国会議員たちが、この先の衆院選挙で、菅首相の下では落選するかもしれない、と強い危機感を抱いたからだ。全国のどの選挙区でも、菅首相の評判が大変悪いからである。だから、自分たちが当選するには、何としても菅首相に辞めてもらわなければならない、と強く求めた。


 8月の中旬ごろまでは、安倍前首相も麻生副総理も、菅首相の続投でいくつもりでいたのである。しかし、それぞれの派閥の国会議員たちが、菅首相の辞任を強く求め、安倍、麻生両氏も考えを変えざるを得なかったのである。


 菅首相は、なんとかして支持率を上げるために、党と内閣の新型コロナウイルスへの対応を積極化しようと考え、党と内閣の人事に手をつけることにした。そして、そのことを二階幹事長に相談すると、二階氏は賛成し、まず自分を幹事長から外すように指示した。


 そこで菅首相は、二階氏の指示に従い、小泉進次郎氏に幹事長になることを強く求めたのだが、小泉氏は断り続けた。他にも閣僚に就任するよう求めた人物たちに断られ、菅首相は辞任の意を固めざるを得なくなったのである。




 自民党の国会議員たちは、国民の多くが期待している人物が総裁になることを求めている。そうでないと、自分たちの衆院選での当選が望めないからである。


 実は、途中までは、石破茂氏が総裁選に出馬の意欲を強く示していた。そして私は石破氏に、2度電話をした。彼を激励するためにである。1度目の電話で石破氏に、国民の多くは、あなたが総裁になることを望んでいるはずだ、と強調した。


 石破氏は2018年の総裁選で、安倍首相の政策を厳しく批判して立候補した。小選挙区制になったこともあり、安倍政権下では、自民党のほとんどの国会議員が、安倍首相のイエスマンになってしまい、安倍首相を公然と批判したのは石破氏だけであった。だから、石破氏の出馬に期待したのである。


 だが、2度目の電話で石破氏は、当選の自信がないので出馬しない、として河野太郎氏を当選させるために支援する、と語った。


 河野氏は、脱原発を唱えていて、党内には反対の国会議員も多いはずなのだが、その彼らは、国民の期待に沿う総裁でないと、自分たちは落選すると強く感じているのである。さて、総裁選はどうなるのか。


田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数

※週刊朝日  2021年10月8日号


このニュースに関するつぶやき

  • 脱原発の方針はいくらでもねじ伏せられると言うのも事実。特に経済界からプレッシャーを与え続けて援護して貰えば、党としては原発推進に動かざるを得ない。おまけに再エネは潰しやすい。 https://mixi.at/aeZuMr5
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