連合・神津里季生会長「野党共闘と共産党、原発…すべて話す」

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2021年09月29日 08:00  AERA dot.

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写真神津里季生(こうづ・りきお)/1956年生まれ。新日鉄(現日本製鉄)労連会長や連合の事務局長を経て、2015年から現職。日本最大の労働組合の中央組織・連合の組合員数は、4月時点で約704万人 (撮影/工藤隆太朗)
神津里季生(こうづ・りきお)/1956年生まれ。新日鉄(現日本製鉄)労連会長や連合の事務局長を経て、2015年から現職。日本最大の労働組合の中央組織・連合の組合員数は、4月時点で約704万人 (撮影/工藤隆太朗)
 連合(日本労働組合総連合会)は立憲民主党と国民民主党の最大の支持勢力であり、次期衆院選で野党浮沈のカギを握る。神津里季生会長に野党共闘のあり方、共産党との確執、原発の是非を聞いた。


【立憲民主党が打ち出した「政権発足後、初閣議で直ちに決定する事項」はこちら】
*  *  *


──自民党の総裁選をどう見ましたか。


「新型コロナ禍の影響で、いわゆる非正規雇用で働く人々の生活が追い詰められています。4人の候補者は働き手への支援策を打ち出しましたが、連合が訴えてきた内容とほとんど同じです。中でも、河野太郎氏は『第2のセーフティーネット』として職業訓練の強化が必要だと語りましたが、これは私が近年言い続けてきたことそのものです。


 いま必要なのは、北欧型の『雇用と生活保障のセーフティーネット』の確立です。スウェーデンなど北欧では、働く人々を路頭に迷わすようなことはしません。失業しても再就職のための職業訓練が充実しているのです。本来ならば立憲民主党や国民民主党に、有権者に対して力強く発信してもらいたいメッセージでしたが、自民党に取られてしまった印象です」


──野党は出遅れた?


「昨年9月、旧立憲と旧国民が合流して大きな塊ができた。それはいいのですが、玉木(雄一郎)さんたちが合流しなかったのは残念でした。結局、二つの党が残った。連合は今年7月15日に両党とそれぞれ政策協定を結びましたが、党名も代表も変わっていないから有権者に清新さが伝わりにくいのです。もっと政策面での一致点など、協力関係をアピールしてほしい」


──玉木さんたちが合流しなかった理由は?


「合流しなかった人たちは『綱領が問題だ』ということを、よく言っていました。綱領が納得できないのなら粘り強く協議を続けるべきでしたが、期限を決めて打ち切ってしまった。われわれからすると、まさに画竜点睛を欠くという感じでした」


──ネックは原発ですか。


「原子力発電所について『原発ゼロ』という表現が問題になったようです。私は枝野(幸男)さんに『そこで働いている人たちに思いを寄せてほしい』と伝えると、その点は理解してくれました。原発ゼロという言葉は、旧国民の政策にも入っているのですが、確かに綱領にまでうたうのはいかがなものか、というのはそのとおりだと思います」




──連合も福島原発事故以降は、脱原発では?


「私たちは脱原発という言い方はしません。再生可能エネルギーの積極推進などによって、原子力エネルギー依存からの脱却を目指すということ」


──言葉の問題ですか? 傘下の電力総連や電機連合のスタンスは?


「言葉は大切です。原発というと脱原発、原発ゼロという言葉とつながってしまい、すごくマイナスイメージになります。連合全体として、福島の事故以降、議論に議論を重ねて原子力エネルギーからの脱却ということを決めたのです。ですが、安全性が確認され、地元の合意も得られている原子力発電の再稼働はあってしかるべきだというのがわれわれの考えです」


──9月8日に野党4党は「市民連合」と政策協定を結びましたが、国民は参加しなかった。


「山口二郎先生(法政大学教授)が市民連合の政策提言で、エネルギー問題でも立憲・国民両党が乗れるように考慮してくれていると思うのですが……。われわれから見たら両党は大半の政策で一致しているにもかかわらず、お互いどうしても違いを浮き立たせようとしてしまいます」


──2017年衆院選前の「希望の党騒動」も影響していますか?


「いまだに尾を引いています。小池(百合子)さんが排除の論理を持ち出したために、希望と旧立憲に分裂しました。希望の綱領には『寛容な改革保守政党を目指す』と書かれていましたが、ウソもいいところです。その後の政策協定書では、安保法制と憲法改正を支持し、選挙にあたり党が指示する金額を提供することなどと、ギラギラしたことが書かれていました」


──あの政変劇から、自公政権は嫌でも野党にも任せられないというイメージが強まりました。


「それは日本の有権者にとって不幸なことです。コロナ対策で自公政権が失敗をくり返したうえ、国会すら開かないというひどい状況なのに、有権者にはもう一つの選択肢がないのですから」


■共産と政権担う 絶対あり得ない


──立憲と共産が選挙で共闘することについて、どう考えていますか。


「いまの自公政権の1強政治が長く続いた弊害は歴然としています。自公に漁夫の利を与えないためには、政党間でいろいろと工夫があってもおかしくはない。政治の世界でさまざまな協力があることは否定しません。ただし、いま共産党は『野党連合政権』を提唱しています。連合は歴史的な経過もあって共産党とは相いれない関係です。そもそも立憲・国民が共産と政権を共にすることなど絶対にあり得ません」




──共産党との確執、対立の経緯は?


「長い歴史がありますが、1989年の連合結成のときも連合を『反動勢力』などと決めつけ、長年にわたって私たちの仲間にさまざまな攻撃を加えてきました。皇室や日米同盟など国家観でも根本的な違いがあります。よく共産党はかつての姿とは変わったという人もいますが、民主集中制という考え方はいまも変わっていません。


 欧州では共産党が本当の意味で変わり、労働組合が応援する政党と連立政権を組んでいます。イタリアのオリーブの木がよく取り上げられますが、党名や綱領なども含め、本当の意味で変わらないと難しいと思います」


──なかなか恩讐の彼方に、とはならない?


「それは共産党が変わってくれないと」


──野党統一候補が勝った4月の参院長野補選では、立憲と共産の県組織が政策協定を直接結んだことが連合で問題視され、枝野代表が陳謝しました。


「選挙カーの上でダイレクトに手を握られてしまうと、地方連合会の運動員の方たちの腰が引けてしまい、選挙応援の士気にも影響してくるのです。お互い目的と立場をわきまえて済々と進めていけばいいことです」


──政権交代のために、連合にできることは?


「旧民主党政権が掲げた理念・政策は重要なものばかりでした。でも、いまのようにバラバラになってしまうと、どんなにいい政策を提言しても、有権者の信頼を得られない。立憲と国民が力を合わせることができるよう、われわれも応援し続けたいと思います」


(本誌・亀井洋志)

※週刊朝日  2021年10月8日号


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  • 地方で公然と #自民党 を支援してる時点で、#連合 はゴミクズ。
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