デンマーク北部オールボーにある近代美術館「Kunsten Museum of Modern Art Aalborg」は、「権力と不平等」をテーマにしてアーティスト活動を行うイェンス・ハーニングさん(Jens Haaning、56)に次回の展覧会に向けて作品の制作を依頼した。
依頼内容は、過去に紙幣を使って平均所得を表現した作品を新たに2つ制作するというものだった。イェンスさんは2007年、デンマークの通貨であるクローネ紙幣を額縁に入れて固定し「デンマークの平均的な年収(An Average Danish Annual Income)」という作品を発表していた。また2011年には、ユーロ紙幣を使用してオーストリアの収入をテーマにした作品を制作している。
同じテーマでも、時代が変われば作品の姿も違う形になってくるはずだ。イェンスさんから届いた完成品を美術館スタッフは期待を胸に開封した。ところが箱の中には作品を入れるためのフレームが2つ入っており、作品と思われるものは何も入っていなかった。そして空のフレームには、「お金を取って逃げる(Take the Money and Run)」とタイトルが付いていた。
画像は『NPR 2021年9月29日付「For $84,000, An Artist Returned Two Blank Canvasses Titled ‘Take The Money And Run’」(Niels Fabæk/Kunsten Museum of Modern Art)』のスクリーンショット (TechinsightJapan編集部 iruy)