小さなガラス片のようなダイヤモンド(画像は『The Mirror 2021年10月6日付「Tourist finds tiny diamond that’s worth £22k - and is allowed to keep it」』のスクリーンショット) アメリカ在住のある女性が州立公園で発見した小さな粒。一見するとガラスが丸く削れたものかと思ってしまうが、4.38カラットのダイヤモンドであることが判明した。これは旅行中に州立公園を訪れていた女性が見つけたもので、たった1時間ほど探して発見したという。330万円相当の価値を持つというこのダイヤモンドに、女性は「まさか本当に見つかるなんて」と驚いている。『Fox News』などが伝えた。
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今回ダイヤモンドを発見したのは、米カリフォルニア州グラニット・ベイに暮らすノリーン・レッドバーグさん(Noreen Wredberg)だ。先月23日、夫のマイケル・レッドバーグさん(Michael Wredberg)と共にアーカンソー州パイク郡にある「ダイヤモンド・クレーター州立公園(Crater of Diamonds State Park)」を訪れていた際の出来事だという。
2011年に退職して以来、国内にある数々の州立公園を訪れているというノリーンさん夫妻。アーカンソー州の「ホットスプリングス国立公園(Hot Springs National Park)」を訪れていたノリーンさんは、数年前にテレビで紹介されていたのを見て行きたいと思っていたダイヤモンド・クレーター州立公園がすぐ近くにあると知り、足を運んだ。
アーカンソー州では米国内で唯一タイヤモンド探しが一般向けに許可されており、ダイヤモンド探しを目当てに同州を訪れる人も多い。
公園・遺産・観光局(Department of Parks, Heritage and Tourism)の長官を務めるステイシー・ハーストさん(Stacy Hurst)は「ダイヤモンドが見つからなかったとしてもユニークな体験となり、一生の思い出に残りますよ。もちろんダイヤモンドを見つけた場合には、もっと素敵な経験になります」と観光業の目玉であると話す。
同公園には火山の噴火口が浸食された場所があり、そこで年に50個ほどの宝石が見つかるが、そのほとんどが石英やガーネットなど半貴石と呼ばれる価値の低いものだという。
希少な宝石が見つかる確率は低いが、ノリーンさんたちは捜索費用として10ドル(約1100円)を支払い、期待を胸にダイヤモンド探しを始めた。最初はエリアの入り口付近で探していたが、その日は晴れていたが気温は低かったのでマイケルさんが「日の当たる暖かい場所で探そう」と提案したことで場所を変えたという。
このマイケルさんの提案が功を成した。移動してから約40分後、ノリーンさんは地面の上に落ちていたキレイな小粒を発見した。「キレイに光っていたので拾ってみたんです」と話すノリーンさんは、当時はそれがダイヤモンドとは気がつかなかったそうだ。
その後、同公園の「ダイヤモンド・ディスカバリー・センター(Diamond Discovery Center)」に持ち込んで鑑定してもらった。園長のカレブ・ハウエルさん(Caleb Howell)は「4カラット以上あって、ジェリービーンズくらいの大きさでした。洋ナシ型で、レモネード・イエローのこのダイヤモンドを顕微鏡で見たとき『なんて美しい形と色なんだ!』と思いましたよ」と驚いており、すぐにノリーンさんたちに鑑定結果を知らせた。
結果を聞いたノリーンさんは「本当にダイヤモンドが見つかるなんて思っていませんでしたよ。それもあんなに大きなものをね」と話し、とても興奮したという。
同公園でガイドを務めるウェイモン・コックスさん(Waymon Cox)によると、公園内で見つかるダイヤモンドのほとんどは地面に埋まっているのではなく表面で見つかるそうだ。
「私たちは定期的に捜索エリアを耕すことで土をほぐし、自然な浸食を促しています。ダイヤモンドは大きさのわりに重く、静電気を帯びていないので汚れが付着しないのです。雨が降ると大きめのダイヤモンドが露出し、そこに太陽が出てくると反射して見つけやすくなります。」
ノリーンさんたちがダイヤモンドを探しに来た2日前に雨が降っていたといい、捜索時には太陽も出ていた。幸運にも好条件が重なったことで、ダイヤモンドを発見できたようだ。
詳しい鑑定の結果、ダイヤモンドは4.38カラットと判明し、この1年間で発見されたダイヤモンドの中で最大のものとなった。
宝石店「Purely Diamonds」で働くデイヴィッド・アレンさん(David Allen)は、以下のようにコメントしている。
「この大きさのダイヤモンドを研磨すると、3.00〜3.50カラットになります。色の強さにもよりますが、2〜3万ドル(約220〜330万円)で販売されます。黄色が鮮やかで濃いほど、その価値は高くなります。」
「イエローダイヤモンドは他の色よりも一般的ですが、ホワイトダイヤモンド(透明なダイヤモンドとは別のもの)よりも希少で人気があります。これは素晴らしい発見で、ノリーンさんは本当にラッキーだと思いますね。」
なお同公園で発見された鉱物は発見者の所有物として認められるといい、ノリーンさんは貴重なイエローダイヤモンドを自分のものにすることができたそうだ。
画像は『The Mirror 2021年10月6日付「Tourist finds tiny diamond that’s worth £22k - and is allowed to keep it」(Image: Arkansas State Parks)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 iruy)