清野菜名「全部お見通しなんだなぁ」 倉本聰に言われた言葉にドキドキしている理由

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2021年10月16日 06:01  リアルサウンド

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写真清野菜名、倉本聰は「全部お見通し」
清野菜名、倉本聰は「全部お見通し」

 女優の清野菜名が、27歳の誕生日である10月14日に、1st写真集『セイノート』を発売した。舞台は、沖縄と故郷の愛知県稲沢市。マリンスポーツを楽しむ姿や、公園で無邪気に遊ぶ姿など、彼女らしい仕草とともに溢れ出る笑顔を、写真家・尾身沙紀がナチュラルに撮り下ろしている。


(参考:【画像】清野菜名の写真集を見る


 また、本作の後半には、清野菜名が出演したテレビドラマ「やすらぎ」シリーズ(2017年放送『やすらぎの郷』、2019年放送『やすらぎの刻〜道』/テレビ朝日)で脚本家を務めた倉本聰との対談も収録されている。


 26歳の瞬間を捉えた写真と言葉。そのわずか1年の記録から見る、過去と未来に続く一本の筋。完成したばかりの本作に対して、清野菜名は今、何を感じているのだろうか。撮影時の思い出を振り返りながら、彼女が思う過去と未来について話を聞いた。(とり)


■「おかえり」と言ってくれる故郷・稲沢


――写真集を出すことは、清野さんの夢のひとつだったとか。


清野:そうなんです。初めて写真集を意識したのは、ハワイに語学留学をした23歳の頃。ふと”もうすぐ24歳を迎える自分”に違和感を覚えたんです。歳を重ねるのが嫌だったわけでもないですし、何でそう思ったのかは自分でも分かりません。ただ、24歳という年齢がどうもしっくりこなくて……。今思うと、留学中はひとりになる時間も多かったし、いろいろ考え事をしていたせいかもしれません。


 じゃあ、どうすれば”もうすぐ24歳を迎える自分”を受け入れることができるだろうか。そう考えたときに、漠然と「写真集だ」って思ったんですよね。何か特別な作品を作ることができれば、きっと24歳もハッピーな年になるはずだって。 


――では本作は、4年越しに叶った夢だったんですね。


清野:はい。なかなかタイミングが合わず、形になるまで時間がかかってしまいましたが、あの頃には出会えていなかったスタッフさんの力をたくさんお借りしましたし、23歳の私に本作ほどの写真集は作れなかったと思います。結果的には、このタイミングで良かったのかもしれない。点数的には100点満点です!


――23〜24歳の頃と今とでは、状況も違いますしね。お仕事の幅もそうですし、何より今年はコロナ禍で行動が制限される一年でもありました。


清野:そうですね。26歳はとにかく仕事に追われる日々でした。ありがたいことですし、充実はしていたんですけど、自分発信で好きなことをする時間がほとんどなかったのは心残りだったんですよね。だから、こうして写真集を作れたことは、ひとつの救いにもなりました。自分らしさが詰まった作品を形にすることができたので、気持ち良く27歳を迎えられそうです。


――タイトル「セイノート」も清野さんらしさが滲み出ていますよね。


清野:特に深い意味はないんです(笑)。インスタグラムで、よく”おつかれ”と”カレーライス”をくっつけた”おつかれーらいす”という言葉を使っていて。そういう言葉遊びが好きなんですよ。その延長で、何となく”セイノ(清野)”と”ノート”をくっつけてみただけです。


――それに、特装版の特典が”実寸大の耳のシリコン型”と。なかなか斬新なアイデアで驚きました(笑)。


清野:今までにない特典ですよね。私のいちばんのファンでいてくれているマネージャーさんが「ファンとしては、清野のパーツをもらえたら嬉しいよね」って言ったことから「耳がいいんじゃないかな!?」って話になって。いちばんのファンからのリクエストだし、きっとみなさんもほしいと言ってくださるだろうと、実寸大の私の耳をシリコン型にしてお届けすることになりました(笑)。


 この型を使ってみなさんが何を作るのか、今から楽しみです(笑)。インスタグラムに投稿してもらえれば私も拝見できますので、ぜひみなさん、写真や動画をあげてください!


――ちなみに、本作のなかでお気に入りのカットはどれですか?


清野:うーん、改めて見返すと全部お気に入りです(笑)。あ、でも、夜のハンバーガーショップの駐車場で撮ったカットは、ロケーションも綺麗だし、衣装も素敵で気に入っています。何というか、このカットを見たとき、自分も知らなかった新しい自分を発見できた気がしたんですよ。うまく言えないですけど、新鮮かつ自分らしくもあるような、不思議な感じ……。


――ファッションが個性的ですよね。上はブルーのジャケット、下は迷彩柄の透けたスカートにオレンジ色のパンツを合わせていて。清野さんのインスタグラムを見ていると、普段から色味の強い洋服を好んで着られているイメージがありますし、この衣装も清野さんらしいと思いました。


清野:確かに、衣装の影響は大きいかもしれませんね。自分にあったファッションを身につけたときは、内側からテンションが上がって、ついはしゃいでしまいますから(笑)。逆に、あまり着慣れていない衣装だと「ポージングしなきゃ」って変に緊張しちゃう……。


 本作で着ている衣装は、どれもスタッフさんたちと一緒に「こっちの方が清野っぽいよね〜」なんて言いあいながら選んだものなんです。そういう意味では、やっぱりどのカットも自分らしさが出ている気がしますね。


――個人的には、稲沢へ向かう新幹線のなかで見せている笑顔が印象的でした。


清野:ありがとうございます。故郷としての思いだけでなく、私は単純に愛知県稲沢市という場所が大好きなんです。ジャージで出歩かないと浮いちゃうくらい、何もないド田舎だけど、帰るたびに「おかえり」って言われているような気がするんですよね。この稲沢特有のあたたかい空気感は特別です。そんな景色を写真集に収められることが、すごく嬉しかったんですよね。普段の撮影で稲沢に行くことなんて、なかなかないですから。だから、あんな笑顔になったんだと思います。


――何となく、沖縄で見せている笑顔とは種類が違いますよね。稲沢での笑顔は、より純朴で、柔らかさがある気がします。


清野:子どもの頃に遊んでいた公園に行ったり、通りすがった中学生を見て「自分もこんな風に登校していたなぁ」と懐かしんだり。今こうして話しているだけでも、思わず涙が出そうになるくらい、感慨深い撮影でしたからね。どこを歩いても思い出が蘇るんですよ。そんな空間で自由に動いて笑っている姿を、カメラマンの尾身さんが自然と切り取ってくださったので、稲沢のシーンでは、これ以上ないくらい等身大の自分が写っていますね。


――特別写真に映えるような場所ではなく、清野さんが過ごされたであろう何でもない場所で撮られているところがいいですよね。ご家族にはもうお見せしましたか?


清野:まだです。お母さんに稲沢で撮影することを伝えたら「こんな田舎で撮れるの?大丈夫なの?」ってビックリしていました(笑)。「素敵に撮ってもらえたよ」って、早く完成した写真集を見せてあげたいですね。


■女優としての未来に繋がる写真集


――後半の対談では、北海道の富良野にある倉本聰さんのアトリエまで足を運ばれていましたが、対面でお会いするのは久々だったのでは?


清野:直接お話しさせていただくのは、約2年ぶりでした。たまに電話で近況報告をすることはありますが、今回、元気そうな姿が見られて安心しました。


――清野さんにとって倉本さんは、仕事観を変えてくれたかけがえのない存在なんですよね。


清野:はい。「やすらぎ」シリーズを機にお芝居の楽しさを教えてくださったり、いろんな面で支えてくださったり、恩師と呼ぶには十分すぎるくらい、いつも私のことを気にかけてくださっている方なんです。


 本作での対談後、また改めて倉本さんからお電話をいただいたんですよ。「ああいう場だったから言い出しにくかっただろうけど、本当に大丈夫か?」と。お会いしたときの私の感じから、何か察することがあったみたいで。あぁ、倉本さんには全部お見通しなんだなぁと、改めて感謝の気持ちでいっぱいになりましたね。大切な写真集のなかで、倉本さんとの対談が実現するなんて……。本当に幸せな瞬間でした。


――アトリエで”履歴書”を見させてもらっていたじゃないですか。倉本さんが脚本を書くときに使う巻物で、登場人物の生年月日に尺をあわせて、何歳の頃に何が起こったか、どんな音楽が流行っていたかなどが、ひと目で判断できるという。


清野:初めて倉本さんにお会いしたとき、その”履歴書”の存在について聞いてはいましたが、実際に見させていただいて、より凄さを実感しました。倉本さんの脚本のなかではこんな風に役が生きているんだと思うと、自然と身が引き締まりましたね。


――それは、脚本に書かれていない時代も含めて、役の人生は存在している、ということでしょうか?


清野:そうですね。倉本さんが仰っていたのは、例えば、朝出勤したOLさんがオフィスでお茶を配るシーンがあるとするじゃないですか。脚本に書かれているのはそれだけだったとしても、もしかしたら誰かと喧嘩したまま出勤して、笑顔を作りながらも内心イライラした状態でお茶を配っているかもしれないし、逆に嬉しいことがあって、ルンルン気分でお茶を配っているかもしれない。脚本には、そんな裏側のことまで書かれていないけど、裏側まで考えられるかどうかで役の人間味にも変化が出てくるわけで。そこは、私たち演者が自由に楽しめる部分でもあるんですよね。お芝居の楽しさはココにあるのか、と衝撃を受けました。いろんな役作りの方法があると思うけど、倉本さんが教えてくれたこのアプローチ方法は、自分のなかでも凄く腑に落ちましたね。


――なるほど。”履歴書”はその考え方を具現化したものでもあるんですね。素人目から見ても興味深いお話ばかりで、とても読み応えのある対談でした。


清野:倉本さんとお話ししていると、学びたくなることがたくさんあるんですよね。何時間でも、ずーっと話を聞いていられる気がします(笑)。


――「30歳を過ぎてから女優は変わる」といったお話もありました。


清野:若いうちは自分だけの力じゃなく、親からもらった容姿や体、若さそのものも含めて魅力となっているけど、30歳以降は演技力や表現力など、自分が培ってきた力をメインに頑張っていかなきゃならない。だから、本当の勝負はここからだよって。そう言われて、ドキドキしました。今は、30歳が近づきつつある緊張感と楽しみな気持ちが同時に混在している感じです。


――本作は、26歳の清野さんの等身大を写した写真集ではありますが、故郷・稲沢で思い出に浸る瞬間が収められていたり、倉本さんとの対談からこの先の未来を感じたりと、いろんな時間と繋がっている作品でもありますね。


清野:そうですね。2年後、3年後、もしくは10年後に本作を見返したとき、26歳の自分がどう写るのか気になります。尾身さんに撮っていただいた写真を見て「今、この頃と同じマインドで笑えているだろうか?」と、倉本さんとの対談を読んで「そういえば、こんな話をしたなぁ」と。きっと、今とは違った感じ方をするはずですからね。今後、もし何か大きな壁にぶつかって悩むことがあったとしても、本作を見返せば、今の26歳の感覚に戻ることができる。そう思うと、私にとっては思い出のアルバムのような一冊でもありますね。


――先ほどタイトル「セイノート」に深い意味はないと話されていましたが、いろいろお話を聞かせていただくなかで、26歳の清野さんにしかない素直な表情や感性を記録した”清野さんの特別なノート”と解釈できるような気もしてきました。


清野:そう感じていただけて嬉しいです。タイトルの意味は、後付けでそういうことにしておこうかな(笑)。


――ぜひ(笑)。では最後に、清野さんが思い描く未来について聞かせてもらえますか?


清野:女優として目指している場所は、昔から変わらず、ハリウッドのアクション映画に出演することです。勉強して、少しずつ英語が喋れるようになってきたので、ゆくゆくは海外のオーディションに挑戦して、ハリウッドで活躍している俳優さんたちと一緒に映画を作っていきたいですね。それから、私は『バイオハザード』のミラ・ジョヴォヴィッチに憧れてアクションをはじめたので、いつかミラ・ジョヴォヴィッチとも共演してみたい!これが、私の思い描く未来です。


■衣裳クレジット
ベスト:77 circa/ワンピース:Ray BEAMS/ブーツ:REMME/ネックレス:Ray BEAMS/右手リング:Alta Ora/左手リング:Ray BEAMS


(取材・文=とり/写真=ノルベルト・ルーベン)


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