King & Prince『恋降る月夜に君想ふ』、圧倒的な差で首位に 王道J-POP曲から感じるファンへ寄り添う姿勢

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2021年10月16日 10:01  リアルサウンド

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King & Prince

参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2021-10-18/


 最新のオリコン週間シングルチャートによれば、King & Princeの『恋降る月夜に君想ふ』が441,973枚を売り上げ1位を記録。2位には17,927枚でNGT48の『Awesome』、3位には14,261枚で乃木坂46の『君に叱られた』と続き、King & Princeが他を寄せつけない圧倒的な差で首位に立った週となった。


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 『恋降る月夜に君想ふ』はKing & Princeの8枚目のシングル。表題曲は映画『かぐや様は告らせたい〜天才たちの恋愛頭脳戦〜ファイナル』主題歌で、同映画の前作にあたる作品の主題歌「koi-wazurai」に続く起用となる。そのため、この曲に登場する〈僕らは運命に 少し甘え過ぎかな〉や〈言えない台詞ばかり〉といった描写は、互いに惹かれ合いながらもプライドが邪魔をして告白できない2人の恋愛模様を描いた同映画の物語に沿ったものだ。


 サウンド面に耳を傾けると、豪華なオーケストレーションの施された緻密な音作りが気持ち良い。ほどよいダンスビート、ドラマチックなストリングス、繊細なタッチのピアノ、鐘の音といったように、一聴して“これぞKing & Prince”な王道のJ-POPサウンドが展開されている。とりわけサビのメロディは印象的で、〈Darling Darling〉や〈Loving more Loving〉といった繰り返しのフレーズにキャッチーさがありつつも、ワクワク感の中にどこか切ない、胸が締め付けられるような美しい旋律も耳に残る。


 また、全体を通して“君”に恋する“僕”の内面の気持ちを中心に歌っている歌詞だが、Dメロで〈もしも地球の片隅で〉と視界が広がる展開を見せるのも彼ららしい構成だ。「シンデレラガール」では夜空を越えて会いに行く彼らだが、今作では夜空に橋を架けて見つけに行く。王道のJ-POPサウンドに、思わず口ずさみたくなるメロディと、彼ららしく“君に会いに行く”歌詞、三拍子揃った一曲である。


 先日は3rdアルバム『Re:Sense』をリリースし、海外プロデューサーとのコラボなどを通してまたひと回り成長を遂げたKing & Prince。大きく世界へ羽ばたいている彼らが、国内では王道のJ-POPを作る姿に、彼らのファンへ寄り添う姿勢を感じ取れる。


 一方で、通常盤のカップリング曲を見ていくと、セブン-イレブンのCMソングとなっている「You are my hero」はピアノやエレクトロニックなキラキラとしたサウンドをふんだんに用いた幻想的な一曲で、〈出来る限り支えたい 力になれるのなら〉といった聴き手に寄り添う歌詞が特徴だ。穏やかなムード漂う「Kiss & Cry」はメロウグルーヴなサウンドが心地よい。全編英詞の「Easy Go」ではラップが登場し、リズミカルなリリックを軽快に歌い上げている。表題曲とは一転して洋楽ライクな楽曲が並んた収録曲だ。


 そんななか、印象深かったのが初回限定盤Aのカップリング曲「泣き笑い」だ。朗らかな日常感のある言葉と雰囲気を持ったこの一曲は、向井太一とCELSIOR COUPEが制作に参加している。ギターの響きが全体をリードしつつ、リズム面やメロディの塩梅がヒップホップやR&Bのテイストを絶妙にJ-POPに昇華。今作の表題曲のようなJ-POPを歌いながらも、海外を意識したサウンドの楽曲も歌いこなすKing & Princeの、その両面をうまくブレンドしたような楽曲に仕上がっている。(荻原梓)


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