大津弘樹、ただ1人“スリック”で挑んだQ3で自身初ポールポジションを獲得【第6戦もてぎ予選レポート】

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2021年10月16日 18:31  AUTOSPORT web

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写真伊沢拓也アドバイザーと初ポールを喜ぶ大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)
伊沢拓也アドバイザーと初ポールを喜ぶ大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)
 10月16日、2021年の全日本スーパーフォーミュラ選手権第6戦もてぎの公式予選が行われ、Q3を唯一スリックタイヤで挑んだ大津弘樹(Red Bull MUGEN Team Goh)がギャンブルに成功。周囲が1分37秒台に留まる中、1分32秒317をたたき出して堂々のトップタイムをマークして初のポールポジションを獲得した。フロントロウは山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)で今季予選最高位。タイトル獲得を目前にしている野尻智紀(TEAM MUGEN)は最終アタックで3番手に滑り込み、もてぎ大会での戴冠に向けた執念を見せた。

 上空を厚い雲に覆われたツインリンクもてぎでは、今にも雨が落ちてきそうな気配を漂わせながらスーパーフォーミュラの予選を迎えた。気温は20度、路面温度は24度を記録。セッション開始前の13時15分にはウエット宣言が出されていたが、13時35分からQ1A組は全車がスリックタイヤでコースインした。

 Q1A組には、大湯都史樹(TCS NAKAJIMA RACING)、山下健太(KONDO RACING)、福住仁嶺(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(KCMG)、大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)、大津弘樹、平川亮(carenex TEAM IMPUL)、中嶋一貴(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)が出走。

 WEC世界耐久選手権から凱旋参戦となる可夢偉と中嶋の走りに注目が集まるが、その可夢偉はアタックに入った90度コーナーでまさかのスピンを喫してしまう。セカンドアンダーブリッジでコースサイドにノーズをヒットさせ、マシンはストップ。可夢偉の車両を回収するため、セッションは赤旗中断となった。

 13時48分、残り時間は3分でQ1A組セッション再開された。アウトラップの後、アタックチャンスは1周のみとあって、全車一斉にコースイン。まずは中嶋が1分31秒900のターゲットタイムをマークすると、続けて関口が1分31秒543で逆転し、その後福住が1分30秒549でトップに立つ。

 続いて平川、大湯がコントロールラインを通過するが、福住には届かず2番手タイムに。大湯が1分30秒701で平川を上回り、最後にコントロールラインを通過した山下も平川よりも速いタイムで4番手に滑り込んだ。結果、可夢偉のクラッシュで赤旗が掲示されたタイミングでアタックに入っており、タイヤのピークが過ぎてしまっていた大嶋と、赤旗掲示の原因となった可夢偉の2台がQ1敗退となった。

 続いて行われたQ1B組には、山本尚貴(TCS NAKAJIMA RACING)、サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)、牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、国本雄資(KCMG)、タチアナ・カルデロン(ThreeBond Drago CORSE)、野尻智紀(TEAM MUGEN)、関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)、宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM’S)、坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)、松下信治(B-Max Racing Team)が登場。山本と宮田を除く8台がコースチェックの為にセッション開始と同時にピットを離れ、アウトインで戻ってくる。

 彼らがタイヤを履き替えている間に山本と宮田がコースインし、タイヤ交換組も続々とピットを後にすると、残り時間が2分を切る辺りから次々とトップタイムが塗り替えられていくことになった。まずは、もてぎでのタイトル決定のためにも予選ポイントが欲しい野尻が1分30秒485でタイミングモニターのトップに立つと、山本が1分30秒421で逆転。さらにこれを松下が塗りかえ、その後も1分30秒台前半のタイムが続いていく。

 そこへ、2周目のアタックに入った野尻が1分29秒757をマーク。8月の第5戦で自身が記録したばかりのコースレコードを1秒以上塗りかえて見せた。これで野尻がトップ通過。2番手は松下、3番手には牧野が入った。

 以下、山本、坪井、関口と続き、Q2進出の最後尾には、最終ラップで宮田のタイムを100分の39秒上回った国本が滑り込み、ここまで全戦Q3進出を果たしていた宮田が初めてQ1で敗退となった。午前中のフリー走行で上位につけていたフェネストラズも、1分30秒台に入れたものの上位争いには残れず9位。10位のカルデロンとともにここで姿を消すこととなった。

 Q2A組が始まるころになると、コース上はところどころ、もやがかかったような少し強めの霧雨に見舞われるように。水しぶきが上がるほどの量ではないものの、コース上はうっすらと水が乗り、各チームはタイヤ選択を迫られるセッションになった。

 全車がコースチェックに向かうと、アウトインで山下と大湯がピットイン。ウエットタイヤに交換してすぐさまピットを後にする。同様にピットでタイヤ交換の準備をしていたのは平川のTEAM IMPULと大津のRed Bull MUGEN Team Gohだが、大津はそのままステイアウトを選択。しかし、平川はその翌周にピットに入り、ウエットタイヤに交換。それぞれの決断が、予選結果に大きく影響することになる。

 ウエットタイヤに交換した山下と大湯は1分41秒台、42秒台のタイムで1位、2位となりQ2突破に成功。ステイアウトを選択した阪口が1分47秒台で3番手に着ける。

 残り1枠をかけて、まずは平川が1分51秒872で4番手に入っていたが、ラストラップで大津が1分51秒211をたたき出し、平川を逆転。これで5番手に下がった平川はここで予選敗退に。逆転タイトルの望みをつなげるにはポール・トゥ・ウィンが必要だったが、これでタイトル争いからも姿を消すこととなった。

 続くQ2B組もタイヤ選択が分かれる。関口はウエットタイヤでスタートし、野尻は新品のスリックタイヤ。牧野、坪井、松下、国本もスリックタイヤでコースインするが、野尻と牧野、坪井はアウトインでピットに戻り、ウエットタイヤに履き替えてアタックに入っている。山本は今回も一人タイミングをずらし、残り時間が5分を指したところでウエットタイヤを装着してコースインした。

 最初からウエットタイヤでスタートした関口が、まずは1分41秒015でトップタイムをマーク。これに各車が挑むかたちになった。アウトラップでタイヤのウォームアップを終えた山本が1分41秒056で関口に続くと、牧野が1分42秒台で3番手に。最後にコントロールラインを通過した野尻が山本を上回り2番手に入り、この時点で4番手に着けていた坪井がノックアウト。松下、国本と共にここで予選終了となった。

 Q3がスタートするまでのわずかなインターバルでも、空模様は変わっていく。霧雨の具合も絶妙なところで、各チームはセッションが始まる直前までタイヤ選択に頭を悩ませていた。それでも、Q2での状況から8台中7台がウエットタイヤを選択。大津のみがスリックタイヤを選択した。

 タイヤが冷えているアウトラップでは苦労していた大津だったが、タイヤに熱が入ると大幅にペースアップ。計測3周目で1分33秒463をマークし堂々のトップに躍り出る。この時点で2番手の山本は1分36秒台。

 初ポールは決定的となったが、大津は更に2周連続アタックで1分32秒317までタイムを縮めて見せた。セッションの途中でタイヤを履き替えた野尻が最後に1分37秒141を記録し、これで決着。大津が自身初のポールポジション獲得となった。2番手の山本は今季の予選最高位。ドライコンディションのQ1でレコードブレイクを果たした野尻が3番手に入った。

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