「アクアスキュータム」「ダーバン」レナウンからの事業譲受後初の合同展示会を開催 プロパー販売強化へ

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2021年10月16日 21:02  Fashionsnap.com

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展示会の様子

Image by: FASHIONSNAP
小泉グループのオッジ・インターナショナルが、「アクアスキュータム(Aquascutum)」と「ダーバン(D'URBAN)」の2022年春夏シーズンの合同展示会を開催した。両ブランドが展示会を開いたのは、経営破綻したレナウンからの事業譲受後初めて。

 レナウンは、昨年5月に子会社による東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請し再建を目指したが、コロナ禍で資金繰りが難航。その後、主力ブランドのアクアスキュータムとダーバンに加えて、「スタジオバイダーバン(STUDIO by D'URBAN)」、「シンプルライフ(SIMPLE LIFE)」、「エレメントオブシンプルライフ(element of SIMPLE LIFE)」を小泉グループに事業譲渡し、同年11月27日付で東京地裁による破産手続き開始決定を受けた。
 アクアスキュータムとダーバンはオッジ・インターナショナルに事業が移管したが、デザイナーを含む生産体制に大きな変更はなかったという。今回の合同展示会はオッジ・インターナショナル傘下に入って約1年が経ち、両ブランドの運営基盤が整ったことから、「新生アクアスキュータム」「新生ダーバン」の打ち出しを本格的に強化する。
 アクアスキュータムでは、ブランドのアイコンでもあるクラブチェックやクレストを用いた商品群を拡充。今季初投入となったナイロンのトートバッグにはロゴを大きくあしらった。ウィメンズのナイロントートバッグの価格は2万4000円。定番のレザーバッグよりも手に取りやすい価格に設定し、メインの顧客層である50〜60代よりも若い新規顧客の獲得を狙う。

 ダーバンはビジネススーツが主力商品だが、最近はカジュアル衣料を拡大している。ブランド顧客の多くがダーバンで買い物を完結させる傾向があり、生活様式の変化を背景にカジュアル衣料の動きが好調だという。今季はカジュアル衣料の比率を従来の2〜3割から5割に高め、裾幅の広いパンツを初めて打ち出すほか、セットアップで着用できるアイテムを充実させた。

 レナウンの経営破綻は業界で大きく取り上げられ注目されたが、両ブランドの担当者は「大きな顧客離れはなく、応援してくださる方が多かった」と話す。また、これまでは伝統を重視し既定路線の戦略を徹底してきたが、オッジ・インターナショナルの傘下に入ってからはアイコニックな商品の打ち出しやカジュアル衣料の強化といった新しい戦略が生まれ、ブランドにとっても相乗効果が得られているという。在庫消化の目処が立ち、2021年秋冬シーズンからはプロパー販売を強化している。アクアスキュータムの担当者は「アクアスキュータムはトレンチコートのイメージが強かった。新体制になり、トレンチコート以外にアイコニックな商品を投入していくことでブランドの価値を改めて発信していきたい」と語った。
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