Opensignalが4キャリアの通信品質を調査 5Gはドコモ、ゲームやビデオはソフトバンクが優秀

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2021年10月19日 06:12  ITmedia Mobile

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写真各ジャンルにおけるユーザー体験の評価を測定。ソフトバンクが3ジャンルで1位の評価になった
各ジャンルにおけるユーザー体験の評価を測定。ソフトバンクが3ジャンルで1位の評価になった

 世界のモバイルネットワークのユーザー体感を分析しているOpensignal社が、2021年6月1日から8月29日までに得られた情報をもとにした、日本の携帯電話ユーザーのネットワーク体感レポートを10月14日に公表した。同日、日本の報道関係者向けに説明会も開催し、同社の分析担当バイスプレジデント、イアン・フォッグ(Ian Fogg)氏がレポートの内容を解説した。



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 Opensignalは6カ月ごとにレポートを公表しているが、今回は全体的なユーザー体感レポートに加え、5Gに特化した日本の5G体感レポートも発表した。



●全体ではソフトバンクが3部門で1位



 まずは4Gや5Gを含む全体的なネットワーク体感レポートから解説した。Opensignalはユーザー体感を測定する場合に「ビデオ体験」「ゲーム体験」「音声アプリ体験」「ダウンロードスピード体験」「アップロードスピード体験」「利用率」の6部門を測定。MNO4社は、それらのうち1つ以上でトップの成績を収めているが、ソフトバンクが3つの部門でトップになっている。



 ソフトバンクは前回に続きビデオ体験、ゲーム体験で最も高い評価を得た。LINEやFacebook Messenger、Skype、FaceTimeなどの音声アプリ体験も、楽天モバイルとともに1位の評価になっている。ダウンロードスピード体験ではドコモが平均速度52.4Mbpsで、前回に引き続き1位。楽天モバイルはドコモの半分以下のダウンロードスピードとなってしまっているが、アップロードスピード体験では平均速度13.4Mbpsで、他3キャリアよりも大幅に速くなっている。



●日本の5G体感を初めて測定



 Opensignalは今回、日本で初めて5Gに特化した体感レポートを発表した。5Gサービスの広がりを示す尺度として、「5G利用率」がある。これはユーザーが有効な5Gに接続している時間の割合を示すもので、3.1%のドコモが他の3社を大きく引き離している。



 また、ユーザーが5Gを体感する場所の割合を示しているのが「5G到達率」で、10段階評価となっている。これもドコモが1位だ。現在の日本で、ドコモは多数のユーザーが利用し、かつ多くの場所で5Gを利用でき、5Gサービスへの接続が最も簡単ということになる。



 一方、楽天モバイルの5G到達率のスコアは0.3ポイントと非常に低い。フォッグ氏は原因として、楽天モバイルは他の3社と比べて5Gローンチが半年ほど遅れたこと、4Gネットワークの拡張を優先してきたことを挙げている。



 5Gの利用率、到達率はこういった状況にあるため、次項で紹介する各分野の評価に対して留意しておきたい。



●5Gで映像視聴やダウンロードの体感は?



 「5Gビデオ体験」は、5G対応のスマホを持っているユーザーが、有効な5Gに接続してストリーミング映像の品質をどう体感したか測定したもの。これについてはソフトバンクが78.6ポイントで1位。そして、楽天モバイルもそのポイントに近い数値を出している。



 フォッグ氏は「楽天モバイルの場合は『信頼区間』が広いのでこういう結果になっている」と説明。信頼区間とは調査結果の精度を知るための統計学用語で、スコアにかなりばらつきがあることを示す。キャリアが5Gネットワークを拡張していき、より多くのユーザーが5Gを使うようになってくると信頼区間が狭くなり、調査結果も変わってくることが予想されるという。



 「5Gゲーム体験」でも、1位は100点満点中89.9ポイントを記録したソフトバンクだ。ソフトバンクは「5G音声アプリ体験」でも1位となり、3部門で1位を独占した。



●総合的なダウンロードスピード体感はドコモが優勢



 ユーザーが5Gに接続しているときの平均「5Gダウンロードスピード体験」は、1位が楽天モバイルで224.3Mbps。ただ、それ以外のキャリアも100Mbps以上で、4Gの平均ダウンロードスピードと比べても大幅に速くなっている。



 楽天モバイルの数値が高いが、これも信頼区間が広いためだ。全てのユーザーの平均ダウンロードスピードではドコモが52.4Mbpsと最も速い。また、5Gユーザーが5Gだけでなく4Gに接続している場合も含めたダウンロードスピードを調べると、ドコモ、au、ソフトバンクの3社が楽天モバイルを上回る。



 楽天モバイルの5Gユーザーは、5Gに接続しているときの通信速度は確かに速いものの、接続できている時間の割合が少ない。4Gのスピードも影響し、トータルでは楽天モバイルより他社のダウンロードスピードが上回るということを示している。



 ただし、ドコモの5Gネットワークについては、パケット通信速度が極端に下がる「パケ止まり」がユーザーから指摘されている。「調査に反映されているか」という記者からの質問に対し、フォッグ氏は「そのような状態が、ドコモのゲーム、ビデオ、ダウンロードスピードの体験に影響しているといえる」と述べた。パケ止まりの状況が十分に反映された調査結果だという認識だ。



 なお、5Gのアップロードスピードに関しては、楽天モバイルが32.0Mbpsで1位、ソフトバンクが23.7Mbpsで2位となっている。



●日本は5Gの初期段階



 5Gのユーザー体験の成績をまとめると以下の表になり、ドコモ、ソフトバンク、楽天モバイルが1位を獲得している。



 ただ、フォッグ氏は「日本はまだ5Gの初期段階にある。日本のキャリアは5Gに多くの投資をしており、5Gはさらに拡大していく。それは5G利用率の拡大、5Gの普及につながる」と語り、ユーザー体感の向上を見通している。



 今回の調査では楽天モバイルのスコアが高く出ているが、フォッグ氏はあくまで「ユーザー体験を重視している」と強調。また、楽天モバイルはゲーム体験や5G利用率、5G到達率のスコアは低いと指摘し、これは楽天が持っている周波数帯も関係しているとする。その上で「今後の状況は変わると確実にいえる。だからこそOpensignalは6カ月ごとにレポートを出している」(フォッグ氏)と述べた。


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